「教育再生実行会議」が政府の考えをまとめています。

参考:教育再生実行会議 (他のサイトへ移動します)

少し理想が高すぎるかもしれませんが、国の本気度が伝わってきます。

第九次提言

従来の工業中心の時代から、情報・知識が成長を支える時代に入り、情報通信技術を はじめとする科学技術の発展や急速なグローバル化は、社会の在り方に劇的な変化をも たらしています。

近い将来には、IoT(Internet of Things)や人工知能の進化等によ り、現在人間が行っている様々な仕事が機械により代替されると予想されるなど、その 変化はますます加速しています。

このような情報化時代においては、人間にとって、コンピュータや機械で置き換える ことのできない志、創造性、感性等が一層重要になります。

社会の在り方としても、一 人一人が多様な個性や能力を発揮し、新たな価値を創造したり、互いの強みを生かし合 い、人が人としてより幸せに生きることのできる「多様性(ダイバーシティ)」に富ん だ社会を築いていくことが、発展への原動力として不可欠と考えられます。

しかし一方では、これまでの教育で十分に力を伸ばし切れていない子供たちがいるの も事実です。

このような子供たちに、一人一人の状況に応じて、その力を最大限伸ばす ために必要な教育を提供するという視点に立つことが重要です。

多様な個性や能力のある子供たちが、これまで十分に伸ばせていなかった能力を開花させ、社会の中で活躍で きる可能性を広げられるよう、これまで以上に学校が地域や社会と連携しながら、これ までよりも包容力を高め、懐深い教育を展開していくことや、ICT 等を活用して一人一 人の特性に応じた適切な配慮や支援を充実し、世界で最も進んだ教育を実現していくこ とが必要です。

以上は、第九回提言の「はじめに」に書かれてある内容の一部です。

インクルーシブ教育システム

地域に おける教育・保健・医療・福祉・労働分野等の関係機関の連携強化、特別支援教育に ついての教師の専門性の向上、学校における支援体制の充実等に取り組むというようなことが書いてあることからも、人間の多様性等の尊重を強化する「インクルーシブ教育システム」の構築を本気で考えているみたいです。

また、私が以前から言っているスクールソーシャルワーカーを全国の学校に配置するということも実現されそうです。

現在は特定の地域でしか行われていない、発達障害の早期発見に向けた取り組みも強化されるみたいです。

さらに、障害や不登校、学習内容の未定着の子供たちの能力を最大限に伸ばす必要性、リーダーシップを育てる教育の必要性など「多様な個性が長所として肯定され生かされる教育」の実現するために細かい提言がされています。

  1. 発達障害など障害のある子供たちへの教育
  2. 不登校等の子供たちへの教育
  3. 学力差に応じたきめ細かい教育
  4. 特に優れた能力を更に伸ばす教育、リーダーシップ教育
  5. 日本語能力が十分でない子供たちへの教育
  6. 家庭の経済状況に左右されない教育機会の保障

第八次提言

いじめ防止、 教育委員会改革、大学ガバナンス改革、学制改革のための法律制定・改正など、長年議 論されながら実現に至らなかった課題が着実に実行されてきています。

一方、提言され た改革等の中には、これから本格的に実行に移されるものもあり、十分な財政的裏付け を必要とするものも少なくありません。

もとより、教育は、人格の完成を目指し、心身ともに健康な国民の育成を期すととも に、国家・社会の存立・繁栄の基盤を形成するものです。人間の強靱化なくして、我が 国の未来はありません。

教育は、経済成長・雇用の確保、少子化の克服、格差の改善、社会の安定とい った我が国社会が抱える課題を解決する鍵になるものです。

教育の充実により一人一人 が持つ可能性を最大限伸長するとともに、教育費負担の軽減により子育てに対する不安 要因を低減することを通じて、一人一人の豊かな人生と、成長し続け、安心して暮らせ る社会を実現することができます。

以上は、第八回提言の「はじめに」に書かれてある内容の一部です。

これから必要とされる教育投資

第八次提言では、主に「これからの時代に必要な教育投資」について書かれてあります。

  1. 全ての子供に挑戦の機会が与えられる社会を実現する
  2. あらゆる教育段階を通じて「真の学ぶ力」を培う
  3. 「真の学ぶ力」を基に、実社会で活躍できる資質・能力を育成する
  4. 学校が地域社会の中核になる

幼児期の教育は、生涯にわたる学びと資質・能力の向上にものすごく影響を与えます。家庭の経済的理由により、適切な学びの環境に置かれない子をなくしていこうとしているようです。

これは、早期教育を推進しているわけではありません。多くの子が普通に受けられる教育を普通に受けるために支援策が必要だということです。

これらを実現するには、指導者の成長と学校を中心とした地域社会を作ることが必要であるとし、それに対して教育投資をするとまとめられています。

第七次提言

現代の社会は、情報通信技術の発展を背景として、規格化された製品の大量生産、消 費が成長を支える工業中心の時代から、より高度な情報・知識に基づく多様で付加価値 の高い製品・サービスの提供が成長を支える時代に入っています。

インターネットの出 現は、人間の知識創造とコミュニケーションの在り方に革命的な進歩をもたらしました が、今後は、周囲のあらゆるモノがネットワークにつながり、それらが自律、分散的に 情報の処理、交換等を行い、新たなサービスや価値を生み出していくことが予想されま す。

こうしたことに加え、今後、コンピュータの性能が飛躍的に伸び、近い将来には、 様々な労働が機械に置き換わるだけでなく、頭脳労働の一部が人工知能に代替されたり、 高度な頭脳労働において人工知能が人間のパートナーになったりする時代が来ると考え られます。

2045 年には、コンピュータの能力が人間の能力を上回る技術的な転換点が訪 れるという予測もあり、私たちの仕事や生活に、現在の常識を覆すような変化がもたら される可能性があります。

以上は、第七次提言の「はじめに」に書かれてある内容の一部です。

これからの時代に求められる資質・能力

今後の社会変化に対応するには、想定外の事象や未知の事象に対しても、自分の持っているすべての能力を使い主体的に解決する力を養う必要があると述べています。

大学入試改革で、知識は不要になる」と勘違いしている人もいるはずです。それは間違えなので注意してください。

今後はセンター試験レベルの問題を解くことができる基礎学力に加え、未知の社会を渡り歩くために論理的思考能力・コミュニケーション能力・英語力・体力など総合的な力が必要になってくるのです。

コミュニケーション能力さえつけておけばそれでOKというわけではないのです。

  • 主体的に課題を発見し、解決に導く力、志、リーダーシップ
  • 創造性、チャレンジ精神、忍耐力、自己肯定感
  • 感性、思いやり、コミュニケーション能力、多様性を受容する力

以上の能力が今以上に求められると七次提言ではまとめられています。