宮崎国際大学は国際教養学部(比較文化学科)と教育学部(児童教育学科)からなる宮崎県宮崎市清武町加納丙1405にある大学です。教育学部は平成26年に新設されています。今後、日本で英語教育が必須になることで新設したのでしょう。国際教養学部、教育学部、就職、マイナス点を順に書いていきます。

宮崎国際大学はほぼ確実に合格できるので入学後のことを考え英語の勉強に力を入れることを勧めます。

国際教養学部

英語環境・リベラルアーツ教育

この学部は学生を徹底した英語環境に置かせます。入学直後から英語での授業が始まります(ほぼすべての科目が英語で行われる)。また、リベラルアーツ型の教育環境を徹底しているようです。

リベラルアーツに関しては国際基督教大学(ICU)や秋田の国際教養大学、大分の立命館アジア太平洋大学早稲田の国際教養学部などが有名ですが、それに近いものが宮崎国際大学でも行われているようです。

海外研修プログラム

2年後期にはすべての学生が参加する16週間の海外研修プログラムがあります。5か国15校の研修先から一つを選択できるようです。

ここで問題になるのが英語力です。宮崎国際大学は偏差値的にそこまで高くないです。受験したらほぼすべての生徒が合格できます。つまり、英語が全くできなくても合格できてしまうのです。

英語が全くできない学生は当然ながら英語で授業を受ける能力を持っていません。そのような学生は途中で挫折してしまう可能性があります。実際、宮崎国際大学の退学率は15%近いです。

しかし、そうならないために、英語力をサポートするティームティーチングが行われています。これは、2人の教員が一緒に授業を担当する仕組みです。

この大学の教員は科目内容を説明する科目担当教員と英語の理解を助ける英語担当教員に分かれていて、科目担当教員は英語で専門教育を進めます。

説明の中で難しい部分があれば英語担当教員がサポートをするのです。このように、サポート体制はしっかりしているので、大学から本気で頑張ろうと思っているのであれば英語力は相当伸びると思います。

英語教育プログラムの成果

2010年度入学者(平成26年卒業者)のデータによると入学時のTOEICの平均点が338点だったのに対し、卒業時642点(語学・文系大学4年のTOEIC平均565点、日本の大学4年のTOEIC平均493点)という結果を出しています。

(以下のグラフは宮崎国際大学のHPから抜粋しています。クリックすると拡大できます)

宮崎国際大学,TOEIC

この数字はかなりすごいと思います。入学時と3年時のTOEICスコアの伸びを見ても、200点から500点になっている学生もいます。

宮崎国際大学,TOEIC,伸び

この結果から、やる気のある学生なら確実に成績を伸ばせると思います。ただし、この下位20名の中には中退者は含まれていないだろうから、途中で挫折して辞めてしまった学生もいるはず。

英語を本気でやるという覚悟は絶対に必要になるでしょう。

アクティブ・ラーニング

授業は、20人程度の少人数制アクティブラーニングを取りいているとHPにあります。講義を聞いてノートを取るだけの一方通行型の授業ではなく、クラスメートと一緒に考え、結論を出す授業形式を取っているみたいです。

このアクティブラーニングは今後、多くの中学・高校・大学教育の基礎になることは間違いないと言われています。それをいち早く取り入れた大学の一つが宮崎国際なのです。

アクティブラーニング型の授業を受けることで、現在多くの大学が行っているよりも、社会に出てから自分を活かすことができる下地を作ることができるはずです。

リベラルアーツ教育

人文科学系、社会科学系、特別研究系(英語圏言語文化、国際社会文化、グローバル・スタディ、心理学)の中から自分の興味、テーマに合った専攻を選び、専門教育科目を学ぶ。

と大学HPに書いてあります。細かいことが書かれていないので、実際に何を学べるかはカリキュラムを見たり、電話で問い合わせてください。

HPを見る限り、上述した大学よりも若干劣るかとは思いますが、日本の中でも数少ないリベラルアーツ教育が行われていることに違いはありません。リベラルアーツについては国際基督教大学のHPが分かりやすいと思うのでそちらを見てください。

国際基督教大学

教育学部

宮崎国際大学の特色を生かし、英会話ができる小学校教員養成を試みています。

高校時代は大学に入るためだけに受験勉強をしていたと思います。自分の興味・関心に関係なく、ただ勉強をすることに疑問を感じていた人も多いと思います。

偏差値が低くて自分が望む教育学部に合格することが難しい人もいるでしょう。

「西南学院大学や福大で特別カリキュラムを利用して小学校教員を目指したいけれど合格は厳しい。だから、関心はないけれど入れる大学に入っておこう。」

そんなことで大学を選ぼうとしている人がいるなら宮崎国際大学をチェックしましょう。

宮崎国際大学は確かに偏差値が高くはありません。受験生のほぼすべてが合格できます。しかし、偏差値が低いことが、教育レベルが低いことに結び付いているわけではありません。

大学は偏差値(現時点では偏差値が高い大学の方が就職に有利です。学校の先生になるのであれば学歴は関係ないです。

大学名で合否が決まることはありません)だけで決めるものではないのです。自分の能力を最大限高め、成長させてくれる大学を選ぶべきです。

就職について

宮崎大学は就職に強い大学だと思います。それは、海外研修やアクティブラーニングなど一方通行の暗記型の授業ではなく、自分で考え行動することに重きを置いた授業を行っているからです。

今求められる能力は持っている知識をいかに使いこなすか、コミュニケーションや企画力、ディスカッションなどです。

これらを授業で学ぶことができるのが宮崎国際大学です。偏差値の高い大学で一方通行の授業しか受けていない生徒より能力が高まるのは必然だと思います。

マイナス点

宮崎大学の良い点について書いてきました。しかし、良い点だけではありません。私がこの大学を進学先にするとき躊躇する点をあげます。

学費が高い

国際教養学部・教育学部の初年度学費はそれぞれ130万120万円です(2年次以降は110万、100万円)。さらに国際教養学部だと留学などに費用がかかる(平成25年度の平均は750,000円程度)ります。

福岡大学の文系学部が初年度約106万円(2年次以降約87万円)、九州産業大学の文系学部が初年度約99万円(2年次以降約76万円)であることを考えてもかなり高額です。

もちろん、これは少人数指導でアクティブラーニングを行う授業形態から仕方がないことです。

場所

勉強をするために大学に行くということが目的ならば場所は気にならないと思います。しかし、学問以外のことも充実させたいという人には宮崎は会わないかもしれないでしょう。

関東・関西からこの大学を受験しようと思う人はほとんどいないのではないでしょうか。福岡からも、よほどやる気がない限り受験しないと思います。

偏差値が低い

多くの人は就職のことを考えできるだけ偏差値の高い大学に入ろうとします。西南学院大学・福岡大学に合格できる実力があるのにわざわざこの大学を選ぼうとする人はいないと思います。

大学は偏差値ではなく何を学べるかでも考えるべきですが、仕方がないことだと思います。

しかし、偏差値が低くて西南や福大などに入れないけれど英語を本気で勉強したい、小学校・幼稚園・保育園の先生になりたいという人は、学生の能力を高めてくれるこの大学を選択肢の一つにしてもいいかと思います。

受験情報

偏差値

ベネッセ・進研(個別試験)

合格率60%以上のB評価基準です。なお、偏差値は2015年6月に行われた高3生総合学力記述模試を基準にしているようです。

  • 国際教養学部:44
  • 教育学部:47

河合(個別試験・センター得点率)

合格率が50%に分かれるラインです。なお、ボーダーラインは前年度入試結果と今年度のセンター・リサーチ、全統模試の志望動向を参考にしているようです。

  • 国際教養学部:37.5 ● 40%
  • 教育学部:40.0 ● 40%

東進(個別試験・センター得点率)

合格率80%以上のA評価基準です。なお、偏差値は特定の模試を基準にしているのではなく、総合的に判断がされているようです。

  • 国際教養学部:49 ● 57.2%
  • 教育学部:49 ● 51.5%

宮崎国際大学は受験すればほぼ間違いなく合格できてしまう大学です。偏差値を気にする必要はないでしょう。合格後のことを考え英語の勉強を徹底的にし、他の科目は一切勉強をしなくてもいいと思います。

初年度学費

  • 国際教養学部:130万円(2年次に留学費が別途必要)
  • 教育学部:120万円

学生数・教員数

  • 学生数:316人 (2015年)