時制に関連することを検索をすると「参考書よりも分かりやすい」「こうすれば簡単に理解ができる」というようなサイトをよく見ます。

しかし、市販の参考書と同じようなことを書いてあるものはあります(パクリもある)が、参考書より優れているものはありません。

当然、それらを読んでも簡単に時制が理解できるようにはなりません。

もし、どこかのサイトをみて「この考えすごい。分かりやすい」とあなたが思ったのだとすれば、それはあなたが市販されている参考書をまともに見たことがないだけです。

つまり、勉強不足なだけなのです。

効率的に勉強をしたいのであれば、ネット検索をするのではなく、市販されている参考書を熟読してください。

フィーリングでしか解けない?

学校の授業などで時制の解説をしてもらえばなんとなくわかったような気になるのに、模試などで実際に問題を解いても正解に達さないことがよくあるはずです。

仮に正解していたとしても、「これ絶対に正解」と確信をもって答えられることは稀で、「たぶんこうなんじゃね?」とフィーリングだけで時制の問題を解いていることも多いはずです。

時制は参考書やサイトに書かれてあることを1回読んだくらいで理解はできません。

中には10回くらい読んでも、理解できない人もいるはずです。

時制ができるようになるにはそれなりの時間をかけて英語の感覚を身につけ、必要なことを暗記をし、たくさん演習をする。これ以外方法はありません。

時制にはシンプルかつイージーな解法などないということを知ってください。

英語の感覚が必要なのだから1日・2日どころか1・2ヵ月かけても理解をすることができないことも起こりえるのが時制だと思ってください。

暗記が大切

時制問題を解くには絶対に暗記が必要です。

最近の参考書は「『習慣や不変の真理は現在形』などと覚えずに『今も昔もこれからもずっと続くことが想定されているものは現在形』と覚えておけば現在形の理解は簡単にできる」というようなものがたくさん出回るようになりました。

確かにその考えは納得できます。初めて読んだときは「確かにこの考えは使える」と思いました。

しかし、それらを納得したとしても偏差値50以下の高校生が大学入試の4択問題に確信をもって対応できるようにはなりません。

というのは、時制は現在時制以外にもたくさんあるので、問題として出されたら、そもそも何を聞かれているのかが勉強不足の高校生が捉えることができないからです。

だから、結局は最近の「暗記不要」系の参考書を利用できるのは、ある程度勉強を重ねて最低限の知識を持った人が理解を深めるために利用するもので、普通の高校生にはかえって頭を混乱させかねないと思ったほうがいいです。

結局、どれだけ簡単な説明・解説をきいて納得できたとしても、問題を解くには暗記が最低限の暗記が必要ということです。

大学に合格することを目標に英語を勉強するのであれば、暗記から逃げることはできないということを分かってください。

大学入試のためだけの英語の勉強をしなくてもよくなる時代が来ればいいですよね。

今後は小学生に勉強を教えなければならなくなると思うので、私が小学生に英語を教えるのなら学校の成績がどうなるかは無視して、自分の意志を相手に伝えられるための英語を教えたいと思っています。

無駄な暗記はしない

暗記をしろと書きましたが、無駄な暗記は不要です。

時制には以下の12通りあります。

過去完了はhad doneで、完了・結果は「~してしまっていた」、経験は「~したことがあった」、継続は「ずっと~であった」。過去完了進行形はhave been doingで「ずっと~していた」。

未来完了はwill have doneで、完了・結果は「~してしまっているだろう」、経験は「~したことになるだろう」、継続は「ずっと~していることになるだろう」と訳をする。

こんなことを覚える必要はありません。私は全くこんなことを覚えていません。

というのは、日本語の訳が英語の時制にそのまま適合するとは限らないからです。

これらを覚えても成績が伸びるどころか、かえって混乱を招く可能性すらあると私は思っています。

すぐに理解できるようにはならない

過去・現在完了・過去完了の見分け方は文型を理解するのと同じくらい理解が難しいです。

英語は日本人が普段意識しない感覚が必要になるからです。

時制の問題を解けるようになるには参考書などを読んで理解をしようと努力をすることも大切ですが、問題をたくさん解く必要もあります。

次の英文で間違っているものはどれか。

  • He studies English. 
  • He is studying English.
  • He studied English.  
  • He was studying English.
  • He will study English. 
  • He will be studying English.
  • He has studied English.
  • He has been studying English.
  • He had studied English. 
  • He had been studying English.
  • He will have studied English.
  • He will have been studying English.

これら、全部が間違っているとは言えません。

言語の研究者や頭がカチカチの予備校講師から「いや、この文は文法的に違う」と言われてしまうかもしれませんが、私からすればどれでもOKとしか思えません。

上の文には「yesterday」とか「when S V」などの語句がないので、どれも間違いではないとしか言えないのです(過去完了は間違いだと指摘されそうだが)。

何が言いたいのかというと、時制が入試問題として出題される場合は必ず文の前後に時を表す語句や表現があり、それをもとに時制を決めなければならないということです。

このことを無視して日本語訳から時制を決めようとしている受験生が多くいますが、そんなことをしていては問題を解けるようにはならないと思います。

解く順序

時制問題を解くときに私がどのように解いているのかを意識してみると、以下の順序で解いていることが多かったです。

①空欄の前後を見て絶対に違うものを消去

中堅私大に出題されるレベルの問題であれば、1・2つは簡単に消去できる選択肢があります。

まずはそれを探しましょう。

②何が問われているのかを把握

・進行形にできない動詞(状態動詞)

・時や条件を表す副詞節

・歴史上の事実・不変の真理・一般的習慣

・過去の表現と現在完了形は一緒に使えない語

・完了形の時に進行形になりやすい動詞(動作動詞)

・提案・要求を表す動詞の目的語がthat節だったとき(仮定法現在)

・…してから~になる

③問題文を丁寧に読む

・時に関連する表現に注目し現在・過去・未来の話なのかを把握

・現在形・過去形・現在完了形・過去完了形・未来完了形のどれを使うかを把握

・時制の一致(従属節を主節の時制に合わせるやつ)を考えるのは最後

※ 時制の問題で日本語訳を考えても答えが出ることはないと思って構わない。今回のテキストを作成するために時制の問題を500以上は解いたが訳を考えなければ答えが出せない問題は1題しかなかった。訳を考えるのではなく「at that time」「these days」「~ago」「when S V」「since」など時に関する表現に注目するだけでよい。

※ 訳を考えても無駄というのは「これは完了形の継続用法だから『~し続けている』と訳さなくてはいけない」という意味。英文を見れば必然的に日本語の訳を意識するのは当たり前(本当に英語ができる人は英語を英語のままで理解するので日本語訳を全く考えないが)。

④例外は捨てる

基本的な考えでは解けないような問題がごくまれに出題されることもあります。

それらは消去法で絶対に違う選択肢を消した後はフィーリングで解けばいいと思います。

例外は、不正解になろうが合否にはほとんど影響がないので気にしないのが一番です。