1996年初版のロングセラーの参考書です。かなりお勧めできます。
目次
お勧めできる人
『くもんの中学英文法』を勧められる人勧められない人を挙げます。
対象
- 中堅以上の公立高校を独学で受験する中学3年生
- 英語が得意な中学2・3年生
- 中学英語の理解が不十分な高校生
- 英語のやり直しをする大人
中学2・3年生から勉強から遠ざかっている大人まで使えます。超基礎内容から英語の土台を作ることができるかなりお勧めの参考書です。
非対象
- 勉強習慣がない人
- 英語の勉強が初めての人
- 英語が苦手な人
中学生用の参考書ですが、内容が濃いです。公立トップ校を受験する中学生がなんとか使いこなせるくらいのレベルです。
英語を始めたばかりの中学1年生には少しハイレベルすぎるので最初の一冊として使わない方がいいです。
レビュー
中学生を対象にした参考書は単純に暗記をさせるものが多いです。
中学英語を理解させるのに単純に暗記も必要になるので、単純暗記を否定することはできませんが、単純暗記だけでは高校に入ってから成績が伸びにくくなります。
中学英語は極端に言えば単語の暗記さえすればそれなりに点数が取れてしまうので、「英語が得意」だと勘違いしやすいです。しかし、実際は5文型の理解、自動詞・他動詞の理解をしていなければ高校英語で躓く可能性が高いです。
『くもんの中学英文法』は他の中学用参考書と異なり、意識しなくても文型の理解ができてしまう解説になっています。
たとえば、不定詞の名詞的用法の解説では「I like music.(私は音楽が好きです)」という例題の下に「I like to music.」という例題を当てています。
他動詞「like」の後には名詞が来るということを簡単な例文で示しているのです。
多くの中学生にはこれがどういうことなのか理解できないと思いますが、このような形で英語を理解しておけば高校に入ってから文型がスムーズに頭に入ってくるようになるはずです。
おすすめポイント
1文法1ページで簡潔にまとめられているところがほかの中学生を対象にした参考書では見られない良いところです。
以下、特にお勧めできるところを挙げておきます。
「ここでつまずかないように」
各章ごとに「ここでつまづかないように」(一部「読解力をつけよう!」)があります。
間違えやすいところをピックアップし、簡潔な解説がされています。しっかりと理解ができていれば間違えに気付ける例文が与えられます。
例えば、現在完了形では
「I've visited Kobe two years ago.」という例文が与えられています。
この例文は、「『two years ago』というはっきりした過去の1時点を表す語句がある場合は完了形は使えない」ということを理解していれば、「I've visited」が「I visited」でなければならないことに気付くことができます。
多くの人が間違えやすく・つまずきやすい箇所を指摘することで、理解を深めつつ復習もできる仕組みになっています。
別冊チェックテスト
簡易的なものですが、全ステップの確認ができます。どのように使うかは人それぞれです。
知識の定着には短期間で繰り返すことが重要なので、2ヵ月も3ヶ月も間を開けて確認をするのは勧めません。
マイナス面
解説は細かく丁寧で分かりやすいのですが表紙や「くもん」のイメージから、誰でも簡単に英語ができるようになると思われかもしれません。しかし、解説は分かりやすいですが内容が難しいので勉強嫌いな人には使えないと思います。
また、レイアウトが昭和感満載です。最近の参考書に見慣れた人には違和感を感じるかもしれません。
問題がほとんどないこともマイナス面になるのかもしれませんが、この参考書の性質上問題がないのは仕方がないと思います。