大人になってから「自分は発達障害かもしれない」と気づいた人に向けて書いてある本が「それって「大人の発達障害」かも? 正しい理解と上手なつきあい方 (心のお医者さんに聞いてみよう)」です。

発達障害の人が大人になったらどのような状況に直面することが多いのかを知る事ができるので、自分の子供がもしかしたら発達障害かもしれないと思った親が読んでも良いと思います。

Part 1ではアスペルガー症候群とありますが、自閉症スペクトラム(ASD)と捉えてもらって大丈夫です。

Part 1 周囲になじめない、空気が読めない アスペルガー症候群

ASDのことを全く知らない人でも、ASDがどういうものなのかのイメージを持つことができます。

天才的な能力
ASDの人は、得意なことにはとことん打ち込め、子どものころに「電車博士」「昆虫博士」などと呼ばれることがよくあるらしいです。

昆虫、地図、国名、国旗、カレンダー、信号機、文房具、イス、帽子、車、など特定の事に異常と覚えるほどの興味を示し、周りが見えなくなることもあるみたいです。

この特長を活かすことができれば、会社に就職するのではなく、別の方法で生活をすることができる可能性があるということにも触れています。

独特な言語コミュニケーション
難しい言葉や会話が形式的になることがることにも触れています。

○○ちゃんはこの件についていかがお考えでしょうか?

この事象を包括的に考慮しますと・・・

など、普通の小学生なら絶対に言わないような言い回しをしてしまうこともあるみたいです。

昔を思い出すと、確かにそのような子がいたような気もするな~って、この本を読んだ時に思いました。

感覚異常
聴覚・味覚・嗅覚・資格・触覚などが異常に敏感だったり、鈍感だったりするみたいです。それが原因で、偏食になったり、パニックを起こしたりもする場合もあるそうです。

協調運動の不得手
不器用で運動が苦手な人が多いことにも触れています。

Part 2 忘れ物が多い、片付けができない・・・ADHD

発達アンバランス症候群
行動面だけではなく、社会性、認知機能、運動機能などに発達のアンバランスがあり、それが原因で社会に適合しにくいことがあることに触れています。

「のび太・ジャイアン症候群」という言葉はインパクトがあるので聞いたことがある人も多いと思います。

のび太タイプのADHDは忘れ物が多く、いじめられっ子だった人が多く、大人になるまで発見されにくいみたいです。

 落ち着きがない
子どもの時に落ち着きがなく授業中でも教室の中をうろちょろしていた子は、大人になると多動は目立たなくなるみたいです。その代り、心が多動になり「転職を繰り返す」「恋人がコロコロ変わる」など、友人関係が長続きせず、人間関係が不安定になるみたいです。

思いつきで行動する

  • 衝動買い
  • キレやすい
  • 思ったことをそのまま行ってしまう
  • 不用意な性行動

不用意な性行動については、親は注意してください。避妊をしなかったり、性感染症になりやすいリスクもあるみたいです。

これについては触れるかどうか迷ったのですが、ADHDの子がそのような行動に走る可能性は本当に高いと思います。

大手塾にいたときの話しなのですが、高校の時に2回もおろした、と平気な顔で話してくる子さえいました。

古い考えかもしれませんが、今の親(特に女の子のお母さん)は性的なことに寛容すぎる気がします。

中学の卒業旅行にお父さんに内緒で彼氏と2泊3日の旅行をさせるという人もいました。中学生どうしが2泊3日も旅行したらどのようなことになるのか誰にでも想像ができます。分かったうえで旅行を許可する親が、少なからず、いることに驚きます。

門限もそうです。12時になっても注意をしない親もいるみたいですが、少なくとも私の感覚からは理解不能です。

お金の教育もしっかりとしたほうがいいかもしれません。特に女の子です。あるデータでは女の子が欲しいものNo1は「お金(現金)」というものがあります。

お金がどんなことよりも大切だ。そのためには何でもするという子が現実にいるということも知ってください。大手塾にいたときの教え子にもそういう噂が立つ人が1人2人では済まないくらいいました。えっ、あの子が?と思う子もです。

それらが氷山の一角だとしたら、本当に恐ろしいです。

先延ばし傾向
これは、最近テレビなどでゴミ屋敷・ゴミ部屋の話題が取り上げられること多いですね。まさにあれです。

感情のコントロールが困難
思い通りにならなかったらキレたり落ち込みが激しかったりするみたいです。

これらの他にADHDにみられやすい症状が分かりやすく書かれているので、個人的にかなりお勧めの本です。

Part 3 ADHD、アスペルガー症候群以外にも、発達障害を理解し治療する

発達障害は遺伝、周産期の異常、環境要因があることに触れています。発達障害に関する本のほとんどはこれらについて触れられていますが、この本は一般の人にも読みやすいです。

このpartは是非読んでもらいたいです。

Part 4 本人も周囲もひと工夫、「生きにくさ」を減らすためにできること

理想は周囲からの理解です。しかし、現実は、障害者として雇用をされていない限り周囲から理解を得ることは不可能です。

このpartを読んで、自分の特性を自分で理解し、どうすることが自分にとって良い環境になるのかを把握することが「生きにくさ」を減らす方法だと思います。