1対1で授業をすればたとえそれが1回だけだったとしても

  • 成績が伸ばせられると思える場合
  • 時間がかかる可能性が高いと思える場合
  • おそらく伸びない可能性が高いと思える場合

はある程度わかるのですが

「テストで1桁」という情報だけでは、勉強をすれば成績が伸びるかどうかはわかりません。

できない原因を探る

私自身中学時代の実力テスト(フクト)で、英語・国語は6~15点くらい、数学・理科・社会の記憶はないですが中3の夏休みに受けたテストの合計点が80点台だったので(記号問題で偶然正解したり、超基本的な問題でしか点が取れない)、

安定して20点以上取れていた科目はなかったはずです(社会は1度だけ偏差値50を超えた記憶はあります)。

そんな私でも、(当たり前ですが)今ではフクトなら50点以下になることは滅多にありません。

当時は社会を除いて、何もわからなかったのに今は当時では想像できないほどの高得点が取れるようになっています(塾講師としては当たり前)。

つまり、現在点数が取れないという一点だけを見て、「勉強ができない」と判断する必要はありません。

まずは、できていない原因を探してください。

 

英語ならアルファベットの「bとd」「pとq」を中学3年になっても頻繁に混乱するような場合(「kとy」の違いを見分けるのに戸惑うようなことがあれば特に注意してみてあげてください)

三角形の角度を求める基本的な問題が出来ない場合

中学生になってもノートの枠内に字を収めることが出来ず、みみずが這いつくばったような字を書いている場合

は視覚認知に何らかの問題がある可能性があるかもしれません。

 

計算問題を解き方や数の単位を頻繁に繰り返しているときは覚えているけど、1か月後には「あれ?どっちだっけ」となり、そこでもう一度覚え直しても、また1か月後には同じように「あれ?」となる。

これを何度も何度も繰り返すようだと、記憶を保持するのが苦手な可能性があります(勉強をさぼってきた中学3年生が1年で習う計算問題をなかなか覚えられないということは普通に起こります。通常なら一定の時間をかけて覚えるものをイッキに覚えることになるので、勉強になれていない子がすぐにできるようにはならない。毎日本気で覚えようと計算の手順を1週間繰り返すくらいの努力が必要になる)

これが極端だと、定期テストで点数を取ることも難しいかもしれません。

最近は良いか悪いかは別として発達障害のサイトがかなり充実してきたので 「ワーキングメモリ」で検索すると、記憶が苦手な理由が分かると思います(一方、発達障害がビジネスになってしまっている現状はいかがなものかと感じています)。

 

後は、論理が分からない

y=A, y=Bであれば、A=Bになる。

小学生にこれを説明しても???となるのは当然だと思いますが、中学2・3年生になっているのに何度説明しても意味を理解できない場合、単純暗記をすればよい問題には対応できるが、ちょっとでも複雑な問われ方になると、同じ問題でも????になるはずです。

 

 

個人的な考えではありますが、

単に点数を見て「なんでできないんだ」というのではなく、

何が苦手でそういう結果になっているのかを確認するほうが良いと思います。

努力をすることで少しずつ改善される可能性はありますし、発達の途中だからできないだけということもあります。

しかし、努力ではどうにもならない可能性があるということも、知っておかなくてはいけません。

努力でもどうにもならないのであれば、努力でなんとかなる部分を探し、それを伸ばすことのほうが大切ではないかと思います。

義務教育を終了するまでは、多くの子が学校の成績や偏差値の高低で、「できる」「できない」と評価をされますが、

努力ではどうにもならないのだったら、その評価を基準に、生活することがいいことだとは思えません。

努力をしたとしても成績が伸びなければ、だれからも評価をされず、辛い思いをするだけです。

学校の成績とは関係ない自分の評価軸を持ち

できるところを探す

できるところを伸ばす

こういう考えを持った方がいいと思います。

 

 

 

勉強に興味を持てず、勉強をしているふう、になっているだけでやってもやっても何も頭に入ってこないということもありますし、精神的に不安定になっていると何にも集中できず勉強ができないということもあります。

これが原因なら、興味を持てたり不安を取り除けば成績は伸びるはずです。

だから、テストの点数だけを見るのではなく、できない原因を注意してみてあげることが重要になります。

頑張っているのに全く勉強ができない

学習障害のある子どもを支援する

宮本信也さんの

学習障害のある子どもを支援する

発達障害の中でも気づかれにくいLD(発達性読み書き生涯、算数障害など)の概念、特徴、対応方法

また

遺伝により発達障害になる可能性があること

統計上境界知能(IQ70~84前後)の人が14%(40人クラスで5・6人)くらいいる可能性があること

「頑張ればだれもが同じようにできるようになる」というわけではないこと

なども含め、包括的に解説されています

 

支援者に向けての本なので、一般の人には読みにくいかもしれませんが、できるだけ多くの人に読んでもらいたいです。

これを読むことで、どのような視点からみれば、勉強が極端に苦手である可能性があるかどうかが少しだけ分かると思います。

 

 

極端にできる子、苦手な子は授業をすればすぐに分かる(極端だからその他多くの子と明らかに違うので)ことが多いですが、苦手なだと気づかず支援を受けるべきなのに受けていない子は想像以上に多いと思います(繰り返しになりますが、子供は脳の成長過程にいるので、成長とともにできるようになることはあります)。

ケーキの切れない非行少年たち