学校の部活動

学校の部活に関連するものを以下の順でまとめています。

  1. 部活動顧問を外部から採用
  2. 新しい部活動は作れないのか
  3. 調査研究報告書
  4. 異常が当たり前になってる

部活動顧問を外部から採用

福岡市は2018年度から、中学と高校の部活動顧問に、競技経験などがある校外の人を「部活動指導員」として採用することを決めたみたいです(中学校69校と高校4校に1人ずつ、計73人)。

「1人ずつなんて少ない。意味がない。」

と思われた方もいるかもしれませんが、新しい制度は少しずつその効果を見ていく必要があります。

すべての部活動をいきなり外部の人に任せるわけにはいかないので仕方がありません。

北九州では17年度からこの制度を取り入れているみたいですが、顧問は学校の教員が勤め、「部活動指導員」は休日の指導や引率に限定して利用しているみたいです。

「部活動指導員」は、外部人材を学校職員として登録できるように(学校職員以外の人は単独で指導や引率ができない)、文部科学省が17年度に制度化したものです。

強豪校になるためのものではない

私の近所の中学に、外部からかなり厳しいバレーボールの指導員がきて(7・8年ほど前の話なので今はいるかどうか知りませんが)、普通に体罰を受けていたと生徒から伝えられたことがありました。

「部活動指導員」の制度は17年度に制度化されましたが、その前から、外部の指導員が公立中学ので指導をしているところもあったのでしょう。

その部活は勝負に徹する指導だったので、「部活が苦でしかない、毎回泣いている、やめたくてもやめられない雰囲気で早く部活が終わればいいのに。入部する前の先輩たちのやさしさに騙された。」と教え子は言っていました。

もちろん、勝負に徹する部活があっても良いと思います。

しかし、勝負に徹する部活であることを知らずに入部してしまった子のことを考えると、それぞれの部活がどれくらい力を入れているのかを示してあげたほうが良いと思います。

スポーツ医学の観点から、平日は最大2時間、休日でも3時間程度というのが一応の基準なのだから、それを超える指導を普段からしている部活があるとすれば、活動内容を詳細に伝えることは必須にすべきです。

新しい部活動は作れないのか

最近は「サッカー部」「野球部」「放送部」など、特定の活動しかできない部活しかない状況がおかしいのかもしれないと思うようになってきました。

「遊部」アソブ・ユウブ、読み方はどうでもいいのですが、いろいろなことを部員同士が話し合ってやりたいことをやるという部活があってもいいはずです。

また、コミュニケーションの取り方を学んだり、ディスカッションや政治・経済などを学ぶことができる「リーダー部」というものが公立中学校にあったら面白いと思います。

調査研究報告書

「部活動の適正化(教員の負担軽減は急務だ)」という社説が、2016年8月1日の西日本新聞(下記参照)に書かれていました。

それを読んで思ったことを書いています。

1997年に文部科学省(文部省)の「中学生・高校生のスポーツ活動に関する調査研究協力者会議」が「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」で次のような指針を出していました。

  • 中学校の運動部では、学期中は週当たり2日以上の休養日を設定
  • 練習試合や大会への参加など休業土曜日や日曜日に活動する必要がある場合は、休養日を他の曜日で確保
  • 休業土曜日や日曜日の活動については、子どもの「ゆとり」を確保し、家族や部員以外の友だち、地域の人々などとより触れ合えるようにするという学校週5日制の趣旨に適切に配慮
  • 長期休業中の活動については、上記の学期中の休養日の設定に準じた扱いを行うとともに、ある程度長期のまとまった休養日を設け、生徒に十分な休養を与える
  • 効率的な練習を行い、長くても平日は2~3時間程度以内、休業土曜日や日曜日に実施する場合でも3~4時間程度以内で練習を終えることをめどとする。長期休業中の練習についても、これに準ずる

「行き過ぎた部活動が学校の先生の負担になっているから週1日以上の休養日を入れましょう」と、今回も20年前と同じことを言いだしていますが、本当にできるかどうか疑問です。

なぜならば、ほとんどの地域でこの指針は守られていないと思うからです。

私の近所にある中学で、特定の曜日は部活をやってはいけないというルールがあるところは数少ないです。

なぜ前回の指針では何も変わらなかったのか?

生徒の連帯感や責任感を育むという考えから部活を重視する考えを持った先生、大会で良い成績を出すために厳しい練習をさせる指導者などがいるからだそうです。

部活を本気でやりたい生徒、中途半端に遊び程度にやりたい生徒。

本気で指導をしたい先生、あまり指導をしたくない先生。

本気で指導をしてもらいたい親、子どもの部活にあまり関わりたくない親。

外部指導員を導入したほうが先生の負担が減るので良いと思う人、部活は生徒と学校の先生が一緒にやるから意味があると思う人。

いろいろな考えを持った人がいるので、中途半端な指針を出しても前回同様何も変わらないと思います。

一応、2017年度に調査を行い、それを基に休養日の設定や指導員の外部人材活用の在り方などをまとめたガイドラインを作成するとのことですが、はたしてどうなるのでしょうかね。

最賃平均24円増に合わせた?

2016年7月27日に上げ幅が過去最大となった最賃。

これにより、最低賃金の全国平均が798円から822円になる見通しだそうです。

現在、中学の先生は「部活動手当」として4時間で3000円(時給換算750円)もらっています。

これが、平成29年度から2割増しの3600円(時給換算900円)になるみたいです。

最賃以下のお金しかもらえない状況が改善され、最賃よりも多くもらえるようになります。

しかし、今では高給取りだと言われているの学校の先生は、時給900円をどうとらえるのでしょうか?

金額など関係ないから子供たちに指導をしたいと思うのか、どうせ学校に行っても何も指導をせずに職員室で待機しているだけだからラッキーだと思うのか、部活にどれだけ真剣に取り組んでいるかによってとらえ方は相当変わると思います。

生徒に真剣に向き合っている先生はもっと厚遇してもいいですが、年齢だけ重ねて適当に過ごしている先生が得をするようなことがないようにしてもらいたいです。

西日本新聞の社説は以下の通りです。

学校教員の長時間勤務を軽減するため、文部科学省が休養日を設けるなど、部活動の適正化対策を打ち出した。

教育課程ではない部活動に過剰に時間や労務を奪われ、教員が疲弊してしまっては本末転倒だ。見直しは急務である。

対策は以下のような内容だ。

教員や生徒、保護者などを対象に部活動の実態を全国調査する。その成果を踏まえ、休養日の設定を含むガイドラインを策定する。

方向性に異論はない。生徒の視点に立った検証も評価できる。部活動の行き過ぎは、教員だけでなく、生徒にも負担となる。

経済協力開発機構(OECD)の国際調査(2014年度発表)によると、日本の中学教員の仕事時間は34ヵ国・地域の中で突出して長い。特に課外指導は週7.7時間で平均2.1時間の3倍以上に及ぶ。運動部の顧問になると、大会の運営や引率で土日がつぶれることも珍しくない。

文科省は来年度から休日に部活動を指導した中学教員の手当てを増額するという。だが、多くの教員が求めるのは休日の確保だろう。

文科省は1997年にも、中学の運動部は週2日以上、高校は週1日以上の休養日設定を促している。これが、守られていない。

まず、すべての学校が教員の負担軽減を喫緊の課題として受け止めることが必要だ。そうでなければ、新たなガイドラインができても実効性は期待できない。

部活動には、生徒の責任感や連帯感を育む効果がある。だからこそ、教員は情熱を注ぐ。保護者も学校に充実を期待しがちだ。

部活動の原則は生徒の自主的・自発的な参加だ。ところが、参加を強く促す学校は少ない。内申書への影響を懸念して参加する生徒もいるという。

学校の部活動はどうあるべきか。地域で担えることはないのか。教員の負担軽減とともに、こうした議論も深めてほしい。

異常が当たり前になってる

2017年1月16日の西日本新聞に「学校の部活動|行き過ぎの是正を早急に」という社説がありました。

文部科学省が学校の部活動について、休養日を設けるよう全国の教育委員会などに通知した。

運動部活動などの行き過ぎは目に余る。早急に是正すべきだ。

スポーツ長が全国の中学校を対象に実施した初の実態調査によると、国が目安として示す「週2日以上」の休養日を決めている学校は2割に満たなかった。5割超が週1日にとどまり、休養日を設けていない学校も2割あった。

全般的に部活動が活発な九州7県では、週2日以上の休養日を決めている中学校は約1割にすぎなかった。土日の活動が常態化している実態はやはり看過できない。

部活動には連帯感や責任感を育む教育効果がある。とはいえ、度を過ぎれば、慢性的な疲労や家庭学習への支障が懸念される。

教員の疲弊も深刻だ。経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本の教員の勤務時間は突出して長い。原因の一つは、加盟国平均の3倍以上に及ぶ課外活動時間にある。

部活動は教育課程に含まれず、指導は教員の本務ではない。にもかかわらず、スポーツ長の実態調査によれば教員全員が顧問になることを原則とする中学校が約9割と圧倒的多数を占めた。不得手な競技の顧問になる教員も多く、過剰負担が問題となっている。

外部の指導員を配置することが教員の負担軽減には効果的だ。既に導入済みの学校もある。

「質の向上」を目的に自民党は指導員の国家資格化を議論している。開かれた学校運営の視点から地域に人材の協力を求め、研修制度を拡充する方策なども考えられる。国家資格まで必要かどうかは慎重な検討を求めたい。

もとより過剰な部活動の弊害は、教員の負担増だけではない。重要なのは、生徒の学習や日常生活と部活動との適切なバランスである。そのために十分な休養は必要不可欠と考えるべきだろう。

部活動の現状に問題はないか。各学校は文科省の通知を重く受け止め、生徒や保護者の意見も聞いて見直しに取り組んでほしい。

週に2日どころか1日も休みがない部活もあるはずです。

休みがないという異常な状態が当たり前になっているので、それが異常だということに気付いていない人もいるかもしれません。

部活の捉え方による温度差

部活動の休日を増やすことで、「部活を本気で頑張り県大会・全国大会を目指したい」という人、「みんなが部活をしているからとりあえず」という人の間に温度差が出てくることが考えられます。

「部活で全国に行けば公立高校に推薦入試で合格できる」と思っている人は「部活など1日も休みがなくてもいい」と考えるかもしれません。

一方、なんとなく部活をしている人にとっては、休みは2・3日あった方が気楽で良いと思うはずです。