「文学部は就職できない?」というようなことを耳にします。

どうなんでしょうか?

就職できない?

そんなことはないと思います。

就職できるかどうかは、個人が就職についてどう思っているのか、どういうところに就職をしたいのか、自分が何をしたいのかなどが影響するだけで、〇〇学部だから就職に不利ということはないはずです。

文学部には就職希望の意思を大学に示しつつ、中途半端に大学院に進学して研究をしたいと考えている人がいたり、公務員志向の強い人が集まっていて、結果として進学も公務員合格にも至らなかった人が多くいるのかもしれません。

また、もともと就職に向いていない人が文学部を選んでいる可能性も考えられなくはないです。

文学部で歴史や文学や哲学などを学びたいと思っている人のタイプと、合格できるならどの学部でもいいが文学部には興味がないというタイプを比べ、就職に向いているか向いていないかの研究をすれば、面白い結果になるかもしれません。

いずれにしろ、文学部でも就職を意識してやるべきことをやれば普通に就職ができると思って間違いないありません。

能力さえあれば、文学部だろうが経済学部だろうが法学部だろうが文系学部ならどこでも同じです。

もし就職をしたいのであれば、学科の勉強とは別に自分で経済・政治・社会を学べばいいのです。

英語・フランス語・ドイツ語学科などに入ったらネイティブ並みに外国語を使いこなす力を身につけながら、経済・政治・社会を自分で学べばいいのです。

だから、文学部で自分が学びたいことが学べるのであれば文学部に行くべきです。

欧米との比較

欧米(ドイツ・フランス・イギリス・アメリカなど)は「何を学んだか」によって就ける職業が決まります。

一方、日本は「何を学んだか」よりも「どこの大学を卒業したか」を重視することのほうが多いようです。

偏差値の高い大学に合格できるだけの情報処理力、忍耐力+コミュニケーション能力などが日本企業が求めるものなので、それを考えても、やはり、学部は就職に多少の影響はあったとしても欧米のように「〇〇学部だから〇〇企業には就職できない」ということは起こりにくいはずです。

欧米企業と日本企業の比較については小熊英二の「日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学」に詳しくあります。

欧米諸国と日本をここまで丁寧に比べてある書籍は私の知る限りありません。

この分野に興味のある人にはかなりお勧めします。

また、「社会構造は国によって異なるから、他国のいいところをつまみ食いして日本に導入するのは簡単にできることではない」ということを、ここまで納得できるものも、私の知る限り他にありません。

アメリカの真似をして教育に市場を導入するのがどれほど危険か、そういったことも考えるきっかけにもなるはずです。