直接本人をほめるのではなく第三者を通して褒めると素直に褒められたことを受け止めると言われています。

心理学で「間接強化」と言われているものです。

間接強化

「あなた○○ですごいね~」と親が直接子供を褒めるよりも、「○○ちゃんのお母さんが○○ってあなたのこと褒めていたよ。」と第三者(できれば家族以外)が褒めていたと言われる方が子供たちは素直に受け入れられます。

「あんたサッカーうまいね」と親から言われるよりも、「今日、○○君のお母さんと話していたけれど、学年で1番サッカーがうまいって噂されてるみたいだよ」と第三者が言っていたと伝える方が確実に本人の心に響きます。

少しずれてしまいますが、「ね~、○○君、○○があんたのことすごくいいって言っていたよ」というようなことを、子どもだった時に経験したことがある人もいるのではないでしょうか。そのときの嬉しさって半端なくありませんでしたか。

それまで気にしていなかったのに、それを伝え聞いてからその子のことを好きなってしまい、最終的には両想いになった人もいるはずです。

直接言われても嬉しいことはうれしいですが、第三者、特に意外な第三者から思いもしなかった好印象を持たれていると知ればやる気になってしまうものです。

注意

注意しなければならないことが2つあります。

1つは、第三者が何も言っていないのに言っていたことにすることです。つまり嘘をついてはダメということです。

始めて「間接強化」を利用して褒める場合は嘘をついてもばれる可能性は低いですし、子どもは喜びます。しかし、ウソがばれた時、嘘を信じて頑張っている姿を見るときの申し訳なさを考えると、本当に言われたことしか言ってはダメです。

2つ目は、何度も利用しないことです。そもそも第三者が他人の子どもを褒めることなどそうそうある者ではありません。ちょっとしたことを大げさに解釈して子どもを頻繁に褒めていると、「嘘ついてるんじゃない?」と子ども気づくはずです。

また、頻繁に褒められると、褒められることに喜びを感じなくなります。

「間接強化」はかなり効果的な褒め方ではあることは間違いないですが、年に3回も4回も使えるものではないです。

思春期の子

やる気を出させるだけではなく、父親と娘の会話がほとんどなくギクシャクした関係のときにも利用できるかもしれません。

夫婦関係が良好であることが前提になりますが、父親がどれだけ娘のことを大切にしているのかを母親がそれとなく伝えるだけで、会話が増えるかどうかは別にして子どもは安心するはずです。

子どもが学校で問題を起こしたり、真剣に話し合わなければならない状況になったときでも、父親の気持ちを事前に伝えておけば聞く耳を持たないということが避けられるかもしれません。

家庭が崩壊しているという状況でない限り、口に出さなくてもほぼすべての子どもは親からの愛情を欲しています。間接的に親の気持ちを知るだけで子供は安心できます。

やる気を出すためだけにではなく、親子関係を密接なものにするためにも「間接強化」を上手に使ってください。