文章が読めるとは?

現代文ができる人はどうしてできるのか?

その手の疑問がある人が多いみたいなので、

私なりの

読める

がどういうものなのかを書いておきます。

文章が読めるとは?

たとえば、昨日から読み返している

山口周の『ニュータイプの時代

の「はじめに」に

つまり、今の私たちを取り巻いている「システムの大きな問題」を解決するには、システムそのものを微修正しながら、その中に組み込まれる人間の試行・行動様式を大きく切り替えることが必要だということです。

という文があるんですが、

現代文ができる人、文章が読める人ってこれを読んだときに

「あっ、ポスト構造主義だな」

なんて、瞬間に気づけるんです(この本は自己啓発・ビジネス本のように読みやすいのですが、この部分を読んだだけで哲学・思想の深い知識を持っている人が書いているということが分かります。だから、たとえ読みやすくても、そこらへんに売られている薄っぺらい自己啓発・ビジネス本とは違い読む価値の高い可能性がある本ということもこの部分を読むだけで気づけるわけです)。

実際にこの文の後には

ポスト構造主義の思想家ジャック・デリダは、「脱構築」・・・

なんて文が続いているわけです。

これが

読める

という感覚の一つなんじゃないかと思います。

 

 

変なテクニックや感覚に頼らずに現代文の問題を解ける人は

哲学・思想・言語・文化・心理・科学など入試に良く出される分野の本を一定数読んでいるんですね。

本を読んで、現代文に最低限知っておかなければならないバックグラウンドを知識として既に持っているわけだから、

そういう知識を持っていない人と比べたら何倍ものスピードで読めるし理解ができる、結果点数が取れるわけです。

 

 

国語って勉強をしても成績が伸びるかどうか分からない科目ではあるんですが

時間をかけて地道にやれば、いつの間にかにある程度文章が読めるようになるんですよ。

だから時間に余裕のある高校1・2年生はしっかりと本を読んでおきましょう。

高校3年になってから他の科目に勉強時間が必要になるので、国語の勉強に時間をあまりかけられませんからね。

 

 

そうそう

ニュータイプの時代

お勧めです。

これを読めば

勉強をして個人の能力を高めることは重要だが

それだけではダメだということがはっきりとわかります。

是非読んでください。

どんな本を読めばいいかわからない

どうやって本を選べばいいかわからない

ということなので

追記します。

教科書でお勧めしている本

または

教科書に載っている文章で面白いと思ったものがあれば

その本を購入し全文を読んで見るのはどうでしょうか?

それもないのであれば

高校生のための現代思想ベーシック ちくま評論入門 改訂版 (高校生のための現代文アンソロジー・シリーズ)

これをお勧めします。

本をちゃんと読んだことのない高校生にとっては面白くもなんともないかもしれませんが

こういう本を読んでいくことが

自分で考える力を涵養することにもつながります。

頭を良くしたいのであれば、本を読みましょう。

 

高校生には時間がないので以下書いてあるようにはできないと思いますが

大学生になったら是非やってもらいたい?

というより、本を読んでいたら普通にそうなってしまう読み方かもしれませんが

以下のように読む本を増やしていってください。

 

上でニュータイプの時代を紹介しましたが、

これを読むきっかけになったのは山口周の

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』

が面白かったです。

それが『ニュータイプの時代』に繋がり

さらに

『ビジネスの未来――エコノミーにヒューマニティを取り戻す』

に繋がりました。

このように面白いと思った著者の本で面白そうなものが他にあればそれらを次々に読んでいきましょう。

また

本を読んでいて

何か気になるな

と思うものが出てきたら

たとえば、

この『ビジネスの未来』で

マルクスやハンナ・アーレントが取り上げられているので

それに興味が湧いたら

関連する本を読んでいきます。

ハンナ・アーレントを知ればハイデガーが気になると思うので

ハイデガーに関する本を手にしていくんです。

そうすれば

読みたい本がない

どういう本を選べばいいかわからない

なんてことは絶対に起こりえません。

間違いなく

あれも読みたいこれも読みたい

なります。

 

ニュータイプの時代で構造主義が気になったら

内田樹の

『寝ながら学べる構造主義』

を手にしてください。

この本はかなり読みやすいです。

 

こういうものは読む気にならない・・・

という人は

大学入試 マンガで倫理が面白いほどわかる本

これをお勧めします。

倫理ですが、哲学・思想の背景知識をつけるのにも役立ちます。

本を読めば国語ができるようになる?あと哲学対話

以下の疑問があるようなので追記を

「本を読めば国語ができるようになるか?」

と問われれば、

分からない

が答えです。

ただ、本を多く読むほど本に書かれてある内容を理解する力は高まることは間違いないです。

苫野一徳さんの著書

どのような教育が「よい」教育か

を初めて読んだとき

正直何が書かれているのか全く理解できなかったのですが(この本がきっかけとなって結果的に国語の大切さに気付くようになったので苫野先生には感謝)

哲学・思想関連の本を複数読むことで

あれほど難しいと思った本なのに

今はある程度読めるようになっています。

同じようなことが

暗記にも言えます。

暗記に慣れていないと集中がすぐに切れ、なかなか覚えることができないけど

慣れてくると

バンバン頭に入ってくるようになります

1000単語くらいなら1ヶ月で何とかなるはずです。

過去1時間かけても全く理解できなかったこと、覚えられなかったことが

必死に継続して勉強をすれば10分くらいでできるようになる

なんてことは普通に起こりうると思います。

英語が苦手な人は文法・読解の勉強をゼロにしても構わないのでとりあえずターゲット1400を1か月で全部覚える

というのも作戦としてありです。

哲学対話」に関心のある方がいたら是非

 

追記

本を読んで知識を付けろと言ってもそこに書いてあるのが事実かどうかなんてわからねーよ

ということですが

それはその通りです。

本は著者のエゴが含まれていますから。

であるからこそ

そこに書かれてあることを自分なりに理解するんです。

書かれてある内容をどうとらえるかも自分自身ですから・・・

本を読まなければ書かれてある内容が正しいかどうか分からないとかいう前に書かれてある内容すら理解できる力は身に付きません。

少なくとも本を読み考え学び続けることで

学ばない人には読むのが難しい本を読むことが出来るようになりますし

思考の幅が広がり、自分がやりたいことも増えてきます

学校の勉強だけ必死になっていい点数が取れても、ただそれだけです。

学校の勉強をやるのは最低限の前提として

それに加えて

自分のために学ぶことの大切さを子供たちに伝えなくてどうするのでしょうか?

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