中学の時に偏差値55前後で、学校の中では比較的頭が良いと思われていた人が高校に進学したとたん英語ができなくなる人が相当数でてきます。
そのような生徒にとっては「高校基礎英語」と書かれてある参考書が「どこが基礎なんだよ」と思えるくらい難しく感じるかもしれません。
たとえば「大岩のいちばんはじめ英文法」です。
この参考書は、大学入受験準備のための基礎の基礎ですが、この参考書を「難しくて理解できない」と言う人もいます。
なぜ高校基礎英語ができないのか、高校英語が難しく感じるのか、まずはそこから考えることが英語の成績アップに必要になるかもしれません。
- 授業を理解できない理由
- 品詞・5文型の理解が大切
- 「基礎」=「簡単」ではない
- 中学生の内容からやり直し
授業を理解できない理由
高校で英語が苦手になった人は学校の授業を理解することすら難しくなります。
たとえば、関係代名詞の解説をするときに、「後ろの文が完全ではないからすぐに関係代名詞を見抜ける」ということがあります。
しかし、英語が苦手な人からすれば「『完全でない』ってどういう意味だよ」と解説が理解できずにイライラすることになるでしょう。
品詞の理解が不十分だと、不定詞・動名詞が文の構造上どのように使われているの説明をされても理解できないはずです。
時制も同じです。中学の時であれば「『have+過去分詞』が完了形」と暗記さえしておけば、完了形がどういうものなのかが分からなかったとしても問題は解けていたはずです。
しかし、英語の感覚を無視して勉強をしている高校生には時制の理解は難しいです。
どうでしょう、品詞の理解・5文型の理解・時制を英語の感覚でとらえること、これらすべてが高校英語の基礎なんです。
これら基礎ができていなければ、高校英語を得意と思えるようにはならないでしょう。
つまり、授業を聞く前提の知識(基礎)が不足しているので授業を聞いても理解をするのが難しいのです。
※ 私の塾では「後ろが完全でないから」という説明を理解できるように、文の構造を生徒たちに理解してもらうことから始めます。
品詞・5文型の理解が大切
5文型の理解をすることが長い目で見たら効率的です。
上で挙げた関係代名詞の解説で「完全か完全でないか」の判断をするには、実は5文型の理解が必要なんです。
不定詞や動名詞も品詞と5文型の理解ができていればスムーズに頭に入ってきます。
あとは、最低限の暗記さえできれば、よほどひねった問題が出されない限りほぼ確実に正解できるようになります。
高校レベルの文法を理解をする(解説を聞いて理解できる)には、品詞と5文型の理解が全ての基礎と言っても過言ではありません。
多くの高校生が5文型を無視した勉強をしていると思いますが、5文型を避けないでください。
「5文型なんか分からなくても問題は解ける」と思う人もいるでしょう。
実際に5文型の理解ができていなくてもなんとなく正解を出せる人もいるはずです。
しかし、そのような人はそれなりの勉強量をこなし「このパターンはこうなることが多いから多分これが正解」というように確信は持てないけれど「多分これが正解」という感じで問題を解いているはずです(現役の時の私がまさにそれ)。
しかし、5文型の理解ができていれば、「多分これが正解」ではなく「確実にこれが正解」と断言できる問題が多く出てきます。
正解を運に左右するのではなく、確実にするためにも5文型の理解が必要なのです。
高校生に英語を教えている立場から、これは断言できます。
「基礎」=「簡単」ではない
「高校基礎英語」は、中学のときに文法をなんとなくでしか理解しておらず、英単語の暗記が中心だった人にとっては簡単ではないはずです。
「高校になってから英語が苦手になった。『基礎』なのに、なんで難しいんだよ。」と悩んでいる高校生も多くいるはずです。
残念ですが「基礎」=「簡単」と思うこと自体が間違いです。
高校英語で言う「基礎」は、「英語をしっかり読めるようになるために必要なこと」を意味しています。決して簡単という意味ではないのです。
その点に気づかなければいつまでたっても英語ができるようにはなりません。
受験学年になっても英語の勉強の仕方が分からず、中学の時と同じように英単語と熟語の暗記だけの勉強で乗り切ろうとするはずです。
英語ができるようになりたいと思うのであれば、中学の時の英語の勉強が根本的に間違っていたということを理解し、場合によっては中学1年のbe動詞からやり直すべきです。
中学生の内容からやり直し
5文型の理解が高校基礎英語を理解するには必要です。
しかし、中学英語をまともに勉強をしてこなかった人がいきなり5文型の勉強を始めようとしても少し難しいと思います。
中学のときから英語に苦手意識を持っていた人は必ず中学レベルの復習から入ってください。
中学レベルの復習に適しているのは「高校とってもやさしい英文法」です。
この参考書は「大岩」よりも簡単になっていて、中学英語と高校英語の橋渡しに最適な参考書です。
もし、「とっても」でも理解が難しいという場合は「スタディサプリ 」の中学講座をお勧めします。
映像授業が苦手だという人を除けば、費用対効果を考えればスタディサプリ以外の選択肢はないです。