中学英語から高校英語へつなぐ最適の参考書の中の1つが大岩秀樹さんの「いちばんはじめの英文法(超基礎文法編)」です。
世間の評判通りの素晴らしい参考書だと思います。
高校レベルの基礎英文法が一番分かりやすく解説されています。
他にも基礎英文法の参考書はたくさんありますが、受験勉強を始め用途決めたときは、まず始めにこれを手に取ってください。
目次
この本を勧められる人
- 高校の基礎英文法をしっかりと勉強したいと思っている高校1年生
- 文法に苦手意識を持っている高校1・2・3年生
- 中学時代全く勉強してこなかったが高校では頑張ろうとしている高校1年生
- 中堅以上の大学を目指そうとしているが高校の基礎レベルの英文法が見についていない高校1・2・3年生
中学2年生でも、読もうと思えば読める内容です。
すでに英検準2級の英文法を完ぺきに解ける自信のある人は特に読む必要はありません。その場合は「フォレスト」だけでいいでしょう。
ただし、英検準2級・2級に合格していたとしても、品詞やSVOCの理解ができていない場合は第3講の「基本5文型」を立ち読みで良いので見ておいてください。
突っ込んで5文型について書かれてあるわけではないので、おそらく理解できるはずです。
もし、読んでみて微妙だったり、そもそも5文型など意識して勉強をしてこなかったという人は「山口俊治英文法講義の実況中継①」を是非読んでください。
文法の理解不足が原因で、進研模試の英語で偏差値55の壁をなかなか越えられない人であれば、「山口実況中継」を読むことで何かが変わるかもしれないです。
難しいと感じた人
「いちばんはじめ」は分かりやすいですが、英語が苦手な子にとっては、それすら何が書いているのか分からず、「なんで『大岩の一番初めの英文法』がいいのか分からない」と思うかもしれません。
そのように思った人は「高校 とってもやさしい英文法」を始めに使ってください。
超基本的なものでこれのほうがスムーズに勉強が進むと思います。
ただし、これをやったところで中堅レベル以上の大学に対応することは難しいです。
あくまでも「英語に慣れるためにとりあえず使う参考書」です。
「とっても」が終わったら「いちばんはじめ」に取り掛かり、それが終わってから、文法問題集を解き始めてください。
もちろん、「いちばんはじめ」を読み終わっただけでは問題が解けるようになるわけではありません。
問題を解いて全く分からなくても「あれだけ勉強したのに全く分からない」と思わないようにしましょう。
高校英語は中学英語とは全く違います。
そんなに簡単にできるようにはなりません。
参考書のレビュー
目次
- 第0講:品詞
- 第1講:動詞Part①
- 第2講:動詞Part②
- 第3講:基本5文型
- 第4講:時制Part①
- 第5講:時制Part②
- 第6講:助動詞Part①
- 第7講:助動詞Part②
- 第8講:受動態
- 第9講:疑問詞と疑問文
- 第10講:命令文・感嘆文
- 第11講:不定詞Part①
- 第12講:不定詞Part②
- 第13講:不定詞Part③
- 第14講:動名詞
- 第15講:分詞Part①
- 第16講:分詞Part②
- 第17講:分詞構文Part①
- 第18講:分詞構文Part②
- 第19講:関係代名詞Part①
- 第20講:関係代名詞Part②
- 第21講:関係副詞
- 第22講:比較Part①
- 第23講:比較Part②
- 第24講:仮定法Part①
- 第25講:仮定法Part②
構成
大学入試に必要な英文法の基礎を全25講に分け、「講義」⇒「CHECK問題」⇒「講義」⇒「CHECK問題」という形式で、一つ一つ、スモールステップ方式で講義が展開されています。
高校生が最低限身につけていなければならない文法事項はすべて網羅されています。
これといった目新しい構成でもないので特に構成で書くことはありません。
0講で「名詞・動詞・形容詞・副詞」といった品詞を分かりやすく説明しています。英語の長文の中に出てくる単語の品詞が何なのか判断することは大切です。
「品詞なんか覚えても意味ない」と思ている人もたくさんいますが、文法の理解に品詞の理解は欠かせませんし、長文を読むときも英語のつながりを判断するために品詞を見分けられる必要があります。
しっかりと0講で品詞の理解をしてください。
4・5講は時制ですね。
時制は英語が苦手な人にとって理解が難しいです。
時制が???な人は7回、8回も読んで理解してください。(読むときは1日に7回も8回も読むのではなく、初日は3回、次は隔日、1週間、1ヶ月など、一定の感覚を空けて読むことを勧めます。
1ヶ月間隔を空けている間に、他にいろいろな英語にも触れるはずです。そうすると、自分では気づいてないのですが、英語の感覚が少しずつ身についているのです。
最初に読んで理解できなかった時制を1ヶ月後に読んでみると「あれ、これってこういう意味では?」となったりするのです。
いずれ、「よし、時制はもう理解した」と思える時が来ます。そう感じられたら、成績は急上昇するはずです。なぜなら、実はそう思えたときは、時制だけでなく、他の英語の感覚も身についている可能性が高いからです。
上でも書きましたが、時制ができるようになるまでに、時制以外の文法や単語などにも触れているはずです。それらも、気付かないうちに自分のものになっています。
そして、ある瞬間「あれ、これ分かる」「えっ、こういうことだろ、これって?」「なに?もしかして俺(私)って天才?」このように思う時が来るはずです。
そう思えたら、数か月前に「絶対に訳せない」「難しい」と、思っていた英語の長文を見てください。
「はっ?なんでこんなのが難しいと思っていたの?」となっていることでしょう。
そうなったらあとは勉強をやることが苦になりません。
入試直前に心理的問題が生じて勉強に手が付かなくなることはあるでしょうが、「勉強なんか面倒くせー」と言って、テレビを見たり友達と遊びに行くことは激減するでしょう。
だって、目の前にゴールが見えだしたのですから。
「自分はやればできる」「頑張れば志望校に合格できるかも」
合格というゴールが近づいてくる実感ができれば、よほどのことがない限り挫折しません。
頑張って合格しちゃいましょう!!
これが勉強ができる人・できない人の違いなんです。
勉強をあまりやってこなかった人は、「あれ、これってこういう意味だから、こうなるんじゃないだろうか?」と気づく前に挫折してしまうんです。
勉強をしてきた人は「いつかはできるようになる」ということを体験しているので、挫折が起こりにくいんです。
なので、「目に見えていないけれど今やっていることは絶対に知識として蓄積されている。」と思い、気合を入れて挫折をしないようにしましょう。
読破時間の目安
中学英語から高校英語への橋渡しくらいのレベルでページ数も少ないので、ただ読むだけならそこまで時間はかかりません。
ただし、分詞構文・関係詞・仮定法は英検3級レベルの文法知識しかない場合、理解するのに相当の時間が必要になります。
「大岩のいちばんはじめ英文法」を利用する人が英検3級には合格できるけれど準2級には手が出せない人であることを考えると、本の内容を理解し終えるには20時間前後は必要になるはずです。
中堅大学受験生へ
文法に苦手意識を持っていないのであればこの参考書を読む必要は無いです。
「ネクストステージ」「頻出英語標準問題1100」をやっていて「なんだか意味が分からないな」というときに「フォレスト」などの参考書を辞書代わりに使うだけでいいです。
なお、高校3年にも関わらず、にこの参考書を使わなくてはならないくらい英語ができない人もいるでしょう。
そうであっても、九産大、久留米大、福岡工業大学などの大学であれば努力をすれば必ず合格できます。
超本気を出せば福岡大学にも合格できるかもしれません。
大学に合格するかどうかは「やるかやらないか」ただそれだけです。