「うちの塾に入れば、どんな子でも絶対に成績を伸ばします」「10点台、20点台、30点台が、一気に80点、90点になります」
このような無責任なことを言って、入塾をさせようとしてはダメだと思います。
定期テストで10点台の子が体験をすることになった時は「絶対に伸びるから入塾してください」ということはいうべきではありません。
事前に「勉強をしても伸びない可能性がある」と伝え、学習に何らかの困難を抱えている可能性があることも考えながら慎重に受け持った生徒を見るべきです。
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「絶対」はない
確かに、30点台の子がいきなり80点台になるというようなことは私の塾でもあります。
5教科合計が200点台前半だった子がいきなり300点台後半をとることもあります。
一気に100点以上のUPです。
しかし、すべての生徒がそうなるわけではありません。
苦手科目を集中して勉強すれば、他の科目の点数が下がってしまうこともあります。
暗記が他の子よりも苦手な子は、たくさん努力してもなかなか定期テストの点数が伸びないこともあります。
計算が苦手な子は、得意な子の倍以上の努力をしても思うような点数が取れないこともあります。
だから、「どんな子でも絶対に成績を伸ばす」。そんなことは私には言えません。
何と言うか
転塾を考えている生徒の親と面談をするとき「塾に入ったら必ず成績は伸びますか?」ということを聞かれることがあります。
そのとき、私は次のようなことを言うことが多いです。
- 伸びるかもしれないし、伸びないかもしれない
- どうすれば伸びるのかを生徒を見ながら考えていきます
- なぜこれまで成績が伸びなかったのか原因を把握します
- 他の塾で伸びなかったとしても、うちでやれば伸びる可能性はある
私の塾に入塾する生徒が定期テストで平均点以下をとるようなことはほぼありません。
そうであっても、「絶対に伸びる」ということは絶対に言いません。
「絶対」はありえないからです。
事実、7・8年前だったと思いますが、半数以上の生徒が定期テストで常に平均点以下という学年がありました。これに関しては、何も言い訳できません。
他の塾で伸びなかったとしても、うちの塾なら伸びる可能性は高いですが、絶対ではないということです。
「絶対に伸びると言わないのは、成績が伸びなかったときの保険なんじゃない」と思う人もいるでしょう。そう思ってもらってもかまいません。
「100%成績を伸ばす」と断言する嘘つきになるより、逃げたと思われた方がましです。