図でわかる中学理科』は未来を切り開く学力シリーズの理科版です。

1分野(物理・化学)、2分野(生物・地学)の2冊で1セットになっています。

この参考書の最初のページに以下のようなことが書かれています。

中学理科を80の転写図にまとめているので、それらを単元ごとに目を通して、その内容を理解してください。

理解したうえで、その単元の全体像である「転写」と書いてある図をノートに写します。

理解を伴わせたうえで「転写」をノートに写した後、今度はそのノートを閉じて、何も見ずにその図を再現できるか試してみてください。

再現が完璧にできなければ、その部分があいまいだということが分かり、復習すべきことが何なのかが分かります。

これを繰り返せば、確実に知識として定着し、1年後でも覚えているはず(その場限りの暗記でせっかく覚えたのに1週間後にはほとんど忘れるということは起こらなくなるはずです)。

掲載されている例題は、高校入試問題を改題したものを段階的に配置され、図を使い、詳しく、分かりやすい解説がされています。

利点

  • 解説が詳しい

解説が分かりやすいので、理科を独学するのに一番適している参考書だと思います。

参考書の多くは単なる用語のまとめ集になっていたり、簡単すぎて入試には向かない参考書が意外と多いです。

一方、この参考書は、公立高校を受験するならこれだけは知っておいてもらいたいという部分を抽出し、普通の理解力がある子であれば理解できる詳しい解説が書かれています。

問題点

  • 用語暗記ができない
  • 問題演習があまりできない

解説に力を入れている参考書なので、用語は必要最小限のものしか覚えられません。

高得点を取るためには、用語集を別に購入することを勧めます。

また、解説に必要な最小限の問題しか収録されていないので、これだけでは全く縁終了が足りません。

別途演習用の問題集を購入する必要があります。

対象

原則、公立高校入試を控えた中学3年生が対象だと思います。

内容が基本的なので、偏差値50前後で、理科がそこまで得意でない子に向いているはずです。

偏差値50台後半の子は、苦手な単元をピンポイントで対策したいという場合を除き、利用する価値はあまりないと思います。

中学1・2年生で、学校の授業を聞くよりも参考書を使って勉強をした方がよいという場合は、定期テスト対策としても十分利用価値があります。

ただし、勉強にそこまで慣れていない子にとっては、レイアウトがあまり良いとは言えないのでやる気が起こらない可能性があります。

購入する場合は必ず本屋で確認してからにしてください。

使い始める時期

定期テスト対策に利用するのであれば中学1年から使い始めて構いません。

受験対策として利用する場合、中学3年の夏休みから利用すれば十分です。

ページ数が少ないので、夏休みにそれまで習った分野の復習も可能ですし、冬休みから本気で勉強を始めようという気になった子が初めに取り掛かる参考書としても良いと思います。