「トランザクティブメモリ」というカッコいい言葉を聞いたのでなんとなく書いてみた。
目次
トランザクティブメモリ
誰が何を知っているかを知っていることが自分の知的能力を増強できる。
これを本に置き換える
読んだ本の内容をすべて覚えるなんてできない
あの本を読めば〇〇が分かる
ということを覚えておくことでいつでも必要な知識を手に入れられる
本を読めば読むほど自分の知的能力を増強できる。
納得
それに
思考力は言葉の量に比例するので、国語の問題が解けるようになるかは別として、本を読めば読むほど頭がよくなるのは当然
岩波ジュニアスタートブック
ついに「岩波ジュニアスタートブック」が届いた。
創刊号4冊
この中で一番関心があるのは
未来をつくるあなたへ
でも、
パラパラと読んで見たが
岩波ジュニア新書と比べると物足りなく感じてしまう・・・
が
読者対象を中学生に絞っているのだから仕方がない
小説・ライトノベル以外の本を読むきっかけになるはず
現代文ができるようになるには本を読む?
現代文を読めるようになるにはたくさん本を読めばいいのですか?
という問いが来たので
すぐに削除する予定だった上の記事に追記を加え残すことにしました。
に書いてあるように、文章が読める子は背景知識をある程度持っています。
そこで書いたことの繰り返しになりますが
たとえば『クレオール礼賛』
に
ヨーロッパ人でもなく、アフリカ人でもなく、アジア人でもなく、我々はクレール人であると宣言する。
中略
クレオール人であることを宣言することがクレオール人としてのアイデンティティーの解明と、さらには、世界と自由の見取り図の開示につながり、クレオール人としてのアイデンティティーによって支えられる垂直性が随所に出現する一助とならんことを。
アンティル文学はいまだ存在していない。我々はいまだ全文学状態にある。
という文がプロローグに書かれています。
日本語なので、文そのものを読むことは誰にでもできるはずですが、
ヨーロッパ(ここでは特にスペイン・フランス)による西インド諸島の植民地支配・奴隷の存在が当たり前であったこと
西インド諸島(カリブ海を取り巻いて弧状に連なっている島(キューバ・ハイチ・ドミニカ共和国・プエルトリコなど)をアンティル諸島ということ
奴隷が結託しないように言葉が通じない奴隷同士を一緒に働かせた背景から独自の言語「クレオール語」が誕生したこと
こういうことを知っていなければ
「クレオール」「アンティル文学」という言葉の意味が分からず
何が書かれているのか理解できないはずです(この本は「クレオール」「アンティル」について前置きがないので、初めて読んだ人は絶対に???になりプロローグを読んだ時点で読むのをやめる可能性が高い。そもそもそういう人がこの本を手にするという前提で書かれていないのだろうが)。
また
「アイデンティティーによって支えられる垂直性」という文の
「垂直性」を歴史的経緯・系譜ということだと気づかずに読んでも
何が書かれているのか理解できないはずです。
入試でこの本が扱われることはないとは思いますが
文章が読めない、現代文が解けない子はこのような背景知識がないというのが一つの原因であることはまちがいありません。
こういうのは一朝一夕に身に付けられるものではないので
やはり普段から本を読むことが大切になるわけです。
現代文単語
とはいっても、高校生、特に高校3年生には時間がありません。
本格的に受験勉強を始めるのが高校3年から
という子は本を読む時間などありません。
そういう場合は現代文で使われる単語を用語集を用いて覚えるのが一番です。
「現代文単語」と聞いて、「漢字」と勘違いする子がいるかもしれませんが
漢字とは違います。
「具体」「抽象」
「絶対」「相対」
「内包」「外延」
「国民国家」「ナショナリズム」「大きな物語」
「心身二元論」「物心二元論」「合理主義」
といった、なんとなく聞いて分かっているような言葉(理解語彙)
を、どういう意味なのか人に説明できる言葉(使用語彙)
に変えていくために使うのが「現代文単語」です。
現代文でよく使われる単語を覚えることで多くの本を読まなくても
言葉を覚えていくことで少しずつ文章が読めるようになるはずです。
これらの言葉を覚えるためにお勧めなのが
『評論文キーワード』
なのですが、どうやらこれは
高1・2生、高3理系生にはオーバースペック
のようです。
なので、難関大学の文系学部を除き
『イラストとネットワーキングで覚える 現代文単語げんたん 改訂版』
を勧めます。
西南・福大受験生で現代文単語を覚えようとするならこれでいいと思います。