ツイッターで
生涯賃金がよいとしても奨学金を借りて大学に進学するのは躊躇する
というようなことが話題になっていたので
書いておきます。
目次
大卒の方が生涯賃金が良い?
大卒の方が生涯賃金が良いとは一概には言えない
というのが私の考えです。
私は3つの大学に通うことで(1つは通信制だったので実質2つ)
仮に大卒だとしても大学で自分の能力を高めておかなければ
専門学校で能力高めて就職した人の方が
給料・福利厚生面でいいところに就職できるし生涯賃金も良くなるかもしれない
ということを実感しました。
比較的高い偏差値の大学と低い大学の学生を比べると
明らかに低偏差値の大学に通っている子の「能力」が劣ります。
ここでの「能力」は単に勉強が出できるできないに限りません。
- やるべき時にやることができる
- 何をすれば目標に届くかを把握できる
勉強ができるかどうか以前に
こういう部分で大きな差があります(こういうことができないから学力も低くなるのは当然)。
確かに
3つ目の大学の中にも「こんなに凄い子もいるんだ」という学生もいましたが
計画を立てて勉強ができないからテスト直前期になって焦って何かをしようとしても何もできない。
できないから結局何もしないでテストを受けることになる子
何を学ぶ必要かを把握することができていないので
資格を持っていれば就職に役立つからといって
本当にそれが役立つと思う?と思えるような資格
たとえば「秘書検定2級」「ITパスポート」「法学検定」を取ろうとする子が驚くほど多いです(そもそも勉強をしようとする子の割合が少ないので、この手の資格試験の勉強をするだけでも大学の中では努力ができる方になる。自分が何もできていないということに問題すら感じず、小中学生がそのまま大学に進学した感じ)。
これらが不要な資格とまでは言いませんが
このような資格があるから採用されやすくなるなんてことは考えられません。
どうせやるなら
日商簿記2級、TOEIC800以上、宅建などの資格を手にしたほうが有利になるのに(宅建を持っていたら職種は限られるが就職で困ることはない、TOEICなどできても英語ができる保証にはならないが少なくとも努力ができる証拠になるし、「なんでその大学に通っているのにTOEICでそんな点数が取れるの?」と目に留まるかもしれない)
それらの勉強をしようとは思わないわけです。
「しない」ではなく「難しいから勉強をしたくない」というのが本当のところなのかもしれません。
そもそも資格を取得するより
- SPI
- 一般常識
- 小論文
こういったものを勉強したほうが就活に役立つはずなのに
本気でこれらをしようとしない・・・
さて、全く何もできない高校3年生の時と同じ能力のまま就職活動を始める四大生
と
社会で役立つ技術を身に着けた短大・専門学校の学生
を比べた時
採用側としてどちらを採用したいと思うか?
言わなくても誰でもわかるはずです。
低偏差値の大学に進学するなら大学進学後自分の能力を高める努力をしなければお金と時間だけを浪費することになりかねません。
就職先
1度目の大学の時の知り合いは
電通・博報堂名前を聞けば分かる会社や横浜市役所・国家公務員などに採用された人が多かったですが(ちなみに就職氷河期と言われた時代です)
3回目の大学は
福利厚生ほぼなし、一生給料が上がる見込みがなくずっと手取り14万(ただし、中にはその種の業界で有名になっている子もいるようです)
という子が多くを占めていました。
確かに
電通・博報堂など規模が大きい会社になると「フィルター」にかかるはずなので
低偏差値の大学生が採用される道はないと思いますが
大半の企業は大学名だけで不合格になることはないはずです。
にもかかわらず低偏差値の大学に通っている学生の方が社会から見て良いと思われる企業(常に人手不足で誰でも、それこそ高卒でも採用される会社)に就職できていないのは
能力に差があるからとしか言いようがありません。
小中高校と一切努力しなかったせいで
- 計算もできない
- 文章も読めない
- 知識もない
ようは
何もできない
このようでは就職したいと思っても採用したいと思ってくれる会社は限られてくるに決まっています。
なので
一定以上の大学に合格できるくらいの努力もできない子が
大学に入って遊びまくるなら大学を卒業する必要性が高いとは思えません。
一定以上の大学に合格できる力があり、さらに大学で努力をする
これができないなら大学に行かないほうがいいかもしれません。
ただし、外国で働くのなら「大卒」の資格が役立つこともあるかもしれないので、
それを考えるなら大学に進学してもいいと思います(ただ、努力をしない人が海外で何かをしようという勇気を持てるとは思えませんが)。
奨学金を借りる
大学で何もせずダラダラと過ごしてしまったせいで何もできない能力のまま就職活動を始めれば
給料・福利厚生がよろしくないところにしか就職できないはずです。
その状況を考えましょう。
下手をすれば
福利厚生がないに等しく
月の手取りも14万円しかないところにしか採用されない可能性が出てきます(下手をすればではなく、相当数がそうなると思ったほうがいい)
手取り14万から生活費を工面しなければならないので
かなり切り詰めた生活をしたとしても家賃・水道光熱費・通信費・食費を合わせれば6万円はするとして
自由にできるお金は8万円
ここに奨学金の返済をしなければならないと考えると
相当厳しい生活をせざるを得なくなることは誰にでもわかるはずです。
四大を卒業したとしても
そこで自分の能力を高めるための努力をしなければ
こうなることが目に見えています。
大学は何もせずにダラダラと遊ぶために消費するものではありません。
もし、名前を書けば誰でも合格できる大学に進学してしまったにもかかわらず
大学に入ったら4年間遊べる
なんて思っているのなら
奨学金を借りてまで四大に入るのはやめるべきです。
500万円の借金(奨学金は借金です)を作って4年間遊びまくれば
4年後にまともな就職をするのが難しいだけでなく借金まで残るんです。
四大で遊ぶくらいなら短大・専門学校で社会に出た時に使える技能を身に着けたほうが
いい就職ができるはずですし、巨額の借金に生活を圧迫されることもなくなります。
四大に行くのなら
それなりの努力をしなければ合格できない大学を目指す。
その努力ができないのなら短大・専門学校を選ぶ。
それでも四大を選びたいのなら大学に入ってから必死に努力をする。
ようにしましょう。
高校の進路選択
普通科で学ぶことは基本的に大学受験のための勉強です。
なので
高校卒業後
就職・専門学校に行くことが確定していたり
勉強が苦手で大学に合格するのが難しいと感じている場合
- 工業
- 商業
- 農業
- 総合学科
といった職に直結する学科を選んだほうがいいと私は思っています。
次のことを言ってしまうから塾講師として否定的にとらわれてしまうのは分かっているのですが
現実的に勉強が極端に苦手な子がいるのに
その子が無理に大学に進学してはお金と時間が無駄になる可能性が考えられます。
大学に進学して中学生の復習をして何か意味があるのか?
しかも、中学生の内容を理解することもできないとなれば
何の能力も身に付けられないまま大学卒業の資格だけを手にしても、同期入社の仲間が4歳年下の高卒生となる可能性が高いです。
勉強が苦手=ダメ
というのは、やれば出来るのに勉強もしないでいるからダメなだけであり
勉強が苦手で努力してもどうにもならないのであれば勉強ができるようになるわけがないのだから、それはダメとは言いません。
勉強してもどうにもならない可能性が高いのに学校の勉強をひたすらやるほうが返ってダメだと思います。
中学1・2年生ころには勉強が苦手かどうかはある程度気づけるはずです。
それに気づけた場合は、学校の勉強以外でできるところを探し伸ばす。
そうすれば、無駄に大学を卒業して非正規で誰にでも代替可能なところにしか就職できない、という最悪なことは避けられるはずです。
大学を卒業しなければ稼げない
なんてことはないはずで
大学に進学するほうがむしろ厳しい状況になることだってあるはずです。
子どもが勉強が苦手な可能性が高いと思う節があれば(もし、気になるのなら小中学生の時に検査を受けたほうがいいと思います)
学校の勉強以外に時間を使うようにする方がいいと私は思います。