「百害あって一利なし」ってどういう意味?と尋ねられたときに

「害になることはたくさんあるけど、利益になるようなことは一つもない」という意味だよ。

と説明するのはお勧めしません。

 

「読解力」について先日触れたばかりで

それに関連するかと思い、私と生徒の今日のやり取りを、以下書いておくことにしました。

百害あって一利なし

まず、

「害」ってどういう意味?イメージ?

と尋ね

「悪い」

という言葉を引き出します

じゃあ「百害」っていうのは「悪いこと(害)が百個ある」ってことじゃない?

 

「利」という漢字が使われている熟語ってある?

「利用」「便利」…

個人的には「利益」という言葉を言ってもらいたくても、それが出てこないなら

「便利」ってプラス・マイナスのイメージ?どっちだろう?

と聞けば、

「プラス」と答えてくれます。

「利」にはプラスのイメージがあるということを感じさせたうえで

「利益」という言葉もあるよね?

じゃあ「一利」って、「一つの利益」と捉えられるんじゃない?

百個の害があって一個も利益がない

これが「百害あって一利なし」という意味なんじゃないかな?

そこまで持って言ったあと、

「ゲームなんかしても百害あって一利なし」(ゲームは意外と利益があるかもしれませんが、勉強をさせたい親からすれば害しかないので…)

などの使い方を教えてあげて終わります(今日は具体例を挙げられませんでしたが)。

 

子供から言葉の意味を聞かれたら(ことわざだけでなく、漢字も)、このように説明すれば

「漢字には一つ一つ意味があるんだ」ということを自然と理解できるようになりますし、

熟語の勉強にもなります。

 

言葉(国語)に限らず、英語・数学・理科・社会、

どの科目を教えるときも同じで

どうすれば子供の理解につながるか、これからの学び方につながるか

を考えて会話をすることが大切だと思います(少なくとも1対1で対応しているときは)。

読解力

子どもたちの読解力を高めるためには時間をかけるしかない

で触れましたが、読解力は1日・2日で身につけられるものではありません。

「こうすればだれでもすぐに読めるようになる」というものもないので、とにかく時間をかけるしかないです。

そのために今すぐできる方法の1つが、1日1語ずつで構わないので言葉を子供たちに覚えてもらうことです。

普段の会話で言葉を選んで喋れば、子供たちは新しいどんどん語彙力を増やしていくはずです。

塾でこれをするのはなかなか難しいことなので、お父さん・お母さんが意識して実践することを勧めます。