中学生は親子で
高校生は原則自分で進路を決めるべきだと思います。
目次
中学生
中学生は内申点が合否に影響があるので、自分の意志だけではどうにもならないことがあります。
なので、学校の先生・親としっかりと話し合って決めるべきだと思います。
ただ、生徒の意志を無視して進路を勝手に決めてしまう先生も中に入るのでその時は要注意です。
内申点・生活態度などが影響し、拾ってくれる私立高校が限られているような例外的な場合、先生が進路を絞る必要性があります。
しかし、それ以外の場合、第三者である先生の言っていることは参考程度にとどめるべきです。
「あんたではその高校には受からないから受けさせない」
「あんたではその高校には受からないから私立専願しかさせない(公立を受けさせない)」
「進学した後についていけないかもしれない」という考えで志望校を変えるようにアドバイスをしているなら分かりますが、
その子の今の努力を見ずに、過去のテストの結果だけで勝手に進路を決めているとすれば、その先生の話はスルーするべきです。
そもそも、何の権利があって学校の先生が生徒が受験する高校を決めるのでしょうか(「私立高校の専願受験を勧めることが子供のためになるか?」)。
少なくとも私は、現時点ではE判定で周りからは無理かもしれないと言われている場合でも、内申点と普段の姿を見て、合格の可能性が十分ある塾生に対しては「成績は伸びる、落ちることだけを考えてどうする」と言います。
たとえ現時点で実力テストの成績が悪くても、中学で習う範囲は限られています。
本人が本気で受験勉強に取り組もうとしているのであれば、1ヶ月でも成績は伸びます(偏差値40から60になるということは意味していない)。
科目を絞って勉強をすれば、たとえ10月~12月の模試でE判定しか取れなかったとしても、偏差値が40台前半でも、内申点にもよりますが、偏差値50台の高校なら合格の可能性は十分あります。
生徒がせっかくやろうとしているのに「あんたはダメ」という先生がいるのが本当に信じられません。
努力をしようとしていたのに先生からそんなことを言われては「あっ、自分合格できないんだ。受験させてくれないんだ」
素直な中学生はそのように思ってしまいます。
「自分で何とかしないといけない」「努力が必要だ」とやる気を出し始めているときに、「ダメ」と言われたら、やる気がなくなります。
せっかくの成長の機会を奪われてしまうのです。
もし、先生から何の理由もなく「その高校は受けさせない」と言われた子がいるなら、その子は先生の言うことには耳を塞ぎ、自分の意志を貫いてください。
ただし、実現不可能な目標を立ててそれを貫くのはただの無謀なので、自分の置かれている状況を把握したうえで決めてください。
※ 私の塾では第10回フクト(通常模試の最後)でE判定から春日・福岡中央・筑紫中央・筑紫などの高校に合格した子を何人も見てきています(中途入塾が多い私の塾では、入塾直後のフクトではほぼ全員志望校D・E判定です)。学校の先生から無理だから志望校を下げろと言われていても、生徒の実力を考えたうえで合格の可能性が十分あるなら「十分合格の可能性があるのだから、受けないことで自分が後悔するなら受けろ。志望校を下げる必要はない」と言います)。
高校生
大学受験の場合も同じです。
地方の高校は国公立大学の合格者数を重視します。
完全に生徒の意志を無視して「お前はそこには受からないからワンランク下の国立を受けろ、学科を変えろ」などと言われるかもしれませんし
私立に絞った方が結果的に本人の希望に沿う結果になる可能性が高いのに、「3教科で受けられる公立大学を受けろ」と言われるかもしれません。
本人が
「国公立ならどこでもいい」
「母校の進路実績を伸ばすことに協力してもいい」
と思っているのなら話は別ですが(このような子も一定数いるのは確かです)
国立コースを選んだが成績が伸びず(進研模試で偏差値50未満)、国立ではなく私立を第一志望にしたいと言っている子に
「共通テスト併用で受けたほうが合格の可能性が高まる」
「公立を受ければ受験回数が増えるので合格の可能性が高まる」
「共通テストで試験慣れしておいた方がいい」
などと言い、なんとしてでも公立を受けさようとする高校には辟易します(逆に国公立を受けたいのに無理やり絞らせるのも問題、高校生なら自分で考えて受験校を決めるべき)。
二兎を追うことで両方ダメになる可能性が高まるかもしれないということを言ったうえで、国公立も狙うかどうかを本人に決めさせるべきなのに、学校の言うことを聞いて、二兎を追わせられ、国公立も私立(福岡では西南・福大)にも合格できない子がどれだけいるでしょうか。
公立だけに合格したときは
「ほら、公立も受けておいてよかっただろ、おめでとう」
私立だけに合格したときは
「浪人しなくてよかったな、おめでとう」
公立・私立の両方に合格したときは
「よかったな、おめでとう」
全部不合格になったときは
「お前が勉強をしなかったからだ」
高校の言っていることを素直に聞いている子が大学受験後に言われるのって、こんな感じだと思います。
私立を第一志望としている子に公立大学を受験させようとしているのは本人のためではなく
「国公立大学〇〇名合格」という学校の合格実績のためだということをまずは知ってください。
不合格になったときに高校は責任を取ってくれませんよ。
参考:3教科で受験できる公立大学を高校から勧められる
参考:防衛大を入試の練習のために受ける
参考:高校生が志望校を決める時期