2018年11月に私立専願を無理に勧めるという内容の検索が目立っていたので
で、とりあえず思ったことをさ~っと書いたのですが、
今年も例年通り私立専願を勧める先生がでてきているみたいです(2学期になる前に専願受験を勧める先生が・・・)。
すべての先生がそのようなことを言っているわけではないとは思いますが、
1学年1人~4人しか生徒がいないことが多い私の塾でさえ「専願で受けろとクラスのみんなに勧めていました(おそらく学力がそこまで高くない子に向けていっているのでしょうが)」と、少なくともここ5・6年は毎年耳にします(特定の中学ではなく複数の中学)
うちの塾に通ってくれている数少ない生徒が、たまたま超偶然にそのようなことを言う特殊な先生に当たっただけなのでしょうか?
西南・大濠・若葉などの不合格になる可能性が考えられる私立高校を専願で受ける(大濠は専願のほうが一般よりも難しいかもしれないのだが)
学力特待を狙うために私立専願
看護科を受験する
学校の勉強に意味を感じず大学進学を考えていない子が、受験のための勉強したくないのでさっさと私立に決める
このように自分の意志で私立専願を決めたのならまったく問題ありません。
※ 私立の特進クラスは勉強漬けの生活を強いられるところが多いので、偏差値の高い大学に進学することを第一に考えるなら私立を選択するのは大いにあり(中途半端な気持ちで公立高校に進学するよりも高偏差値の大学に合格できる可能性は高くなると思います)。
また、1科目でも内申点に「1」があれば公立に合格するのが難しくなるという現実から(私立高校も内申に1がある子を避けるところがあるようです)
「受け入れてくれる私立高校を専願で受けることも視野に入れたほうがいい」と伝えること
学校の勉強が極端に苦手である可能性が高い子に
特色のある私立高校を選択肢の一つとして提示してあげることは仕方がないと思います。
しかし、そういったこともないのに、クラスの担任が生徒の考えを聞く前から「私立専願がいい」「私立を専願で受けなさい」と言うことには疑問しか感じません。
※ 「私立専願で合格されると2月・3月の授業料がもらえなくなる」というようなつまらない理由から疑問を感じているわけではありません(そもそもうちの塾は中学3年の3月の授業料はもらっていません)。
仮に「専願で受けなければ公立も私立も不合格になる可能性がものすごく高い」というのであれば専願を勧めるのは仕方がないでしょう。
しかし、現在の福岡県内の私立高校はよほどのことがない限り合格できるところが大半です。
一般入試でほぼ全入状態になっている私立高校を専願で受験しろと勧めるのはなぜなのか?(私立高校入試の現実)。
「公立に行きたいから…合格は難しいかもしれないけれど挑戦したい。ダメだったら私立に行く」という選択をしたらなぜダメなのだろうか?
なぜ、「私立のほうが良い」と・・・
公立よりも私立のほうが良いと誘導するのだろうか・・・(進学する高校を決めるのは子供たちのはず)
なぜ、受験の機会(努力の機会)を子供たちから奪ってまで私立専願を勧めるのか・・・
クラスの半分が私立専願・・・
そんなことはあり得ないと思われる方がいるかもしれませんが、
半数どころか3分の2くらいが私立専願ということも現実にあるみたいなのです(これはレアケースだとは思いますが・・・と思っていましたが、もうレアとは言えなくなってきました)。
なぜそこまでして学校の先生が私立専願をごり押しするのか・・・
中学校ではだれのために教育が行われているのか・・・
受験は子供たちが成長できるよいきっかけになるのに・・・
もちろんそれ以外にも成長のきっかけはあるだろうが、10代前半の子が本気で自分の人生をかけて努力をする機会は滅多にない
本人がやる気を出して勉強をしようとしているのに
仮に公立高校の合格の可能性が低かったとしても
努力をしようとしている子のそれを奪うことがその子のためになるのか・・・
話を聞く限り、私立専願をごり押しする先生の中には生徒一人ひとりの丁寧に考えてくれている方もいるみたいですが、そうだからと言って、「あなたは私立専願」と決める権利はありませんし、私立に誘導させることがその子のためとも思えません。
勉強が極端に苦手な可能性がある子でも努力をしようとしているのなら、それに協力をしてあげるのが学校の先生であってもらいたい。ただ、協力したくてもそれが難しい労働環境にあると思うので私が学校の先生の立場にいたとしたらここで書いていることと同じことは言えないと思います。今、私立専願を勧める先生がいる理由の一つに、私の勝手な推測ですが願書作成の問題もあると思います…。そんななか生徒一人一人を考えているなんて本当にすごいと思います。学校の先生たちが置かれている環境を自分のものとして捉えられない塾講師の立場で勝手なことを書くことは本当に申し訳ないとも思っています。
せめて、
本気で努力をしよう
公立高校を目指したい
という気持ちを持った子に対して
たとえその子が偏差値50未満であったとしても
私立専願を勧めることはやめてもらいたい。
努力をする機会を奪うことはやめてもらいたい。
せっかく努力をして、勉強を頑張ると言っている子に「公立には受からないから私立を専願で受けなさい」と言うのはやめてもらいたい(私の塾では内申点が合格目安に達していればフクトでD・E判定しかとったことがない子でも多くが合格しています)。
ちなみに、公立高校入試は中学3年の夏休みから必死に努力をすれば、多くの子は成績を伸ばせます。
英語・数学は8月~12月の5か月で、偏差値40前半から50後半になることは普通にあります。
理科・社会は12月に過去問で10点くらいしか取れなかった子が入試本番で40点前後になることもまったく珍しくありません。
国語だけは・・・成績が伸びるかどうか、何とも言えません。
加えて書くと、私立で合格者が多く出ることによって生じる弊害があるみたいなのです。
クラスの多くがすでに進路が決まっているので、
公立高校を受験する人が勉強に集中できなくて困るということを耳にすることが多くなりました。
努力をしようとしている子が自分とは関係ないことが原因で悪い環境に置かれることが現実に生じているのに
それでもなぜ「担任がクラス全員に向かって専願受験を勧めていたんだけど」という生徒の声を毎年耳にするのでしょうか?
最後に・・・
私が主張しているのは「勉強をしようと努力の姿勢を見せている子に私立専願を勧めることはおかしい」ということです。
「公立を受けたい」と子供が言っているのに「私立専願にしなさい」というのはやめてもらいたいです。