「大学進学実績が良いのは私立なのではないか?」

「学費免除で私立の特待に行くほうが公立よりもいいのでは?」

検索結果を見る限り、公立志向が強い福岡でもこのような疑問を持っている人が多くいることが分かります。

おそらく私立の方が偏差値の高い大学へ行ける可能性が高い

上位公立高校にギリギリで合格した子

偏差値55前後の普通レベルの公立高校に進学した子

偏差値55前後の公立高校に不合格になり、私立の特進に進学した子

を比べると

公立に進学するよりも私立に入った方が最終学歴が良くなる可能性が高くなると思います。

下のような会話をしたことのある人もいるのではないでしょうか?

 

高校3年の夏休みころ

「えっ、中学の時に断然自分より成績が悪かったあいつが、なんでそんな大学を狙える実力があるの?」

「お~、中学の時に雲の上の存在だったあの人が、自分よりも志望校のレベルが低いんだ♪」

 

高校卒業時には

「えっなんであんなに成績が良くなかったあいつが、そんな大学に合格できたの?」

「えっなんであんなに成績が良かったあの人が、そんな大学に進学しているの?」

「あ~公立に落ちておいてよかった」

「あ~公立に落ちて私立に行っていた方がよかったかも」

なぜこのようなことが起こる

なぜ、このようなことが起こってしまうことがあるのでしょうか?

トップ公立高校にギリギリで合格した子

トップ校に入る十分の実力があった子であれば部活・遊び・勉強すべて充実した高校生活を送ることができるはずです。

しかし、トップ校にギリギリで合格してしまった場合、努力では適わない次元の違う子たちに追いつくことはできません。

勉強漬けの生活をしても学校の授業についていけず、授業中も何をしているのか分からず上の空になるかもしれません。

そうなると、次第に勉強から遠ざかり、成績が下がるところまで下がってしまうことも考えられます。

結果的にトップ校にいるのに地元の中堅私立大学止まり。

このような子が少なからずいるはずです。

これは、トップ校に限ることではありません。

自分の実力に合わない高校に無理して進学した場合、高校に入ってから努力ではどうにもならないということがあります。

必死に努力をして中学の時に偏差値50に達することができない場合でも、偏差値50台の公立高校に合格することが普通に起こりますが

そのような状況で公立に合格してしまった場合、高校進学後、学校の授業についていけなくなる可能性もでてきます。

大学進学を考えているのであれば、見栄だけで志望校を決めるのではなく、「どのレベルの高校に進学したほうがいい結果になる可能性が高いか」を真剣に考えることを勧めます。

大学進学を考えている中学生の高校の選び方

偏差値55前後の公立高校に進学した子

高校入試直前期は必死に努力をして、第一志望に合格した時点で「もう勉強はしなくていいか」とダラけてしまう子

高校入試に成功したことで「大学入試も高校入試のようにどうにかなるでしょ」と、中学の時よりも勉強時間が減る子

が多くいると思います。

また、偏差値55前後の普通レベルの公立高校に進学した子の中には、「自分は比較的勉強ができる方だ」と思っている子が一定数いると思います。

そのような子が高校1・2年の時に、大学入試に要求される勉強量がどれほどなのかを把握していなければ

「勉強は定期テスト直前期だけやっておけば大丈夫だろう」

と勘違いしてしまうはずです。

しかし、大学入試は高校入試と異なり甘くはありません。

偏差値55前後の公立高校に進学した子が1・2年のときに勉強をしなければ、地元の中堅私立大学(福岡で言えば西南・福大)に合格することも難しくなるはずです。

私立特進に進学した子

公立高校に合格したとしても、高校での勉強をなめれば、中学の時からは想像もできないくらい成績が下がり、高校でも努力を続ければ一定の実力をキープできます。

勉強をするかしないかは自分が勉強に対してどのような姿勢を取るかによって変わってくるのです。

これが私立特進に進学すると、自分の意志とは関係なく相当量の勉強を要求されます。

0限目から7限目まで、授業を受けた後、宿題を消化するために家でも勉強。

そのような生活が3年間続く可能性が高いです。

もちろん、ただ強制的に勉強をさせるのではなく、「勉強をして大学に合格したい」という意思が強い子にとって最適の環境を整えることができるのも私立です。

これに加え、公立に不合格になって「何くそ~」と勉強に必死になる子もいるでしょう。

また、相当の勉強量を要求されることで「勉強をしなければならない」という雰囲気が公立よりも強くなる傾向もあります。

こういったことが、公立に進学した場合と私立に進学した場合を比較した場合、私立に入っていた方が偏差値の高い大学に合格できる可能性が高まるのだと思います。

勉強を強制的にさせられなければできない子や「偏差値の高い大学に合格させてくれるなら、それでもよい」という子にとっては良い環境というわけです。

私立のメリット・デメリット

私立は生徒獲得のために、特進の大学合格実績を少しでも良くしようと必死になります。

公立の先生がそうでないとは言えませんが、待っていても生徒が入ってくる公立と私立は緊張度が異なります(最近は私立を第一志望にする子も増えてきていますが)。

先生に関しても、私立は指導力がなければすぐに外されますし(1・2年で消える先生も多いはず)、専任の先生の移動が基本的にないため、指導力の高い先生が残ります。

一方、公立高校は偏差値が高い高校に質の良い先生がいるとは限りません(高校によってはその高校の卒業生で一定数の先生を固めているところもあるみたいなので、高校の先生の選考基準がどうなっているのか知りたいです)。

実際に一人の先生が移動になっただけで急激に合格実績が下がることも起こりえます(とある公立高校の日本史の成績が一気に下がったことを目の当たりにしました)。

また、校長先生の指導方針によって学校の雰囲気が全く変わってしまうみたいで、それも実績に大きく影響している可能性があります。

もちろん私立にデメリットがないわけではありません。

私立は進学実績にこだわりすぎるというマイナス面があります。

そのため、生徒たちを国立大学に合格させるために徹底した管理教育をするところもあるはずです(公立の一部では中途半端に管理しようとし、生徒と先生の関係が微妙になっているところもあるみたいですが)。

勉強漬けの生活に耐えられ無くなれば、当然途中で挫折してしまうはずです(公立に行っても挫折する可能性はあるが)。

授業の進度についていけず、1年間何も身につけられずに特進から進学クラスに落とされたらその時点で大学進学が厳しくなるはずです(やる気がなくなっている可能性が高いので)。

授業に食らいつくことができたとしても、高校生活が勉強だけで終わってしまうかもしれません(それでも国立に合格できるなら構わなと思うなら問題ない)。

トップレベルの高校に合格できるくらいの実力がある子なら勉強漬けにならなくても大丈夫かもしれませんが、そういう子ばかりではないでしょう。