「平均点が取れない子供に無理して普通科に進学させるべきか」と悩んでいる親は意外と多いと思います。
私個人の意見としては、公立中学の定期テストで平均点を取れない子が普通科へ進学することを勧めません。
目次
興味関心で学科を選ぶ
平均点が取れない原因は大きく分けて2つ、
- 全く勉強をしない
- どれだけ勉強をしたとしても成績が伸びない
のどちらかだと思います。
どちらが原因であっても、普通科へ進学すれば高校3年間も中学と同じことが繰り返えされるはずです。
そうであるなら、大学に進学することを前提に5教科中心のカリキュラムが組まれている普通科に進学するのはもったいないです。
普通科に進学したとしても、中堅以上の大学に進学することは難しいからです。
結果的に名前を書けば合格できるような大学に指定校推薦で進学するか、専門学校か就職のいずれかになる可能性が高いと思います。
専門学校や就職をするのであれば、専門的なことを学びながら就職を意識したカリキュラムが組まれている学科を選んだほうが中身のある高校生活を送れるはずです。
高校には商業・工業・芸術・総合学科、スポーツ・調理師・音楽・福祉・演劇など特色のある学科があります。
大学には進学したほうがいいとは思いますが、それがすべてではありません。
無駄に受験勉強に時間を取られるよりも、普通科以外の学科で自分がやりたいことを見つけ、それに向かって努力をするほうがよっぽど子供にとっていいと思います。
勉強で努力ができない子
何もしないでただ無駄に時間を過ごし、楽な方に逃げ続ければ、選択肢が狭められ苦しい状況に追い込まれる可能性が高くなります。
中学の時に全く努力をしなかった人は、少しでも自分の関心のある学科を選び、無駄に時間だけが過ぎることのないよう、高校選びをしっかりとしてください。
普通科に行っても、何か自分の気持ちを大きく変えるきっかけがない限り、勉強をするようになることはまず考えられません。
仮にやる気が少し見えたとしてもすぐに元通りになるはずです。
上に書いた通り、勉強をしなければ中堅以上の大学に行くことは不可能に近いので、大学受験を前提としたカリキュラムを組んでいる普通科に進学するのは本当にもったいないです。
IT・建築・自動車・音楽・演劇・芸術・スポーツ、どのようなことでも構わないから努力ができそうな学科を選んだほうがいいと思います。
大学進学が唯一の選択肢ではないので、自分の興味関心のあることで努力をして自分の道を探してください。
努力をしたことのない人が多く集まる私立高校を卒業した私だから分かることですが、中学で勉強をしなかった人が、高校進学後大学受験に向けて急に勉強をするようになることはまず起こりえません。
受験勉強に意味を感じていない子、大学進学に意味を感じていない子は、将来特にやりたいことが決まっていない子は、普通科以外にどのような学科があるのか調べてください。
その中で、興味がひかれた学科がある高校に体験をしてください。
とはいっても、中学生が自分の興味関心がどこにあるのかはなかなか見つかるものではありません。
それに、中学までなんら努力をせずにだらだら過ごしてしまった子は、興味を探そうとすることすらしないかもしれません。
そうなれば、どの学科に進学しても同じことを繰り返す可能性があります。
結局は中学で何らかの努力をして自分で自分が何に興味があるかを探す必要があります。
受験勉強で努力ができないのであれば、どんなことでもいいから自分の中で誰にも負けないと自信が持てる何かを作ってください。
とにかく、何もしないでダラダラと時間を無駄にすることだけはしてはいけません。
勉強以外のことで努力ができれば、それに関連する普通科以外の学科を進学先として選んでください。
ただし、少なくとも今の日本社会で生活をするのであれば、一定レベルの大学に進学することが自分の選択肢を広げるための大切なツールになることは知っておいてください。
「面倒だから」という理由で勉強をせず、自分の可能性を自分で狭めてしまうことの内容にしてください。
高卒で就職をすることについて
絶対に普通科はやめるべきか
私は中学3年のときに偏差値が30台で、高校1年の入学時には誰からも大学に進学することはできないと思われていました。
しかし、そこから勉強を必死になり明治大学に現役で合格をすることができました。
ここでは詳しくは書きませんが、大学進学ができたことで自分の選択肢が広がったことは間違いないです。
受験勉強をすることで自分には可能性があるということにも気づくことができ、自分のやりたいと思うことが見つかればそれに向かって努力ができるようになりました。
結果、希望する職業に就くことはできませんでしたが、塾講師としての今の仕事を楽しくできているのは、高校で必死に受験勉強をしたからです。
もし、私のように高校に入ってから本気で受験勉強をして大学に進学する気持ちがあるのなら、普通科を選んでも構わないと思います。
ただし、努力をしたことがない子にとって継続して努力をし続けることは難しいです。
中途半端な気持ちでは普通科を選ぶのはお勧めできません。
また、努力をしても勉強ができない子が現実にいます。
そのような子でも、現在の高校入試を考えれば選ばなければ私立には合格できますし、倍率によっては偏差値50前後の公立高校にでも合格できます。
しかし、多くの場合、勉強が極端に苦手なこが進学できるとすれば名前を書けば合格できてしまう大学です。
そのような大学に通う価値があるかどうかは個人によって考え方は違うと思います。
私なら普通科以外の高校で受験勉強ではなく、できる限り自分の興味関心を引き出せるような高校に進学し、専門学校に進学するか、それでも大学に進学したいと思えるなら大学に進学します。
高校卒業後でも変われるか?
変われる可能性は低いと思います。
中学・高校で努力をすることは大きな意味があります。
10代で何も努力をせずにダラダラと生活を送っていると、「自分は何ができて何ができないのか」「自分が何に興味があり何をやりたいのか」、そういったことに気づくけないはずです。
楽なほう楽なほうに流れ、その後の人生をなんとなく過ごすことになるかもしれません。
しかし、絶対に変わらないのかと問われれば、絶対とは言えません。
自分の将来に危険を感じ、何かをしなければならないと本気で考えるようになったら変われる可能性もあります。
以下、高校時代努力をしなかったけれども、その後の努力で自分を変えたという例を挙げておきます。
私の兄なのですが、高校で勉強をしなかったので簿記専門学校に進学することになりました。
しかし、専門学校を1年でやめてしまい、最終学歴は高卒です。
専門学校をやめてからは、若くて最低限のコミュニケーションが取れれば誰でも就職できる、犯罪ではないが悪徳と言われても仕方がないであろう訪問販売会社に就職をしていたみたいです。
その後、兄は勉強をしなかったことを後悔し、改めて専門学校に入り直し宅建の資格を取得しました。
勉強をしてこなかった兄にとっては宅建ですら合格するのは難しく、初めて受験した時は1点差で不合格になってしまったようです。
翌年なんとか合格はしたものの、普通の会社は大卒であることが最低条件なので、面接すら受けさせてもらえなかったみたいです。
大卒の資格はないが宅建の資格を持っていたことで、大卒が条件だったが面接を受けさせてもらうことになり、なんとか小さい不動産会社に就職が決まりました。
その後、会社倒産や引き抜きなどがあり、今では東証一部に上場している不動産業界ではかなり有名なところの社員(周りは同志社・関西・立命館大学などそれなりの大学を卒業している人ばかりで高卒は兄だけ)をしているとのことです。
私の兄のような経験をしたことがある人はどれくらいいるでしょうか。
おそらくほとんどいないはずです。
努力をしたことがないまま社会人になってしまうと、努力ができる機会すらなくなるはずです。
いろいろな偶然が起こって初めて今の兄がいるのです。
私の兄が言うには
今の仕事は、宅建さえ持っていれば就職ができるというだけで決めたもの。
生活をするために仕事をしている感がある。
中学・高校の時にしっかりと勉強をしていればもっと違う会社で自分が好きなことをできていたかもしれない。
今、中学生に戻れるなら絶対に勉強をして大学に進学する。
まともに生活ができている今でさえ、勉強をしなかったことを後悔している。
もし、今のような生活ができていなければ、どうなんだろう。
勉強をしなかったことを後悔するのか、それとも、自分の置かれている状況は自分が招いたことだとも気づかず、日銭を稼ぐことも難しい生活をしているか。
過去の自分の過ちを後悔しなくなくなるときはこないだろう。