高校卒業後、大学に進学する予定の中学生に向けて書いています。
目次
鶏口牛後
偏差値の高い高校に進学すると、当たり前ですが、周りのみんなも偏差値が高いです。
レベルが高い人たちの中でさらに上を目指すとなると、中学の時の努力とは比べ物にならない努力が必要になります。
中学では周りから天才と呼ばれていたとしても、下手をすれば学年ビリになってしまう可能性すらあります。
学年ビリになったときに、「よし、次は学年上位を目指して頑張ろう」と思える人なら良いかもしれませんが、そういう子ばかりではありません。
ビリになったことでやる気がなくなり、勉強をしなくなる子もいるはずです。
そうなってしまえば、せっかく地元でトップと言われる高校に進学できたとしても、卒業時に「えっ、〇〇高校なのにそんな大学に進学したの?」と言われるくらい悲惨な状況になるかもしれません。
せっかく中学の時に努力をしたのに、それでは報われないですよね。
トップクラスの高校だけでなく、中堅の高校に進学するときも同じです。
中堅の高校に合格できたとしても、そこで学年ビリになってしまえば大学進学すら考えられない状況になりかねません。
たとえ学年下位からでも這い上がる自信があるならランクを下げず、もともとの志望校を選べばよいです。
学年下位になったらやる気がなくなると思うのであれば、ワンランク下げて学年トップになれる高校を選ぶほうが良いです。
大学進学を考えている人は高校のブランドだけでなく、自分の性格や成績を考えて学校を選んでください。
英語・数学の2科目が重要
社会・理科の成績が良くて、英語・数学が苦手というパターンの人は注意してください。
高校の合格判断基準は内申点と入試本番の5教科の合計点数で決まります。
英語・数学が苦手でも、内申点や暗記科目でカバーすることができるので、自分の実力以上の高校に合格できてしまうことがかなりあります。
しかし、英語・数学が進学した高校の実力に見合わないものだと、すぐに授業についていけなくなります。
中途半端な頑張りでは周りに追いつけない状況に陥る可能性もあります。
そうなったときに、めげずに継続して努力ができる自信がないのであれば大学受験で大失敗してしまうかもしれません。
この点も注意して高校を選びましょう。
努力型・才能型
中学生に「あっ、この子には絶対にかなわない」と思ったことが何度かあります。
おそらく彼らは本物の天才です。
彼らは一般的な感覚では考えられない次元の違う存在です。
トップレベルの高校には、確実にそのような子がいます。
努力をしてギリギリトップレベル校に合格できた子には、決して敵うことがない存在です。
- 自分が努力型で才能型でないと自覚している場合
- 仮にトップレベルの高校に合格できたとしても、性格的に、周りのすごさに衝撃を受けてひるむかもしれないと思う場合
進学先を慎重に考えたほうがいいと思います。
トップレベルの高校に在籍していれば「こいつスゴイ。頭いいんだな」と思われて優越感に浸れるので、高校のブランドに魅力を感じる気持ちは分かります。
しかし、高校ブランドを3年間楽しめたとしても、最終学歴が自分の納得いくものでなければ確実に後悔します。
私のように偏差値30台でも合格できる高校に進学したとしても、それなりの大学に合格してしまえば高校の名前などまったく関係ありません。
逆に偏差値60台後半の地域でトップ校に進学したとしても、偏差値50前後の誰でも合格できる大学にしか進学できなければ辛い思いをするのは自分です。
大学進学を考えている人は、どの高校に進学することが自分にとって良い結果をもたらすかをしっかりと考えましょう。
場合によって、志望校をワンランク下げたほうが希望する大学に合格できる可能性が高まるかもしれません。
公立トップ校より私立特進?
公立トップ校(福岡で言えば、修猷館・筑紫丘・福岡高校の3校)へ進学できる能力が十分あるならトップ校に進学したほうがいいともいます。
公立トップ校なら高校2年生までは、勉強よりも遊びや部活などに力を入れ高校生活を謳歌できます。
3年になってから受験勉強を始めるだけで、旧帝国大に合格できる力がもともとあるのだから、私立に進学しなくても大学には合格できますし、より充実した高校生活が送れるはずです。
一方、福岡県の私立特進クラスはひたすら勉強だけをさせる傾向にあるので、3年間勉強漬けになる可能性も考えられます。
仮に勉強ばかりやって大学に進学できても、高校時代の思い出は勉強だけになります。
大学進学のことだけを考えれば、偏差値60前後の子を受け入れ国立大学に進学させることができている私立特進はすごいと思います。
しかし、偏差値70前後ある公立トップ校に合格できる人がわざわざ私立に入って勉強漬けの毎日を送る必要があるでしょうか?
自分のペースでメリハリをつけて勉強するほうが良いと思います。
もちろん、トップ校に進学したのに現役で希望する大学に進学ができない場合もありますが、それは私立特進に進学したとしても同じです。
トップ公立校を避けたほうが良い場合
中学時代に勉強漬け生活をすることでしかトップ校に合格できない実力しかない場合、私立を選択したほうが良い場合もあります。
トップ校に合格できる実力が本当にある人なら遊び・勉強・部活にメリハリがあります。
そのような人が相当数を占める公立トップ校に「1に勉強2に勉強、3・4も勉強、5も勉強」と、勉強しかしてこなかった子が溶け込めるかは微妙なところです。
周りが遊んでいるから自分もそれにつられて遊んで、成績がガタ落ちする可能性もあります。
そうなるくらいなら、何をすればいいか的確に指示を与えられる私立で受験勉強を3年間するほうが良い大学に進学できる可能性が高まります。
偏差値が高い大学に進学することがすべてではない(できるだけ偏差値の高い大学に進学したほうが良いと思います)ですが、中学のときに1日中勉強しかしていない子は勉強を「学校でよい成績を取るためにやるもの」、「偏差値の高い高校に合格するためにやるもの」と考えているはずです。
高校の時の目的も当然のように旧帝国大学を目指すはずです。
大学合格こそが最大の目標になるはずなので、トップ公立校で自信がなくなるよりも私立特進のほう自分の望む環境と結果を得られる可能性が高くなると思います。
偏差値の低い高校を選ぶのも一つの手
私は中学時代、実力テストで5教科合計100点(300点満点)を超えた記憶がありません。
偏差値36くらいで合格判定がBになる低偏差値の高校に、C判定という恐ろしい成績を中学3年の8月の模試でとるくらい最悪な実力でした。
偏差値42くらいで合格判定がBになる高校(後の私の母校)はE判定でした。
中学時代全く勉強をしなかったとしても普通では考えられない最悪な成績です。
そんな私も、高校入試直前だけは人並みに勉強をするようになり、一応、偏差値50程度(現在は偏差値48前後に下がっている)の公立高校を受験しました。
直前期はかなり努力をしたので「もしかしたら公立高校に合格できるかもしれない」という少しだけ期待を持てるようになりましたが、結果不合格になりました。
しかし、もしここで公立高校に運良く合格していたら、現役で明治大学に合格できるどころか、福岡大学にすら合格できていなかったと思います。
なぜそう思うかというと、公立高校に合格していたら、確実に学年でビリになり、授業についていくことができなかったはずだからです。
自分の実力以上の高校に入ってしまえば、授業についていくことすら難しく、「難関大学に大学に合格できるかもしれない」という気持ちが沸き起こることはないはずです。
周りに勉強をする人がほとんどおらず、少し勉強をしただけで学年トップになることができたから、「自分って、もしかしてできるかもしれない」という勘違いにつながりました。
なので、中学時代大した努力をせず偏差値が40台後半くらいの子で、将来大学に進学をしたいというのであれば、ワンランク乃至ツーランク下げて、学年トップを狙ったほうが良い結果になるかもしれません。
余談ですが、大学進学後、中学3年の時の担任だった恩師に会いに行ったとき「お前の学年で九大に現役で言ったのは2人、浪人で医学部が1人、その次に良い大学は西南だから、お前が学年でトップレベルになったな」と言われた(恩師が卒業生のすべてを把握しているわけではないので、私よりも偏差値の高い大学に合格した生徒はいると思いますが)ときはかなりうれしかったです。