福岡県新傾向国語の作文|普段から意識して読解力を鍛えることが大切

公立高校国語の作文対策」が少し古くなってしまったので、改めて福岡県公立高校入試の国語作文について書いておきます。

タイトルに「対策」と書いていますが、「こうやれば必ず高得点が取れる」というテクニックではありません。

一つ言えるのは、設問を理解できるだけの読解力がなければ高得点は狙えないということです。

※ ここに書いてあることを参考にするかどうかは各自で判断して下さい。考え方、問題の解き方は人それぞれで、ここに書いてあることが正しいという分けではありません。

型を覚える?

市販の参考書やいろいろなサイトで「定型文を覚えれば作文は簡単に書ける」というものを見ることがあります。

はたして「型」は福岡県の公立高校入試の問題に使えるのでしょうか?

 

確かに「型」を覚えておくことで、ある程度論理的に見える文を書けるようになります。

事実、以前の福岡県の作文は「確かに~かもしれない。しかし~だ。」「なぜならば~だからだ」などの「型」が強い味方だった時もあります(条件指定されていたので型を覚える必要性は薄かったが)。

しかし、与えられた資料などを基に、条件に従い自分の考えを書くという、現在の福岡県公立高校入試の国語の作文問題には、「型」に当てはめようとしても、なかなかうまくいきません。

「型」がもともと使えないのに、覚えた「型」に無理やり当てはめようとすれば、結局何を書けばいいのか分からず適当に書かざるをなくなるのが落ちです。

 

無いものを覚えようとしても無理なので、「型」を覚えて点数を稼ごうと考えるのをやめたほうがいいと思います(もちろん、使える「型」を持っているのならそれを使っても構いませんし、最低限の型を覚えておくことが役立つこともあります)。

 大学入試の小論文では「型」が大切になります。

作文が書けるようになるには

「作文のルール」を覚えることが大切です。

ルールを知らないのであればすぐに覚えてください(教科書に載っています)。

正しい書き方で作文すれば、それだけで一定の点数をもらえます。

「型」が使えないとなると、残念ながら、これくらいしか作文を書けるようになるためにできることはありません。

これでは納得してもらえないと思いますが、1・2日でどうにかなるのは本当にこれくらいしかありません。

 

ただ、「作文のルールを覚える」以外にこれといった方法はないのですが、一つだけアドバイスはできます。

 

福岡県の国語作文は「文章を読む力」「複数の資料と与えられた条件をもとに考え、書く力」を重視するようになりました。

この最近の入試傾向を考えると「設問・資料・条件を丁寧に読み、問われていることを把握する」ことが作文で高得点を取るために最低限必要になります(今までもそうだが、今まで以上に)。

「問われていることを把握する」力が必要…

つまり、設問を理解する読解力がなければそれだけで高得点の作文を書けないというわけです。

 

読解力は、国語の作文だけでなくすべての科目に影響します。

普段から意識して読解力を身につける訓練をすることが将来の入試に大きく影響するので、

現在中学1・2年生の子も「入試はまだ先だから大丈夫」などと思わず、意識して読解力を身につける訓練をしてください。

 

さて「設問・資料・条件を丁寧に読み、問われていることを把握する」とだけ言われても、どういうことかよくわからないと思います。

というわけで、実際にどのような手順で行うのか、「平成28年度入試の問題」(県のHP、おそらく1か月後に閲覧できなくなる可能性があります)を基に書いておきます。

平成28年度の国語作文

設問を読み「授業中の一場面」「選挙に関する資料」「選挙啓発のポスター」の3点にサ~っと目を通します。

 

目を通した後、条件を丁寧に読よんでください。(ここまで1~2分)

 

条件2に「第一段落には『選挙に関する資料』を見て、選挙における投票について課題としてあげられることを書くこと。」とあるので、それに従って書き始めます。

 

このとき、第一段落の条件にない「選挙啓発のポスター」の話題を取り上げてはいけません

「『選挙に関する資料』を見て」としかないので、その条件を無視して書いたら点数にならなりません。

「そんなミスするわけがない」と大人なら思うかもしれませんが、この手のミス(ミスではなく読解力がないからなのだが)は本当に多いです。

子供が作文を見てあげるときは、どういう点に注意すべきかを指摘してあげてください。

少しずつミスが減ってきます。

 

次に進みましょう。

 

「選挙に関する資料」にはグラフが使われています。

 

28年の問題に限らず、資料の中にグラフが出てきたら、パッと見て明らかに特徴的な個所が1・2個見つかります

すぐに分かるようになっていなければ、多くの中学生が文章を書けなくなるので、少なくとも公立高校入試の問題ではそのように作られるはずです(模試になると結構えぐいものが出されることがある)。

 

見つかった特徴のうち書きやすいと思える方を1つを選んでください。

 

50分という「制限時間」と10行以上12行以内という「指定文字数の少なさ」を考えると、複数の特徴を選んでしまうと、普通の中学生には時間内に書けなくなる(複雑になり書きにくくなるから)ので極力避けるべきです。

 

グラフを見ると

 

①平成25年の投票率が全世代で前回よりも下がっている

(公立高校入試の作文では、「なぜ投票率が下がったのか」について、その背景は気にする必要はありません。そこまでに気にしていたら何も書けなくなりますし、出題者も中学生にそれを求めていないはずです。そもそも資料からは背景は読み取れません)

 

②20代・30代が他の世代よりも投票率が低い

(「世代が若くなるほど投票率が低い」、としても構いませんが、「選挙啓発ポスター」のAとBを見ると、Aは多世代に注目、Bは若い世代に注目していることが分かるので、「若い世代(20代・30代)が他の世代よりも」としたほうが書きやすくなる。明らかに間違っていることを書かない限り、細かい部分に上げ足を取って減点されることはないと思います)

 

の2つの特徴がすぐに目についたはずです。

 

ここまで終えたら、一段落を書き始める前に、条件3を確認し、ポスターA・Bどちらを選ぶかを決めてください。

①を選んだらポスターA、②を選んだらポスターBを必然的に選ぶことになるはずです。

もちろん①を選んでもBにして構いませんが、論理的な理由付けが難しくなると思います。

どちらを選ぶかが決まったら、第一段落を書き始てください(3・4行が目安)。

 

「年代別投票率を見ると(自分が気づいた内容)ということが分かる。」とグラフを見て気づいたことを書き、

 文章を書く自信がない人はできるだけ字数を稼ぐために書き始めを「参議院議員通常選挙における年代別投票率の推移を見ると」としても構いません(絶対とは言えませんが、それで減点されることはないと思います)。

ポスターAを選んだのなら

「すべての世代の人が投票をしに行くようにすることが課題である」

Bなら

「20代・30代の若い世代が投票をしに行くようにすることが課題である」

などと書き、

「第一段落には『選挙に関する資料』を見て、選挙における投票について課題としてあげられることを書くこと。」とうい条件に合うようにまとめてください。

 

ここまで、問われていることが分かっていれば、5分~8分くらいでパッパッと書き上げられるはずです。

 

ちなみに、平成28年の問題では「課題としてあげられることを書きなさい」とあるので、「・・・が課題である」と書けばよいので書き始めはものすごく簡単でした。

このように書きやすい問題が出るとは限りませんが、どのような条件が出ても、何を書くべきかを丁寧に読む癖をつけておけば見当違いなことを書くことはなくなります(日ごろから訓練をしておく)。

 

なお、問題の解き始めに1~2分かけて丁寧に設問等を読みましたが、各段落を書き始める前に再度条件を丁寧に読むことを勧めます。

 

では二段落目です。

条件3に「第一段落で挙げた課題の解決を図る上で、あなたなら、『選挙啓発のポスター』のAとBの二枚のうち、どちらがより効果的だと考えるか、あなたの考えを理由とともに書くこと」とあるので、

「課題の解決を図る上で、A(またはB)が効果的だと考える。」と自分がどちらのポスターを選んだかをはじめに書きます。

ここも条件を丁寧に読めばすぐに書けるはずです(条件をそのまま拾っているだけなので)。

 

書いた後、なぜそのポスターが効果的だと思ったのかを字数制限を満たすように書けば終わりです(15分~20分が目安)。

このとき、いきなり書き始めるのではなく、空いているスペースに自分で思いついた理由をいくつか箇条書きで列挙しておきましょう。

書くことをあらかじめ決めておけば、「10行以上12行未満」という字数制限に引っかからないかが分かりますし、無駄に書き直しをすることもなくなり、時間を節約できます。

 

「書いて終わりです」と簡単に書きましたが、ここが、丁寧に読まないことで(読解力がなければ)ミスが起こりやすい箇所なので、注意してください。

条件3の「AとBの2枚のうち、どちらがより効果的だと考えますか」という条件を無視して、「ポスターをたくさん張ることで投票する人を増やせる」などと書いてしまうのです。

条件が「どちらがより効果的か」と問われているのだから、A・Bに共通して言えることを書いてはダメだということに気づけないのです。

大人からは「なぜそんなミスをする分けはないでしょ」というようなことを、多くの中学生が実際にやってしまうのです。

このミス(読解力不足)は1日・2日でどうにかなるものではないので、繰り返しますが、時間をかけて読解力を身につけることが大切になります。

 

最後に

列挙したものだけではどうしても字数が足りそうにない場合、与えられた資料を確認し何か利用できそうなものがないかを探してください。

ポスターのAを選んでいるなら「届けようこの思い」Bであれば「選挙に行こう」を拾って文字を稼ぐことができるはずです。

それでも、何を書けばいいのか分からず、字数が足りないのであれば、条件や与えられた資料に使えそうな表現を探してください。

太郎が「目的や相手を意識して描かれたポスターだと思います。」と言っているのを拾い、文末の表現を自分が書いた分に合わせて変えてください。

「型」を覚えるのではなく、設問等を丁寧に読み、それを利用して書くことが大切です。

全く関係ないですが英作文は学校の教科書を見てください。

平成30年度入試は「2年生のサンシャインのwriting」からモロ出題されています。

自由英作文対策」(これも古くなったので新しくしなくてはいけませんが)、で「教科書から出されているの知らなかった」という人が意外と多くいることを知りました(過去問研究をしていない塾講師はもしかしたら知らないかも…もしそういう塾講師がいたら、せめて担当教科の過去問研究はしましょう…と少し残念に思います)。