福岡県公立高校入試、国語の作文について書いています。

傾向

福岡県の国語の作文には、ある程度傾向があります

あらかじめ準備をしておくことで書くスピードがアップするはずです。

配点が高いので必ず対策を取っておきましょう。

過去問、傾向、対策の順で書いていますが、傾向、対策を見てから過去問を見れば作文の対策として何をすべきかが見えてくると思います。

私の塾では受験期に塾生たちが何をすべきかを的確に指示するため過去問研究を徹底的にしています。

国語の作文対策に関しては、ブログでもある程度説明ができるので書くことにしました。

塾に通っている人は塾の先生がちゃんと指示を出してくれていると思うので、見る必要はないと思います。

「とりあえず作文を書け」という指示しかしない塾はないと思いますが、もしあるなら、このページを参考にしてください。

ただし、どのような問題が出されるかは受験当日に実際にテストを受けるまで分かりません。

全く見当違いになる可能性がないとは言えないことを理解したうえで参考にしてください。

最新傾向は28年以降で確認

平成28年度入試からの過去問を利用して対策を取ることを勧めます。

平成28年3月入試 配点15

太郎さんと花子さんは、国語の授業で、批評する文章を書く学習をしている。次は、【授業中の一場面】、【選挙に関する資料】、【選挙啓発ポスター】である。これらを読んで、条件1から条件4に従い、作文せよ。

【授業中の一場面】

先生:皆さんは、効果的なポスターとはどのようなものだと思いますか。

太郎:目的や相手を意識して描かれたポスターだと思います。

花子:私は、表現の仕方に様々な工夫がなされているものだと思います。

先生 そうですね。二人とも、とても大切なことを述べてくれました。この【選挙に関する資料】を見てください。これは3年ごとに行われる参議院議員通常選挙に関する資料です。この資料をもとに、【選挙啓発ポスター】が描かれました。
 さて、【選挙に関する資料】からは、選挙における投票について様々な課題が読み取れますね。そのような課題の解決を図る上で、あなたなら、【選挙啓発のポスター】のAとBの2枚のうち、どちらがより効果的だと考えますか。

<条件>

  1. 文章は、二段落構成とすること。
  2. 第一段落には、【選挙に関する資料】を見て、選挙における投票について課題として挙げられることを書くこと。
  3. 第二段落には、第一段落で挙げた課題の解決を図る上で、あなたなら、【選挙啓発のポスター】のAとBの二枚のうち、どちらがより効果的だと考えるか(どちらのポスターを選んでも構いません。)、あなたの考えを理由とともに書くこと。
  4. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。なお、数値を原稿用紙に書く場合は、左の例にならうこと(※例は省略)。

平成28年度に関しては「福岡県新傾向国語の作文」でも少し触れているので確認してください。

平成27年度入試以前の過去問

平成13年度から27年度入試の過去問

平成13年3月入試 配点14

私たちは、さまざまな人との出会いをとおして、多くのことを学んでいる。

このことをもとにして、次の<注意>にしたがい作文せよ。

  1. 文章は二段落構成とする。前の段落には、あなたのこれまでの出会いの中で、最も印象に残っている出会いについて、具体的に書くこと。その出会いから、あなたがどのようなことを学んだかについて書くこと。
  2. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、九行で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成14年3月入試 配点14

現在、福岡県で展開している「青少年アンビシャス運動」は、「若者が、豊かな心、幅広い視野、それぞれの志を持ち、たくましく生きていく」ことを支援する県民運動である。

このことをもとに、次の条件に従い、作文せよ。

  1. 文章は二段落構成とする。前段には、「豊かな心」「幅広い視野」「志」の三つのうち、あなたにとって最も必要と思うものを一つ選び、それが必要であると思う理由について、あなたの体験を交えて書くこと。公団には、前段の内容に関連して、今後あなたが努力したいことを具体的に書くこと。
  2. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、九行で書くこと。ただし、文の数は問わない。 (注)「志」とは、「こうしようと心に決めたこと」の意味である。

平成15年3月入試 配点14

あなたが学校生活などで体験した「話し合い」をもとにして、次の条件にしたがい、作文せよ。

<条件>

  1. 文章は二段落構成とする。前の段落には、有意義な「話し合い」にするために、あなたが聞き手として心がけることを具体的に一つ書き、後の段落には、そのことを心がける理由を、あなたの体験を踏まえて具体的に書くこと。
  2. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、九行で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成16年3月入試 配点14

次のグラフは、成人を対象とした「国語を美しく豊かにするためには、一人一人がどのようなことに心がけたらよいと思うか」という質問に対する回答結果のうち、上位五位を示したものである。このグラフを見て、次の条件にしたがい作文せよ。

  1. 文章は二段落構成とする。前の段落には、あなたがグラフから読み取ったことを書き、後の段には、前の段の内容を踏まえて、国語を美しく豊かにするということについてあなたが考えたことを書くこと。
  2. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、九行で書くこと。ただし、文の数は問わない。
  3. グラフの数値を原稿用紙に書く場合は、下の例にならってかくこと。 例16%

グラフ

グラフの画像が用意できません。国立国語研究所が平成12年に新「ことば」シリーズ11『豊かな言語生活のために』をもとに上位五位のグラフが与えられていました。

  • ア 相手や場面にふさわしい言葉づかいを身につける(57%)
  • イ 話し言葉における豊かな表現力を身につける(43%)
  • ウ 正しい発生や発音を身につける(35%)
  • エ 正確な文章を書く力を身につける(31%)
  • オ 漢字の読み書き能力を身につける(23%)

平成17年3月入試 配点14

次の図は、アイディアを生み出す流れの一例を示したものである。次の条件にしたがい作文せよ。

  1. 文章は二段落構成とする。前の段落には、あなたが図を見て、その中から気づいたことや考えたことを書き、後の段落には、前の段落の内容を踏まえて、あなたが今後の生活の中で心がけたいことを具体的に書くこと。
  2. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、九行で書くこと。ただし、文の数は問わない。

図は掲載できません。以下のようなことが図になっていました。

久恒啓一(ひさつねけいいち)さんの『伝える力』をもとに図を作成したみたいです。

アイデアの必要性を自覚する

アイディアを出す(方法例:広い知識を身につける、いくつかの分野の知識を深める、いろいろな経験をする、思い付きをメモする、アドバイスを受ける、集団で討論する)

アイディアをまとめる

平成18年3月入試 配点14

あなたが学校生活などで行ったスピーチの体験をもとにして、次の条件にしたがい作文せよ。

<条件>

  1. 文章は三段落構成とする。
  2. 第一段落には、スピーチをするときに、あなたが最も心掛けていることとその理由を書くこと。
    第二段落には、第一段落と異なる考えを想定して書くこと。書き出しは 確かに とすること。
    第三段落には、第一・二段落の内容を踏まえて、あなたの考えを書くこと。書き出しは しかしとすること。
  3. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成19年3月入試 配点14

学級活動の時間に、四月の重点目標を話し合う中で、「学校をきれいにしよう」と「あいさつをしよう」の二つの案がでた。どちらかの案を選び、次の条件にしたがい作文せよ。

<条件>

  1. 文章は三段落構成とする。
  2. 第一段落には、四月の重点目標として、あなたが選んだ案とそれを選んだ理由を書くこと。
    第二段落には、第一段落と異なるもう一方の案のよさを書くこと。書き出しは 確かに とすること。
    第三段落には、第一・第二段落の内容を踏まえて、あなたの考えを書くこと。書き出しは しかし とすること。
  3. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成20年3月入試 配点14

中学校を卒業するにあたって、学級で文集を作り、それを十年後にみんなで読み合うことにした。話し合う中で、「未来のわたし」と「中学校生活の思い出」の二つの題材から、各自どちらかを選んで書くことになった。あなたはどちらの題材を選ぶか。左の枠の中の条件に従い、作文せよ。

<条件>

  1. 文章は三段落構成とする。
  2. 第一段落には、あなたが選んだ題材とそれを選んだ理由を書くこと。
  3. 第二段落には、あなたが選んだ題材と異なるもう一方の題材のよさを書くこと。書き出しは 確かに とすること。
  4. 第三段落には、第一・二段落の内容を踏まえて、あなたの考えを書くこと。書き出しは しかし とすること。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成21年3月入試 配点14

文化庁が行った「平成十九年度 国語に関する世論調査」(全国の十六歳以上の人が対象)で、「今の国語は乱れていると思う」と答えた人は、調査対象人数の約八割いた。そう答えた人たちに対して、さらに、「言葉について乱れていると思う点」を、八つの項目から一人につき三つまで選択してもらった結果が、上のグラフである。このグラフを見て、左上の<条件>に従い、作文せよ。

<条件>

  1. 文章は、三段落構成とすること。
  2. 第一段落には、グラフを見てあなたが気づいた点を書くこと。
  3. 第二段落には、第一段落で述べたことについて、あなた自身の経験を例示し、あなたの考えを書くこと。
  4. 第三段落には、第一段落と第二段落の内容を踏まえて、言葉についてあなたが考えることを書くこと。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。
  6. グラフの数値を原稿用紙に書く場合は、下の例にならうこと。 例45%

グラフ

グラフは掲載できません。

上の文化庁の調査結果のページをもとにグラフが作成されていました。

言葉について乱れていると思う点

  • 敬語の使い方(67%)
  • 若者が使う言葉(60%)
  • あいさつの言葉(39%)
  • 新語・流行語の多用(36%)
  • 発音やアクセント(25%)
  • 外来語・外国語の多用(17%)
  • 慣用句・ことわざ等の使い方(12%)
  • 手紙や文章の書き方(11%)

平成22年3月入試 配点14点

次の□にある標語は、家族のきずなや家庭での教育の大切さなどを呼び掛けていくために募集した標語の中で、優秀作品となったものの一部である。これらの標語を読んで、左の<条件>に従い、作文せよ。

□の枠内

  • ア 「がんばったね。できたね。よかったね。うれしいたね(種)が集まったね。」
  • イ 「ありがとう 今日は南海 言えるかな」

(平成二十一年度文部科学省「親子でつくろう我が家のルール」標語募集の優秀作品による。)

<条件>

  1. 文章は、三段落構成とすること。
  2. 第一段落には、ア・イのどちらかの標語を一つ選んでそのことが分かるように記号で書き表し、その標語で作者がつたえたいと思ったことを考えて書くこと。
  3. 第二段落には、第一段落で選んだ標語について、あなたが気づいた表現上の工夫を書くこと。
  4. 第三段落には、第一段落と第二段落を踏まえ、標語というものの働きについてあなたの考えを書くこと。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成23年3月入試 配点14

中学二年生の田中さんが、職場体験学習でお世話になった職場の方(松本さん)に、お礼の手紙を次の□のように書いた。あなたは、その手紙の【 】内の部分について、助言をすることになった。左の条件に従い、作文せよ。

□の枠内

晩秋の候、松本様には、お変わりなくお過ごしのことと思います。

【さて、先日は、そこでの職場体験学習で、とてもお世話になりました。この体験学習で、わたしはいろいろなことを学びました。

これからは、私もしっかりやっていこうと思いますので、松本様もがんばってください。】

それでは、どうぞお体を大切になさってください。

<条件>

  1. 文章は、三段落構成とすること。
  2. 第一段落には、【 】内の部分について、お礼の手紙として不十分な部分を一か所指摘した上で、どのようにした方がよいのかを書くこと。
  3. 第二段落には、第一段落で述べたことについて、そう考える理由を書くこと。
  4. 第三段落には、第一段落・第二段落を踏まえ、お礼の手紙に限らず、手紙を書く際に大切なことについて、あなたの考えを書くこと。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成24年3月入試 配点14

インタビューをする際に使われる言葉の例として、次の□のようなものがある。左の条件に従い、作文せよ。

□の枠内

  • いいですねえ。
  • そうなんですね。
  • わたしもそう思います。
  • 本当ですか。
  • それはなぜですか。

<条件>

  1. 文章は、三段落構成とすること。
  2. 第一段落には、右の□中から一つ選んで、その言葉がどのような意図で用いられるのかを書くこと。
  3. 第二段落には、言葉以外で、インタビューをする際に大切だと思うことを一つ挙げ、その意図を書くこと。
  4. 第三段落には、第一段落と第二段落でかいたことの共通点を踏まえ、インタビューに限らず、人の話を聞く際に大切なことについて、あなたの考えを書くこと。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成25年3月入試 配点14

次の□の中のア~オのように、古くから使われている言葉がある。左の条件に従い、作文せよ。

□の枠内

  • ア わざわいを転じて福となす
  • イ ちりも積もれば山となる
  • ウ 玉磨かざれば光なし
  • エ 石の上にも三年
  • オ けがの功名

<条件>

  1. 文章は、三段落構成とすること。
  2. 第一段落には、表現、内容などの視点で考えて、あなたが共通点を持っていると思う二つの言葉を、右の□中から選んで記号で書き表し、その共通点を一つ、具体的に書くこと。
  3. 第二段落には、第一段落で選んだ言葉が、今でも使われていることについて、あなたが考える理由を書くこと。
  4. 第三段落には、第一段落で選んだ言葉に限らず、右の□中のような言葉を、人とのかかわりの中で使う際に気をつけることについて、その理由も含めて、あなたの考えを書くこと。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成26年3月入試 配点14

話し合いを行う際に気をつけることとして、次の□中のア~ウのようなことがある。左の条件に従い、作文せよ。

□の枠内

  • ア 初めに話し合いの目的を明確にする。
  • イ 発言していない参加者に発言を促す。
  • ウ 話し合いを時間内に終わらせる。

<条件>

  1. 文章は、三段落構成とすること。
  2. 第一段落には、あなたが司会者の立場として大切だと思うことを、右の□中から一つ選んで記号で書き表し、その理由を書くこと。
  3. 第二段落には、右の□中に書かれていること以外で、司会者として気をつけることを一つ挙げ、その理由を書くこと。
  4. 第三段落には、討論や対話のような話し合いが、社会生活の中で必要とされている理由について、あなたの考えを書くこと。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。

平成27年3月入試 配点14

次の□中のグラフは、十六歳以上の男女を対象に文化庁が自死した「平成二十五年度 国語に関する世論調査」の結果の一部である。このグラフを見て、□中の条件に従い、作文せよ。

<条件>

  1. 文章は、三段落構成とすること。
  2. 第一段落には、人が最も読書すべき時期は十歳代である、と答えている人が多いことについて、あなたの考えを書くこと。
  3. 第二段落には、年齢に関係なくいつでも読書すべきである、と答えている人も多いことについて、あなたの考えを書くこと。
  4. 第三段落には、第一段落と第二段落の内容を踏まえて、あなたにとっての読書の意義と今後どのように読書に取り組むかについて、あなたの考えを書くこと。
  5. 題名と氏名は書かず、原稿用紙の正しい使い方にしたがい、十行以上、十二行以内で書くこと。ただし、文の数は問わない。
  6. グラフの数値を原稿用紙に書く場合は、左の例にならうこと(※例は省略)。

グラフ

グラフは掲載できません。

上のPDFの10ページをもとに人が最も読書すべき時期のグラフが書かれていました。

10歳代が44.8%、年齢に関係なくいつでも20.2%と突出していました。

 

平成18年以降の過去問の<条件>の部分をチェックしておきましょう。出題者が論理的に文を書かせようとしていることがからわかると思います。

18年より前の過去問は眺める程度で構いません。