私立中学の受験を考えていない、小学生のお子さんをお持ちの方に向けて書いています。

    算数・数学をする理由

    まずはじめに、私が考える「算数・数学を勉強する理由」を簡単に書いておきます(考え方は時間の経過により変わる可能性もあります)。

    計算ができるようになる

    買い物をするときに計算が必要になるからです。

    物を買うときに、自分の収入と支出の関係が計算できなければ、生活に困ります。

    日常生活に困らない程度の四則計算ができる必要があります。

    入試に必要

    高校・大学入試の受験科目として数学があります。

    数学ができるかどうかが合否に大きく影響するので数学を勉強する必要があります。

    必要になったときに使えるように

    将来やりたいことができたとして、それをやるために高校レベルの数学の知識が必要だとすれば、数学の勉強ができるかできないかで自分の人生が左右されます。

    自分が行きたいように生きていくために必要になることがあるので数学が重要になります。

    自分で考える訓練

    連立方程式・関数・図形・証明問題・資料の活用などの問題を解くことで、自分で考える訓練をすることができます。

    数学の問題を解くことで、設問を理解するための読解力を養うことにも役立ちます。

     

    きれいごとでまとめれば、もう少しウケがよく、かっこいいことを書くことができると思うのですが、

    今、思っていることを正直に書くと、以上が私の「算数・数学をする理由」です。

    やる理由を説明をするのは難しいがやってもらいたい

    さて、ありきたりな理由を列挙しましたが、どうでしょうか。

    算数をしない、算数が嫌いになってしまっている子に「なんで算数をするの?」と問われれたときに、納得させられるでしょうか。

     

    大人になってから小学校・中学校で習った算数・数学(方程式・関数・図形・証明など)を日常的に利用し、その重要性を感じている人は、数学の教師や数学の知識が基礎になっている職に就いている人、を除けばいないと思います。

    自分自身が日常生活でその重要性を感じられていないのであれば、子供から「なんで算数の勉強をするの?」と聞かれても、

    上で最初に挙げた「買い物をするときに計算できないと困るでしょ」というような返事しか思い浮かばないはずです。

    しかし、そのような返事を返すと

    • 買い物するときの計算くらいできる
    • だったら図形なんかしても意味ない
    • 花子さんと太郎さんがどこで出会おうが関係ない
    • 別に家から北海道まで何キロあるなんか知る必要ない
    • クッキーが何個あるかなんてどうでもいい、計算するの面倒だからクッキーはいらない

    などと、反論されるでしょう。

    そして、うまい説明が言葉が見つからず

    2番目に挙げた

    「算数・数学ができなければ中学に入ったら困る、中学で数学ができなければいい高校にいけなくなる、だからやらなくちゃだめ」

    というような、子供が納得し得ない説明しかできずに終わるはずです。

    (仮に、数学を必要とする職に就いている人だとしても、大人と比べ知識が少ない子供に、その職、たとえば、建築・ロケット打ち上げなどは数学の知識が必要になるでしょう、に数学がどのように関係しているのか、なぜ数学(算数)を勉強する必要があるのか納得できる説明するのは難しいはずです。)

     

    正直なところ、私が「なぜ算数・数学をするの?」と問われたとしても、子供たちが納得してくれるような説明はできません。

    • 自分で考える訓練
    • 入試で必要だから
    • 社会に出たときに必要になるかもしれないから
    • 自分の可能性を広げられるから

    どのようにうまいことを言っても、なんだかんだ反論されるはずです(納得してくれなくても、子供に聞かれた時に、自分なりの理由を説明できるようになっておくことは大切だと思います)。

     

    全ての子に数学が必要だとは言えませんし、将来数学が必要になるかどうかも誰にもわかりません。

    ただ、数学が極端に苦手でないのであれば、「算数・数学をやらない」という選択肢はありません。

    数学を勉強することで「考える訓練」ができますし、

    子どもたちがこれから求められる能力」でいろいろと書きましたが、学歴がないよりもあったほうが自分の可能性を広げられますし、

    社会に出たときに必要になる可能性も十分あります。

    そう考えると

    数学(読解力・論理力・語彙力もだが)は、子どもたちがそれをする理由を納得できるかできないかに関係なく、

    少なくとも中学までに習う数学を最低限できるようにさせてあげることが大人の役目なのかもしれません(高校以降どうするかは本人次第)。

    何をすればいいのか

    ところで、数学の必要性を説明するのはなぜ難しいのでしょうか?

    そこで、私なりの結論を出すために、「どうすれば子供たちが納得できる説明ができるか」ではなく

    「なぜ子供たちに上手に説明することが難しいのか」という視点から考えてみることにしました。

     

    結果、算数・数学を嫌いで、勉強に疑問を持ってしまっている子どもに「算数・数学が必要だ」ということを説明するのは、

    そもそも無理かもしれないという結論に達しました(この考え方は変わるかもしれませんが、少なくとも今の私はそう考えた)。

     

    この結論に至る過程で、「普段の生活で『計算・図形が大事』と感じられる場面がないから納得できる説明ができないんじゃないか」という考えが浮かびました。

    「その必要性をどれだけ説明したとしても、子どもたちが日常生活で『算数・数学ってやっぱり役立つな~』と思える場面に出会えないのであれば、何をどう伝えても、納得できないはずだ」と。

    しかし、それは違う…

    少なくとも、勉強が大嫌いだった小中学校時代の私が、「算数・数学は役立つな~」と思える場面に出会えていたとしても、「算数は面倒だからしない」「遊びたい」と思っていたはずです。

    算数をしない子が算数をしないのは、おそらくほとんどの場合私と同様、「勉強をしたくない」からです。

    つまり「勉強をしたくない」という前提で「なんで算数をしなくてはいけないの?」と聞いているのだから、算数の必要性をどれだけ説明しても納得できるわけがないのです。

     

    だとすると

    これは算数・数学だけの問題ではなくなります。

    英語・理科・社会・国語でも同じで、勉強嫌いになってしまっている子どもに「勉強をする理由」を説明しても納得してくれません。

    であるなら

    大人がやるべきことは、「どうすれば勉強をしない子供にその必要性を伝え勉強をさせるか」を考えることではないことは明らかです。

    やるべきことは、勉強嫌いにならないよう、小学生の時に時間をかけて勉強習慣をつけることです。

    テストの点数を気にせず、自分のペースで勉強ができる小学生のときに、「勉強をすることが当たり前」という感覚を持たせることができれば、

    中学・高校と「勉強しなさい」と言わなくて済むようになります(絶対ではありませんが)。

    そうなってもらうためには、大人が普段から子供が勉強に関心が向くような行動を取り、時には子どもと一緒に学ぶことが大切になります(子供は身近な大人の姿を見て育つ)。

    子育てには「こうやれば必ずこう育つ」という一般法則はないので、楽に勉強習慣を身につけてもらうことはできませんが、子供が自分の可能性を広げられるよう大人が根気強く頑張るしかありません。

    勉強習慣のある子も「なぜやるの?」という疑問を持つ

    勉強習慣のある子が「なんで勉強するの?」と尋ねてきたらどう対応すればいいのか、疑問に思う方もいると思います。

    勉強嫌いではなく、「勉強はしなければいけない」となんとなく分かっている子が「なんで勉強するの?」と尋ねられたとき(成長の過程で多くがそう思うはず)は、

    親なりの勉強する理由を伝えるだけで大丈夫だと思います。

    その理由が「偏差値をあげるため」「周りの子に負けないため」といったものだとしても、

    これからの社会でその考え方が通用するかどうかは別として、子どもは納得してくれるはずです。