2020年度以降の大学入試は、大学独自の試験だけでなく外部の試験を利用できるようになると言われています。

外部の試験で注目が集まっているのはTEAPです。

TEAPは、英検協会と上智大学が共同開発した、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を測る試験です。

今までの大学入試では「読む」「書く」が中心でしたが、今後は英語運用能力を求められると言われているので「聞く」「話す」能力も必要になってきます。

「聞く」はどうにかなっても「話す」を各大学が独自に試験を行うことは難しいと思います。

ですので、2020年以降はTEAPのような外部試験を利用する大学が増えてくることが予想されます(2017年5月16日の新実施テスト法案公表により、外部試験を大学入試に採用することがほぼ確実になりました)。

参考:新大学入試(大学入学共通テスト)

 

これからの入試は4技能必要なの?

既にTEAPを採用している大学は、4技能のうち2技能だけを見るところ、4技能全てみるところがあります。どの形態の入試を利用するかで同じ大学でも2技能だけでよいところ、4技能全てが必要なところもあります。

この状況を考えると2020年以降は、人気のある大学や英語を重視している大学は4技能が必要になるのではないかと思います。

中には大学独自の英語の試験をなくすところもあると思いますが、すべての大学が独自試験を廃止するということはないと思います。

TEPAの概要

ティープについて簡単に書いておきます。

受験資格・有効期間

受験資格は高校2年生以上で、取得後2年度だけ有効になるみたいです。

たとえば、2017年の5月(2017年度)に受験したら、2018年1・2・3月の受験(2017年度)は当然有効です。さらに、2019年3月(2018年度)までの受験まで有効になります。

つまり、高校2年の時に受けたら、高校3年の時の入試に使えるということです。

ということは、TEAPを採用している大学を受験する場合、高校2年で高得点を取っておけば、高校3年の時は英語の勉強を全くせずに、他の入試科目に力を注ぐことができるようになるかもしれません。

新しい入試がどのようになるかはわかりませんが、ディベート・集団ディスカッション・プレゼンテーション・小論文・ボランティア活動・その他調査書などが必要になれば、英語の勉強をしなくてよいとなるとかなり有利になると思います。

※ まだどのようになるのかはわかりません。また、大学進学後を考え全く英語を勉強しないのは危険です。TEAPで高得点を取れるくらいの実力があれば英会話を中心に勉強をした方がいいかもしれません。

難易度・スコア

どうやら、TEAPは日本の大学受験に使うために開発された試験のようです。ですので、問題の難易度も大学受験レベルになるみたいです。

結果は、英検のような「合格」「不合格」のいずれかというものではありません。

4つのカテゴリーごとに、20から100までのスコアと、スコアに基づいたCEFRのレベルが出ます。

TEAPで測定できるのはCEFRのA2・B1・B2までとされています。それを考えれば、難易度は英検準2級~準1級レベルということが分かります。

大学受験レベルといっても、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能のうち「読む」は明らかにセンター試験より難しいです。

もしかすると、2020年には少し簡単になっているかもしれませんが、今のままのレベルだと高得点を狙うのは簡単ではないです。

英検2級に余裕で合格できる人でも4技能で、スコア200を超すのは難しいかもしれないです。独学でTEAPを受験するのはかなり厳しいかもしれないです。

参考:「CEFRについて」「CEFRと英検の対照表」(英検のサイトに移動します)

受験料・受験会場・試験回数

受験料は結構高いです。2技能(リーディング、リスニング)受験は6,000円。3技能(リーディング、リスニング、ライティング)は10,000円。4技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)は15,000円。

2016年の会場数は少なく、札幌、仙台、埼玉、千葉、東京、神奈川、金沢、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡の12か所です(金沢は2016年第3回から)。

2020年にはほぼすべての都道府県で受験できるようになっていると思います。

試験の回数は年3回で、2016年度は7月24日(日)、9月25日(日)、11月20日(日)に行われます。

受けるべきなのか?

少なくとも2020年までは無理して受ける必要はないと思います。2020年にどの程度TEAPが浸透しているかによって、どうするかを決めましょう。

今、小学6年生以下の人はTEAPの情報には注意しておいた方がいいかもしれません。

2016年9月現在TEAPを採用している大学

大学を列挙しています。自分が受験する大学が採用しているかどうかを確認してください。青色になっている大学をクリックするとその大学に合格するための英語の勉強法を書いています。

  • 北海学園大学
  • 上智大学
  • 立教大学
  • 中央大学
  • 青山学院大学
  • 獨協大学
  • 神田外国語大学
  • 東京理科大学
  • 武蔵野大学
  • 筑波大学
  • 明治大学
  • 早稲田大学
  • 学習院大学
  • 明治学院大学
  • 関東学院大学
  • 聖路加国際大学
  • 東洋大学
  • 法政大学
  • 駒澤大学
  • 東京女子大学
  • 武蔵大学
  • 専修大学
  • 東京海洋大学
  • 日本体育大学
  • 千葉工業大学
  • 東京音楽大学
  • 芝浦工業大学
  • 中京大学
  • 南山大学
  • 愛知大学
  • 名城大学
  • 金沢星稜大学
  • 藤田衛星保健大学
  • 金沢大学
  • 名古屋工業大学
  • 名古屋外国語大学
  • 名古屋学院大学
  • 愛知学院大学
  • 常葉大学
  • 静岡文化芸術大学
  • 関西大学
  • 近畿大学
  • 神戸海星女子学院大学
  • 関西学院大学
  • 立命館大学
  • 関西国際大学
  • 同志社女子大学
  • 龍谷大学
  • 京都産業大学
  • 桃山学院大学
  • 甲南大学
  • 京都外国語大学
  • 摂南大学
  • 広島大学
  • エリザベト音楽大学
  • 広島修道大学
  • 高知大学
  • 福岡大学
  • 立命館アジア太平洋大学
  • 西南学院大学
  • 九州工業大学
  • 鹿児島大学

計62の大学で、すでにTEAPを何らかの入試形態に取り入れています。

福岡県内で採用している大学

2016年9月現在、福大・西南・九工大の3校しかありません。

福大

センタープラス型入試、大学入試センター試験利用入試(Ⅰ期)、 大学入試センター試験利用入試(Ⅱ期)でTEAPを利用できます。

基準スコアに応じ、センター試験の英語の得点を80・100点に換算し、 合否判定を受けることができると書かれてあります。

はっきりいって、英語が得意な人でない限り福大ではあまり利用価値がないです。前期一般やセンターをそのまま利用したほうが高得点を狙えると思います。

西南

文学部英語学科英語専攻のAO入試でTEAPを使えます。2技能で130スコア以上が基準になっています。

文学部英文学科、商学部、法学部法律学科・国際関係法学科、人間科学部心理学科の公募推薦でもTEAPが使えます。学科によって必要なスコアが異なるので興味のある人は自分で確認してください。

神学部を除く学部は一般入試でもTEAPが使えます。334スコア以上だと英語の得点が満点になります。英語が得意な人はかなり利用価値があります。基準スコアを超えられれば、ほぼ確実に西南に合格できると思います。

九工大

得点が加算されるみたいです。

独自入試はどうなる?

西南・福大の受験生全員にTEAPを要求してしまうと、受験生が極端に減る可能性が高いからです。

大学は、受験生が減ることは避けます。だから、99%英語の独自入試が消えることはないでしょう。

「TEAPも使っていいし、独自入試でもいいよ。」となるはずです。

しかし、TEAPの「読み」問題が今よりも簡単になるとどうなるかはわかりません。