漢字や用語の暗記は見るだけでいいのか、書かなくてはいけないのか。
人によって言うことが違うのでどっちが正しいかわからないから教えてもらいたい。
という人に向けて私の考えを書いておきます。
目次
漢字の暗記法
書いて覚えることは大切だと思います。
ただし、中学生以上の人が
漢字を10回書く、ノートの左から右端まで書く
など
ひたすら指定した(された)回数を書くのは意味がないと思います。
〇〇回書く、という目標を立てると、書くことが目的になり覚えることが二の次になりかねませんし。
そこで、中学生以上の子にお勧めしている漢字の覚え方は
「目で見て覚える」
です。
中学生以上の子に限定しているのは、小学生はまだまだ漢字に触れる機会が少なく、手で書いて漢字を体で覚えることが大切だと思うからです。
なので、小学生が学校の宿題でノートにたくさん漢字を書かされることがあると思いますが、それには十分意味があると思います。
しかし、中学くらいになると話は変わります。
中学にもなればある程度漢字を目にしてきているので、難しくみえる漢字でも実際は瞬間で覚えられるものばかりです。
例えば、「慰める」こんなのは1・2秒見れば覚えられます。
なぜなら「慰める」という漢字に使われているのは「示」「寸」「心」と「尸」だからです。
中学生になって「示」「寸」「心」漢字を知らない人は滅多なことではいないはずですし、「尸(しかばね)」は居・屋・届・屈などすでに何度も目にしているはずの部首です。
これら既に知っている漢字の組み合わせでしかないので、中学生くらいになると目で見て覚えられないということはほぼありません。
ただ、目で見るだけでは本当に覚えられているかはわからないので、確認をするために1度書いてみます。
そうすれば漢字1個を覚えるのに5~10秒くらいで済みます。
当然、5秒で覚えたものはすぐに忘れるので、何度か確認をする必要があります。
5個覚えたら、6個目に移るのではなく覚えた感じが頭に残っているのか確認をした後で次に進むようにしたり、20個くらい終わったら初めから確認しなおすなど自分のルールを決めてください。
これを1週間繰り返せば、初日は30分くらい時間がかかるかもしれませんが、3・4日目くらいには5分くらいで確認が終わるはずです。
「漢字が覚えられない」という子は多いですが、そういう子の大半が勉強をしていないだけか暗記の仕方が間違っているだけです(中には本当に覚えるのが遅い子もいると思います)。
言葉は大切
上記のやり方は、あくまでも暗記の仕方の一つとして捉えてください。
とりあえず漢字が書けるようになればいいという場合は有効ですが、漢字の意味まで覚える場合は5秒では無理です。
特に訓読みを覚えるときはこのやり方を勧めません(熟語を覚えるときもこのようなやり方を好まない人は自分のやり方で覚えたほうがいいです。)。
漢字は表意文字なので一つ一つに意味があります。
訓読みはその日本語の意味を表すものなので、訓読みで漢字の意味をしっかりと覚えておけば、その漢字が使われている熟語で出てきたら、たとえそれが初めて見る熟語であってもある程度意味がつかめるようになります(文脈の中で使われていればほぼ確実に意味を推測できるようになる)。
5秒で暗記をするやり方は、中学までに使われる漢字は日常的に使われ、漢字を見ればその意味が分かるものが多いからできることです。
また、「漢字が覚えられない」という中学生の大半は、集中力がなく時間だけが無駄に過ぎ結果漢字を覚えられないということが起こります。
そういうような子に瞬間で覚えるやり方が役立つのです。
「瞬間で覚えろ」と言っても初めはそんなことは無理だと思う子が多いのですが、いざやってみるとほぼすべての子が40個くらいの漢字を10分~20分で覚えてしまいます(短時間だから集中する)。
ちんたら時間をかけて何も覚えないのなら、短時間で覚えられることを教え、「とりあえず書ける」ようにしてあげる。
そういう時に瞬間で覚えるやり方で暗記をしてください。
理科・社会の用語
理科・社会の暗記科目も漢字の暗記と基本は同じです。
参考書を一言一句ノートに書き写す勉強をしている子がいまだにいますが、はっきり言って時間の無駄です(10分でできることを1時間かけるようなもの、しかし、やめなさいと言ってもそれを止めない子は意外と多く、書いて形を残すことが勉強だという思い込みを変えないと、少なくとも大学入試では時間が足りずに失敗する)。
そんなのを1時間しても勉強時間はゼロです(書きながら覚えようとしているならいいですが、書くことが目的になっているのなら本当に無意味)。
書く作業の替わりに、用語を頭の中で覚える、理解を要する箇所は理解を伴わせる暗記をするほうが早く覚えられます(漢字の暗記のように1・2秒で覚えられるわけではない)。
既にまとめられているものをノートに書き写すだけのやり方の何倍ものスピードで暗記ができるようになるはずです。
そして、できれば、覚えたこと理解したことを自分の頭の中で思い出したり、問題の解説を誰かに説明してみてください。
そうすれば理科・社会はできるようになります。
テストで点数を取るには演習が大切です。
暗記が終わったらしっかりと演習をすることも忘れないでください。
※ テキストを映すだけのノートづくりは無駄と言っているだけで、 ノートづくりを否定しているわけではありません。