勉強を自ら進んでやる子にする

「うちの子は本当に勉強をしないんです。勉強をさせてください」と言われたことがあります。

いきなり面談に来て、そんなことを言われても無理ですし、勉強に意識が向かっていない子に勉強をさせることは難しいです。

「勉強しなさい」と言わずに済むよう、普段の生活で勉強環境が整えておくのが一番ですが、それが難しいから「どうすれば勉強するようになるの」と悩むんですよね。

では、子どもが進んで勉強をするようになるには親は何をすべきなのでしょうか。以下の順で書いています。

  1. 親が初めに考えるべきこと
  2. 環境が大切
  3. 子どもが置かれている環境はどう?
  4. 親が勉強をする

親が始めに考えるべきこと

多くの大人たちの漠然とした共通理解として「勉強はしなければならない」というものがあるはずです。

ところで、なぜ私たちは勉強をしなければならないのでしょうか。

私たち大人が「しなければならないものだから、しなければならない」と理由にならない理由で、子供たちに勉強の必要性を伝えたとしても納得するわけがありません。

小学校低学年くらいまでなら「勉強をしなさい」と言われれば、何の疑問もなく勉強をする子が多いと思います。

しかし、小学校中学年以降は、素直に親の言うことを聞かなくなるはずです。

「なんで勉強をしなくてはいけないんだ」という感情を持ち始める子もでてくるでしょう。

また、小学校高学年頃になると親の意見が絶対ではないということに気付きはじめ、少しずつ自己主張をし始めます。

そうなったとき、口だけ「勉強しなさい」と言われても、素直に親の言うことを聞く子はいません(家庭環境が勉強をするのが当たり前になっているなら「勉強しなさい」ということはないだろうが)。

仮にいるとすれば、次のような状況にあるかもしれません。

  • 自己主張ができず人の言われた通りにしか行動ができない性格
  • 親の言うことを聞かないと親がかわいそう(親のため)だと思い仕方なしにする
  • 私立中学に合格する以外の選択肢を与えられず受験勉強をすることしか考えられない状況になっている
  • 親の思い通りに行動しなければ激怒し子どもを委縮させている

勉強の意味を伝えることなく、子供の意志を無視して勉強をさせ続ければ取り返しがつかなくなることにもありえます。

思春期になったときに何もする気が起こらなくなり過去の勉強がすべて無駄になる。

勉強をして私立中学に進学したのに学校の授業についていけず、公立中学に移るしか道がなくなる(全く授業が分からないままだったので公立でも授業についていけない)。

親の押し付けに耐えられず、グレてしまう。

確率的には少ないかもしれませんが、少なくともでこのような結果になった子を私は見たことがあります(勉強との因果を調べることはできませんが、彼らが無力感を味わっていたことは確かです)。

いずれにしろ、子どもたちに自分から進んで勉強をするようになってもらいたいなら、親が勉強する理由を具体的に子どもに伝える必要があります(普段の生活でそれが伝わっているのであれば、言葉は不要)。

もちろん、勉強をする理由を伝えたからといって、それまで勉強をしてこなかった子が急に勉強を始めるようにはなりません。

しかし、少なくとも親が本気で自分のことを考えてくれているということは子どもに伝わります。

口だけ「勉強をしろ」というだけよりも、親の言葉が子どもの心に残り、子供が自分で勉強をする意味を考え、自分の意思で勉強をするきっかけになるはずです。

勉強をする理由をいざ考えてみると、2・3ヶ月程度考えるくらいでは自分で納得できる答えは出てこないと思いますが、勉強をする理由を考えることは親自身にとっても貴重なことになると思うので、是非、考えてみてください。

ネット検索や「勉強をしない子に響く言葉」類の本から言葉を借りて熱く語ったところで、行動が伴っていなければ子どもたちに見透かされて終わるだけです。

参考:勉強をする理由

環境が大切

「リビングで勉強する子は頭がいい」ということをテレビ・雑誌などでみて、「じゃあうちの子も」というようではダメなんです。

仮にリビングで勉強をしている子がそうでない子よりも成績が良いとするなら、それはリビングで勉強をしているからではなく、勉強をしているからです。

「勉強をしなさい」と言わなければ、子供は勝手に勉強を始め成績が伸びる。

そういう言葉を鵜呑みにして、勉強をしない子を放置しても勉強をするようになるわけがありません。

遊びまくるだけです。

「勉強をしなさい」と言わないで勉強をする子は、そのような環境が整っているからです。

勉強することが当たり前と思っている子に「勉強をしなさい」などと言う必要がないから言わないだけです。

また、「塾に通わせたら成績が伸びる」というのも同じような勘違いです。

まったく勉強をする気のない子を塾にやらせても勉強するようにはなりません。

ほんの少しでも「成績を伸ばしたい、そのために努力をする」という気持ちがなければ成績は伸びません。

もし、自分の子供が勉強をしない子になっているのであれば、多くの場合それは環境が大きく影響しているはずです。

それを忘れてはいけません。

勉強をしない子に勉強をさせたいのであれば、「勉強しなさい」とガミガミ言う前に、どうすればやる気が出るかを考えてください。

勉強をしようと思えるような環境を作ってあげてください。

このサイトで「「勉強しろ」と言わずに子供を勉強させる言葉」という本の紹介をしています。

これを読めば、「『勉強をしろ』と言わなければ子供が勝手に勉強にするようになる」が、どういう意味なのかが見えてくると思います。

子どもが置かれている環境はどう?

子供に「勉強しなさい」と言っておきながら、自分はテレビを見たりゲームをしていたりしませんか。

もしそうだとすれば、「お父さん・お母さんが遊んでいるのに何で自分だけ勉強しなくてはいけないの」と思うに決まっています。

このような状況だと「勉強しなさい」と言おうが言うまいが、子供が勉強をするようになる可能性は少ないです。

学校の先生からものすごい刺激を受けたり、偶然何かにハマって自分の興味・関心を満たすために努力をし始めるなどの、運よく子供が勉強をするようになるのを待つしかありません。

家事をすることが当たり前だと思っている夫から「掃除しろ」「洗濯しろ」「飯を作れ」と言われたら、「あんたに言われたくない。自分でやれ」腹を立てていませんか。

休日に家でゆっくりくつろいでいると「あんた邪魔、外に行ってきて」と奥さんに言われたら、「家で何をしていようが自由だろ」と思うはずです。

それと同じことが、子供に対する「勉強しなさい」なのかもしれません。

私が小学生の時は親から「勉強をしなさい」と言われてもしませんでしたし、父親が単身赴任をしてからは誰からも勉強をしろと言われなくなり、勉強をまったくせず時間を無駄に使っていました。

そんな状況ですから小学生の時から漢字のテストで0点を取っていましたし、たまに行われる小学生のテスト(カラフルなやつ)で70点を取れば大喜びしていました。

中学の定期テストでは平均点どころか250点を超すことすらほとんどないくらいの実力でした。

今、自分の子どもが勉強をしていない姿を見てイライラしている場合、かなりの確率で勉強をする環境を作ることができていないはずです。

子供に勉強をしなさいという前に、環境を考えることが先だと思います。

もし、勉強できる環境を作ることができなければ、周りが勉強をし始める入試直前期に勉強を始めることに賭けるしかないです。

私の場合、入試直前3ヶ月前くらいから勉強の「べ」の字が見え始めましたが、それまで何をしていたのか…。

親が勉強をする

もし、子供に勉強をさせたいのなら、親である自分自身が勉強をすることが勉強をする環境を整える一番効果的な方法かもしれません。

場合によっては手遅れかもしれませんが、子どもが親離れができていない時期なら十分間に合うはずです。

私は小学校・中学校の時に全く勉強をしませんでしたが、一時期勉強をしようと思ったことがあります。

それは母親が行政書士の勉強をしている姿を見たときです。

家事をしている姿しか見たことがなかった私にとって、母親が参考書を読んでいる姿は衝撃的でした。

今でもその光景を鮮明に覚えているくらいですから、その衝撃は私が今思っている以上のものだったはずです。

「ただでさえ忙しいのに、勉強する時間なんかない。そんな面倒なことはできない」というのであれば、子どもに勉強をさせようとすることは諦めた方がいいかもしれません。

既に勉強嫌いの状況にさせてしまっているのだから、親が変わらなければ子供が変わるわけがありません。

口だけ勉強をしろと言う親の言葉に説得力はありません。

無言で子供に気づかせるには親が行動を示すことが大切です。

1日10分でもかまわない

1日1時間も2時間も勉強をしろと言っているわけではありません。

1日10分でもいいから日常的に勉強をする姿を見せてください。

実は母親の姿を見て勉強をしようと思ったと書きましたが、母親の勉強は2ヶ月くらいで終わってしまいました(当時行政書士試験に作文があったのでそれがやる気をなくす原因だったようです)。

なので、結局私に勉強習慣がつくことはありませんでした。

そもそも、普段勉強をしていない人がいきなり1日2時間も勉強すればすぐに諦めてしまいます。

3日坊主で終わっても意味がありません。

10分という継続可能な目標を設定することで、子供に勉強をしている姿を見せ続けてください。

1日10分でもいいから、親が勉強をしている姿を継続して見せ続けることが大切です。

塾に通わせるよりも親の10分の勉強のほうが、子どものやる気を出させる効果があるかもしれません。

もちろん、いきなり勉強をするようにはならないので長い目で見てあげてください。

参考:勉強嫌いになっている中学生が変わる6つの方法