推薦入試で高校に合格するリスク

推薦入試や専願入試で高校受験を考えている人に向けて以下の順で書いています。

あくまでも私の考えなので、「そのような考えもあるのか」程度で読むようにしてください。

福岡県の人は「勝手な回答②」に推薦について少し触れているのでそれも参考にしてください。

  1. 推薦・専願入試を受けても良い場合
  2. 受験を経験すべき
  3. 受験を知ることができない
  4. 推薦入試後も危険
  5. 金銭的に公立しかないと思っている人
  6. 推薦・専願で合格してしまった人へ
  7. 実力以上の高校
  8. 塾は生徒をキープしたい

推薦・専願入試を受けても良い場合

推薦入試で高校を受けても構わないのは、

  • 勉強に興味がないので高校卒業後専門学校に進学する人
  • 普通科以外の学科へ進学する人(就職を考えている人)
  • 国立高等専門学校が第一希望の人
  • 学力特待で私立高校への進学を考えている人

くらいだと思います。

これら以外の場合、特に中堅以上の大学へ進学を希望している人は一般入試で高校を受験することを勧めます。

参考:推薦・専願入試を受けても良い場合

以下、普段から勉強を真面目にしてきて、学力もある程度高く、一般入試で受ければ合格の可能性のほうが高い、且つ、ある程度レベルの高い大学に進学するつもりな人に向けて書きます。

受験を経験すべき

推薦入試を勧められない一番の理由は、「本気で受験をする機会」を逃すからです。

「100%合格できる」と言われていても、合格できるかどうか分からないのが入試です。

入試直前1か月くらいになると、多くの受験生が不安でどうしようもなくなります。

  • 勉強しても勉強しても、時間が足りない
  • なんであの時もっと勉強をしておかなかったんだ
  • 合格判定はAだけれど、本番でもし失敗したらどうしよう
  • 周りが本気でやっているので、追いつかれたらどうしよう
  • 勉強が手につかない
  • 睡眠不足になってもいいから無理をしたほうがいいのか
  • 風邪をひいたらどうしよう
  • 緊張して体調がすぐれない
  • 多くの受験知識をつける

もし、推薦入試で合格してしまうと、上の例のような不安と闘いながら受験をする経験を逃してしまいます。

また、「入試ってこんなもんでしょ」と入試がどれだけ厳しいものなのかを経験できないので、入試をナメてしまうことにもなりかねません。

このようなことが、「本気で受験をしたという経験値の差」とでもいうのでしょうか、大学受験の時に活きてくると思うんです。

実際に、私が今まで教えてきた高校生を見ると、世間から進学校と思われている高校に推薦で合格した子は一般で合格した子よりも大学入試で苦労をしているような気がします。

筑紫丘に進学したのに西南にも合格できない、筑紫丘なのに浪人して福大(医学部でも薬学部でもない)、筑紫なのに西南・福大をたくさん受験しギリギリ福大に1つだけ合格できたといった子に会ってきました(福岡地区以外の地域の人にはピンとこないと思います)。

もちろん、すべての人がそうなるというわけではないですし、一般入試で合格した人が同じようにならないとは言えません。

進学校に通ったのにそれに見合わない大学に進学したから、余計それが目立って私がそれを一般化してしまっているだけの可能性もあります。

しかし、そうだとしても、一般入試で受験を経験しておく方が後々活きてくるという私は思っています。

受験を知ることができない

上でも書いた通り、推薦入試で合格してしまうと本当の受験を知ることができません。

入試直前1ヶ月の勉強は、過去経験したことがないくらいの勉強をする子が大半です。

寝る間を惜しんで(しっかりと睡眠をとってください)勉強をし、勉強をしてもしても勉強をしたりない、知識が足りないと不安に思いながら勉強をするのです。

定期テストで点数を取るための勉強と入試の勉強の違いを知ることができるのです。

英語・数学の基礎知識を身につけるのが受験期という子も多くいるはずです(うちの塾は英語・数学を先行しているので入試直前期は暗記が多い)。

そして、何よりも勉強のやり方を身につけるまたとない経験をすることができます。

これらの貴重な経験を逃してしまうのが推薦入試だと思ってください。

一定レベル以上の大学受験を考えているのであれば、推薦入試は勧められません。

推薦入試後も危険

推薦入試を受けると、受験が終わったような気になってしまう子が多いです。

合格することができれば問題ないですが、不合格になったときは大変です。

一度やる気が途切れてしまっているので、「は~、これからまた1か月勉強をするのか」「推薦で合格できていたら楽だったのに」とマイナスな心理になる可能性が高くなります。

推薦を受けていなければ、普通に受験生としての意識を持ち続け、一般で合格できていたかもしれないのに不合格になってしまうことも考えられます。

貴重な受験の経験をできずにダラダラと時間だけが過ぎてしまうことも考えられます。

そして、確実に公立に合格するために志望校を変えてしまうのです。

気持ちの切り替えをすることは思っている以上に大変なんです。

推薦で受験をするかどうかは各自の判断で決めるべきですが、このようになる可能性もあるということを知ったうえで決断してください。

金銭的に公立しかないと思っている人

不合格になる不安はあると思いますが、それでも、大学進学を考えているのであれば推薦入試で受験するの止めた方がいいと思います。

大学進学を考えているのであればそれなりの成績なはずです。

推薦で受けなくても一般入試で受けても合格の可能性は高いはずです。

また、学力特待で合格できる可能性の高い私立高校で保険をかければ金銭的な問題はクリアできるはずです。

推薦・専願で合格してしまった人へ

推薦や専願入試で合格してしまった人は、高校の入学式まで約2ヵ月自由な時間ができるはずです。

受験勉強をしなくてよくなったからといってダラダラ過ごすのではなく、本を読んだり、今しかできないことをしてください。

進学後を考え、高校の内容を先取りして勉強をするのもいいでしょう。

また、夜中に遊びまわって、取り返しのつかないことにならないようにしてください。

特に女の子は夜遊ぶのは止めましょう。

参考:推薦入試で不合格になってしまった人へ

実力以上の高校

定期テストでは400点台後半を取れるのに、授業態度も良好で先生にも好かれていて内申点は40前後、しかし、実力テストになったら偏差値50台後半程度しかとれないというような場合は要注意です。

推薦は調査書だけで合否が決まるので、実力がなくても公立高校の推薦入試で地元のトップ校に合格できてしまうこともあるからです。

実力以上の高校に合格してしまうと、推薦で合格できてラッキーと思うのは束の間、入学直後から授業についていけず、ほぼ確実に学年下位争いを繰り広げることになります。

当然、そのような状況に陥ってしまえば中堅私立大学に合格することすら難しくなります。

地域で1番・2番手校に合格できたのに、現役で大学に合格できず結局浪人。しかも、浪人しても自分が納得できる大学に合格することができなかった。

こうなってしまうと、後悔してもしきれなくなると思います。

そうならないために、実力テストではあまり良い結果を出せていないけれど、スポーツが少しできて内申が42・3取れているというだけで推薦入試で合格を狙っている人は本当に気を付けてください。

大学進学を考えていないのであれば問題はありませんが、考えているのであれば、自分の実力に見合う高校に進学をするほうが結果的に良くなるかもしれません。

塾としては生徒を最後までキープしておきたい?

「塾が推薦入試を受けさせてくれない」というような検索がので一応それについて触れておきます。

個別指導塾の多くは合格実績よりも生徒を長い間通わせて授業料を確保したいという気持ちが強いので「推薦入試は受けない方が良い」と言うかもしれません。

大手集団授業の塾は公立高校の合格実績を出したいから「推薦で合格できればそれでよい」と言うかもしれません。

どのような意図があって「推薦入試はダメだ」というのかは分かりませんが、推薦で受けるかどうかは塾に判断させるのではなく、自分で決めてください。

ちなみに、私の塾ではお金にこだわりもないですし、合格実績もなるようにしかならない(本人が受けたいと思っているところに合格させるために塾がやるべきことをするだけ)と思っているので、推薦で受験をしようと考えている生徒に対しては、その子が大学進学を目指しているのかどうかによって、「受けろ」と言ったり「一般のほうがいいかもしれない」と言います。

参考:大学進学を考えている中学生の高校の選び方