合格最低点について(私立大学難化)

公立高校入試・大学入試の合格最低点について書いています。

また、2017年度以降私立大学に合格するのが難しくなったことについても書いています。

  1. 結果がでるまで分からない
  2. 入試問題が難化した
  3. 合格最低点の利用法
  4. 公立高校は倍率が大きく影響する
  5. 不安要素は入試改革だけでなかった
  6. 2017年度から一部の私立大学が難化
  7. 併願者数が増えた
  8. 進研で偏差値40台・Fランクの大学も難化したか
  9. 大学が取った策
  10. 福岡県内の私立大学
  11. 不公平に感じる気持ちは分かる

結果がでるまで分からない

「今年の合格最低点は何点になりますか?」と尋ねられても、「分からない」としか答えようがありません。

問題の難易度は毎年異なりますし、受験生のレベルも毎年異なります。

また、受験者数が増えればそれだけ合格が難しくなります。

合格しやすい年度に当たれば合格最低点は低くなるかもしれませんし、合格しにくい年に当たれば高くなるかもしれません。

それに、大学の場合は点数調整が行われているので公表されているものが素点の合格最低点(配点のままの点数)とは限りません。

なので、「〇〇点で合格できるでしょうか?」などと言われても、合格できるかどうかは結果が出るまで分かるわけがないのです。

結果が出るまで誰にもわからないことをあれこれ考えても意味がありません。

試験を受け終わったら、ものすごく長く感じられると思いますが、結果が出るまで待ってください。

なお、このサイトで書いている目安の点数を書いていますが、実際の結果とは大きく異なる可能性も十分考えられます。

このサイトを参考にしている方はその点に注意してください。後期を考えている人は下のページも参考にしてください。

参考:大学の後期入試について

入試問題が難化した

高校入試でも大学入試でも「問題が難化した」と騒ぐ人がいます。

しかし、本当に問題が難化しているとするなら、自分だけでなく受験生全員が同じように感じているはずです。

合格最低点も下がるでしょう。

なので、中には得する人損する人は出てくるでしょうが、問題が難化することは大した「問題」ではありません。

「問題」なのは受験者数が極端に増えたり、合格者を極端に絞ってくる場合です。

合格最低点の利用法

過去問を解いて、その年度の合格最低点とどれくらいの差があるかを確認し、自分の実力で合格の可能性があるかどうかを確認するのが合格最低点の利用法だと私は思っています。

例えば、500点満点中400点が合格最低点の学校を受けるとします。

入試まで残り3ヶ月くらいのときに過去問で300点くらい取れれば、残り100点上げるためにどの科目をどれだけ勉強すればよいかと考えるんです。

また、願書締め切り直前に解いて400点前後をとれたなら「合格できる可能性は十分ある。挑戦しよう」とか、300点くらいしか取れないのであれば「残り数週間で100点上げることは不可能に近いから志望校のレベルを下げたほうがいいな」と、志望校を決めるときの参考にするんです。

「合格最低点を取れたから絶対に合格する」と錯覚している人がかなりいますが、合格最低点を取れたとしても、点数に波がある人、ぎりぎり合格ラインを超えた程度である場合、合否はどうなるか全く分からない状況にあります。

「合格の可能性は十分ある」ということしかわからないです。

参考:過去問を解く意味(合格最低点が全く取れない)

公立高校は倍率が大きく影響する

公立高校は合格最低点や偏差値だけでなく倍率が合否に大きく影響します。

偏差値60と言われている高校であっても、倍率が1.2倍くらいしかなければ、上位合格者は偏差値60台後半で下位合格者は偏差値51・2くらいになるはずです。

偏差値60くらいある高校は基本的に人気があり、倍率が1.2倍になることは滅多にないかもしれません。

しかし、倍率には波があり前年度は1.8倍もあったのに、自分が受ける年度は1.2倍に下がるということは起こりえます。

そうなった場合、昨年度受験していれば絶対に不合格になっていたはずなのに、運よく合格してしまうこともあるんです。

なので、どうしても公立高校に合格しなければならないという人は、過去3年くらいの倍率と募集人員の推移はチェックしておいた方がいいです。

本年度の入試がどのようになるのかはふたを開けてみないとわかりませんが、多少の予想はできるはずです。

なお、難関私立高校や偏差値の高い大学入試は倍率が下がったとしても、運良く合格できるということはほぼ起こりえません。

倍率が極端に下がれば合格しやすくなることは間違いないですが、仮に4倍から3倍に倍率が減ったとしても、ハイレベルな受験生が多く受験をしているので極端に成績が悪い受験生が合格できてしまうようなことにはならないのです。

ただ、公立高校に合格できればどこでもいいという場合を除けば、実質倍率など気にせずに自分が行きたいと思って選んだ高校に挑戦するほうがいいと思います。

挑戦することでたとえ不合格になったとしても「大学受験で見返してやる」という気持ちになれるはずです。

ランクを下げて合格してしまうと「やっぱりあのとき下げずに挑戦しておけばよかった」と後悔しても取り返しがつきません。

それに、大学受験でも直前の追い込み気に不安に負け「ワンランク下げて合格できるのであればそれでいい」と勉強に気合が入らなくなることも考えられます。

 偏差値60以上の公立高校に偏差値50台前半の子が運良く合格してしまったら入学してから大変になるので注意してください。

不安要素は入試改革だけでなかった

入試が変わることだけに注目をし、入試対策をどうすればいいか不安に思っている親が多いと思います。

しかし、国が大学の収容人員を厳しくしたことで収容人員が4000人以上のほぼすべての私立大学が難化しました。

今までなら「そんな大学不合格になるほうが難しい」と言われていた大学でさえ、今までのように簡単には合格できなくなってきました。

2017年以降に大学受験をする人は中途半端な勉強しかしていなければ、日東駒専・産近甲龍・福大・広島修道大学など難易度がそこまで高くない大学にすら合格できなくなります。

2017年度から一部の私立大学が難化

2015年度までは大学の収容人員は8000人以上とそれ以下の2つに分けられ、8000人以上は収容人員の1.2倍(充足率120%)以上、未満は1.3倍(130%)以上になると、私学助成が全額不交付となる基準がありました。

しかし、国の方針により2016年度から定員が適正化(厳格化)されるようになりました。

大学の規模は8000人以上かそれ未満かで分けられていましたが、大規模(8,000人以上)・中規模(4,000人以上8,000人未満)、小規模(4,000人未満)の3つに分けられることになりました。

そして、収容人員が2016年度~2018年度にかけて少しずつ厳しくなることが決まりました。

大規模大学:1.17倍以上→1.14倍以上→1.10倍以上

中規模大学:1.27倍以上→1.24倍以上→1.20倍以上

小規模大学:1.3倍以上

大規模大学は2015年度まで収容人員の120%まで学生を入れても良かったのに2018年度は110%しかダメになったのです。

収容人員8000人大学は9600人までは学生がいても大丈夫だったのが、2018年度には8800人しか学生を入れることができなくなったのです。

中規模以上の大学の中には、2017年度入試の合格最低点が前年度より20点以上増えたところもあります。

問題が簡単になった可能性もなくはないですが、充足率が大きく影響していることは間違いないです。

影響が少なかった大学

小規模大学は収容人員の適正化の影響はほとんど受けていないみたいです。

また、もともと推薦入試の合格者数が多い大学や合格者数をはじめから抑えていた大学はそこまで影響しなかったみたいです。

Fランクで収容人員以下の学生数しか確保できていなかった大学はほとんど影響してないと思って構いません。

影響を受けた大学

早稲田・MARCH・関関同立、地方の中規模以上の大学(偏差値がそれなりに高い中堅レベル大学の大半)の多くがこの影響を受けています。

2015年度と2017年度の一般入試の募集人員と合格者数を比べれば大学がどれだけ入学者数を減らしているかが一目瞭然です。

早稲田・MARCH・関関同立

全ての大学の計算をするのは面倒だったので、頭に浮かんできた大学の一般入試(推薦を除く入試形態)の結果を何校か計算してみました。

早稲田は2015年度の募集人員5,580人に対し合格者18,281人(人員の3.28倍)、2017年度は募集人員5,550人員に対し合格者15,927人(人員の2.87倍)

青山学院大学は2015年度の募集人員2,725人に対し合格者10,085人(人員の3.70倍)、2017年度は募集人員2,962人に対し合格者8,064人(人員の2.72倍)

立教大学は2015年度の募集人員2,926人に対し合格者13,198人(人員の4.51倍)、2017年度は募集人員3,102人に対し合格者11,373人(人員の3.67倍)

関西学院は2015年の募集人員3,327人に対し合格者13,126人(人員の3.95倍)、2017年度は募集人員3,346人に対し合格者12,342人(人員の3.69倍)

立命館は2015年度の募集人員4,431人に対し合格者30,848人(人員の6.96倍)、2017年度は募集人員4,675人に対し合格者29,939人(人員の6.40倍)

全ての大学で募集人員が増えたのに、合格者数が減っています。

特に関東の大学はわずか2年で2000人も合格者数が減っています。

 カッコ内数字は募集人員に対してどれだけの人数を合格させたかです。合格倍率ではありません。

 難化前も年度によって急に合格が難しくなるということはありましたが、充足率の適正化により今後の一般入試は過去よりも簡単になることは考えにくいです。

併願者数が増えた

大学入試が複雑になったことも一つの原因ですが、お金をかけずに一度に多くの学科を受験できる併願受験をする人が増える傾向にあります。

2016年・2017年・2018年度の入試は過去の入試状況から合格難易度を推測しにくくなりました。

進研で偏差値40台・Fランクの大学も難化したか

40台だった中規模私立大学は確実に難化しています。

Fランクも大学によっては難化したところがあります。

今までなら受験者のほぼ全員が合格していたのに、2017年度から十数名~百数名程度の不合格者を出すところが出てきました。

このような現象が起こったのは、今までなら中堅大学に合格できていた人が不合格になり、滑り止めとして受けていた低偏差値の大学にしか合格できなかったからだと思います。

それと連鎖して、勉強をさぼってきて偏差値40台の大学に合格できると思っていた人がそれすら合格できず、今までは受験したら全員が合格していた大学にしか合格できなくなっています(2016年・2017年の入試結果を見る限り)。

大学が取った策

充足率条件を満たすために次の2つの策を取った大学が目立ちます。

  1. 収容人員を増やす
  2. 推薦入試の合格者数を増やす

2016年・17年に収容人員を増やす私立大学が目立ちました。

収容人員が増えればそれだけ充足率条件に余裕がでるからだと思います。

一般入試は合格したとしても第一志望に合格していればそちらに流れてしまいます。

合格した人がどれだけ入学しするか、過去のデータからある程度は予測はできますが確実なものではありません。

想定を超える入学者がでてきたら、大学側としても困ります。

一方、推薦入試であれば合格すればほぼ100%入学をします。

確実に合格してくれる人を多くとっていれば、一般入試である程度合格者を減らしたとしても最低限必要な入学者数を確保しやすくなります。

一般入試の募集人員が増えたにもかかわらず、合格者が減った私立大学が多くあるのはこれが原因です。

簡単にまとめると、「2017年度以降は推薦合格者の枠が増え、一般入試で合格するのが極端に難しくなった」ということです。

参考:高校生の勉強

福岡県内の私立大学

福岡県内の大学も影響を受けています。

西南と福大の一般前期入試(福大は系統別を除く)の合格者数の結果です。

西南学院大学は2015年度の募集人員923人に対し合格者3,944人(人員の4.3倍)、2017年度は募集人員1,130人に対し合格者3,593人(人員の3.2倍)

福岡大学は2015年度の募集人員、1,825人に対し合格者6,836人(人員の3.7倍)、2017年度は募集人員1,807人に対し合格者6,093人(人員の3.4倍)

この結果を見ればわかると思いますが、今までなら西南に合格できていたかもしれない人が福大にしか合格できず、福大・中村に合格できていた人が九産・福工大・久留米にしか合格できない、今までなら九産レベルの大学に合格できていた人がFランクの大学にしか合格できない。

そんな状況にあります。

とはいっても、今まで100人合格できていたのが90人くらいしか合格できなくなるだけなので、もともと上位50位くらいの実力がある人にとっては、難化は取るに足らない問題です。

今回の難化が合否に大きく影響するのは、合格できるかどうかが運に左右されていた下位3割くらいの受験生です。早稲田やMARCHが難化したのとは全く次元が違います。

普通に勉強をしていれば合格する人が合格でき、中途半端に勉強をしている人が不合格になるという構図に変わりはありません。

2019年度に受験をする人で、大学受験をなめている人は今から努力しなければ「福大すら」合格できなくなるので努力してください。

また、現時点で成績があまりよくない人は意識を受験に切り替え、今までの生活をかえて勉強をすべきです。

不公平に感じる気持ちは分かる

私立大学入試が急に難化したことで、2016年以前なら合格できていたであろう大学に合格ができなくなったのは事実です。

自分が今年受ける大学を2016年以前に合格していた人の中には、2017年以降であれば絶対に合格できていなかった人も多くいると思います。

自分が2016年にその大学を受けていればかなりの確率で合格できていたのに、2017年だったから合格できなかったと言い換えることもできます。

福岡でいうなら、「去年なら西南に合格できていたのに今年だったから福大にしか合格できなかった。」「自分よりも実力がなかった人が自分より高学歴になるなんて不公平すぎる」と思いたくなるでしょう。

しかし、これは、いくら悩んでも変えようのないことです。

受験に限らず、自分が望むような結果をつかむ可能性を高めたいなら、今後の社会がどう変わっていくのかを想像しながら、今、自分が何をすべきなのか自分で考えるしかありません。

今の日本社会では学歴が重要なので受験勉強をするのが有効な手段の一つですが、受験勉強のためだけに暗記をすることなど時間の無駄でアホらしく思う時代がすぐ近くに来ているかもしれませんよ。

参考:勉強をする理由