偏差値30台・40台から早稲田、半年で早稲田、3ヶ月で早稲田などで良く検索されることがあります。
確かに、「偏差値30台が半年で早稲田に合格‼」というようなことを聞くことがあります。
果たして早稲田に半年で合格できるのでしょうか?
目次
偏差値40台から半年で早稲田?
結論を言うと、99.9%不可能です。
「偏差値40台から半年で早稲田・慶応に合格!!」という言葉には騙されないようにしましょう。やる気がなくなるだけです。
「偏差値40台から1年で(3ヶ月でとか5か月でとかもある)早稲田・慶応に合格、難関国立大学に合格!!」そんな夢のような話しを本気にして勉強してみてください。
多分、数か月、いえいえ、ほとんどの人が1ヶ月以内に勉強をやめると思います。なぜならば、不可能だと気付くからです。
しかし、偏差値40台、場合によっては、30台からでも半年で慶応・早大に合格している人がいるのは事実だと思います。そうであっても、40台から1年間で早稲田・慶応に合格することは不可能だと断言します。
矛盾している表現ですね。でも、私が言っている偏差値40台には2種類あるのです。
1つは修猷館・福岡・筑紫丘レベルの高校(福岡県内トップレベル)の偏差値40。もう1つはそこら辺の誰でも入れるレベルの高校の偏差値40です。
同じ偏差値40でも全く違うんです。トップレベルの高校に入っている生徒の偏差値40は、基礎学力がある偏差値40です。
基礎学力がある人の大半が勉強のやり方を分かっています。勉強をすればすぐにそれを吸収できるのです。
しかし、そこら辺の誰でも入れる私立の偏差値40は、英検準2級にも合格できない、勉強のやり方も分かっていないレベルです。
そのような生徒が、「よし、半年で早稲田に行った人もいるんだから自分も今から努力をすれば合格できる!!」と、張り切って勉強を始めても、勉強のやり方が分からないので全く成績が伸びません(下手をすれば始めた初日に挫折するかもしれません)。
全く勉強のやり方が分からない偏差値40レベルの子は、勉強のやり方を身に付けるだけで3ヵ月から半年、遅い人で1年近く必要になるでしょう。
これだと、やっと勉強のやり方が分かり始めたときに入試を迎えることになります。だから合格は絶対にできないのです。
もちろん1日20時間くらい集中して勉強ができるのであれば、半年くらいで合格ができるかもしれませんが現実味がありません。
勉強に慣れている人でさえ、1日20時間も集中して勉強ができるわけがありません。5時間でも厳しいです。まして、勉強に慣れていない人が1日20時間も集中して勉強できるわけがありません。
偏差値40から早稲田・慶応に合格をしたいのであれば、どんなに遅くても高校2年生の4月から勉強を始める必要があるはずです。2年でもかなり厳しいでしょう。
今のように簡単に情報が手に入るのであれば、もっと短期間に偏差値を挙げられることができたかもしれませんが、私は進研模試で偏差値30台から偏差値50を超すのに1年以上かかりました。
高校1年の4月から1日5時間の勉強をしてもです。
「偏差値30台・40台から半年で合格」というような検索をする人はトップレベルの高校の人ではなく、私のように普通の頭しか持っていない人だと思います。
だから、偏差値40台から半年で早稲田に合格することは99.9%不可能なのです。
勉強に慣れている人とそうでない人の差
例えば、「He congratulated me on the completion of my trial period in the new company.」という英文をそのまま暗記しなさいと言われたとします。私なら10秒でこれらを頭に入れることができます(復習しなければ数日後には微妙なミスを起こすかもしれませんが)。
10秒で覚えられるのは、すでにすべての単語を知っているからです。「congratulate A on B」という熟語を使っている。「of my trial periodが前のcompletionにかかっている」などのことを瞬時に判断できるので、2・3回声に出して読めば頭に入ってきます。
しかし、単語を全く知らなかったり英語の構造を知らなければこれらを覚えるのに5分くらいは必要になります。10秒と5分の差はかなり大きいです。
もし、10個の文を覚えろと言われたら私なら2分くらいで覚えられますが、1つに5分かかる人は1時間近くもかかります。時間がかかればそれだけ集中力も低下します。
覚えるのに時間がかかり、集中力も低下する。この状況が続く限り、同じ時間勉強をしたとしても、一生追いつくことはできませんよね。5分から10秒で覚えられるくらいの実力になるために莫大の勉強時間が必要になります。
こういうことから、全く勉強をしてこなかった人が3ヶ月どころか1年かけても早稲田などのトップレベルの大学に合格することが不可能だということが分かると思います。
「こうやれば受かりました」の本
市販されている「こうやったら受かっちゃいました」の勉強指南書は、勉強をするという前提で書いています。
もちろん、勉強指南書なので勉強をすることを前提に書くのが当然なので仕方のないことなのですが、勉強をするという前提で書かれた本を、勉強をしない子が読んでもはっきり言って意味がないです。
急に勉強をしようと思い立った生徒がそのような指南書を読んで「自分も半年で早稲田に合格するぞ!!」と思うかもしれません。しかし、思い立った直後は良いかもしれませんが、勉強のやり方を知らないので何から手を付けていいのかわからず1か月以内に勉強をやめてしまうのがオチになるでしょう。
ですので、繰り返しますが偏差値40の生徒が本気で早稲田・慶応に合格したいと思うのであれば、絶対に2年間は必要です。
早稲田・慶応は何もやってこなかった生徒が半年で合格できるような大学ではありません。
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それでも早稲田・慶応に挑戦したい
「勉強はいきなりできるようにならない」ということを知ってください。継続的に長期間頑張らないと努力が結果につながることはありません。
偏差値40の人がまず最初にやるべきことは、継続的に勉強する力をつけることです。
「無理と言われようが自分は絶対に半年で早稲田・慶応に行く」と強い意志をもって、とりあえず1日10時間ひたすら英単語の暗記を1ヶ月続けて完璧に覚えてください。
それができてから、早稲田を受けるかどうか考えてみてください。この程度の英単語を1ヶ月で覚えられないようなら半年で早稲田など不可能です。
1か月間単語の暗記を続けるという勉強は普通はしません。
しかし、基礎学力のない偏差値40台の人は何から手を付ければいいのかわからないでしょうし、早稲田・慶応を受験するならいずれにせよ英単語を覚える必要があります。
だから悪いやり方ではないと思います。
終わりに
受験指導者として、絶対に合格できないという否定的な表現を使うのは少し問題なのかもしれません。
しかし、真実を知らずに非現実的な誘い文句に騙されてそれを信じたばかりに、結局、自分に自信を無くして勉強をしなくなる方が問題です。
「早稲田に合格したければ継続して長期間努力をしろ!!」それだけです。