福岡県の公立高校推薦入試に関連することを書いています。
志願倍率などは「推薦・一般入試の志願倍率・定員増減・中間発表」を参考にして下さい。
目次
公立高校の推薦入試受けると一般入試は受かりやすい?
推薦入試を受けたら一般入試で受かりやすくなるか、もしくは受かりにくくなるのかという心配をしている人もいるでしょう。
受かりやすくも、受かりにくくもならないはずです。
推薦入試の結果は一般入試に影響をしないと思ってください。
「推薦だけでなく一般でも受けてくれるなんて、うちの高校のことが本当に好きなんだな。若干Aさんよりも成績が悪かったけれど、この子を選んであげよう。」なんてことは、99%ありません。
「推薦の時のおどおどした態度、作文の出来具合、この子はうちの学校には合わないからAさんよりも少し成績が良いけれど不合格にしよう。」なんてことも当然起こりえません。
推薦をしてもらうには
福岡県内で推薦入試が始まったのは1994年(平成7年)だったと記憶しています。
当時は校内推薦の基準がまったくなかったので、どのような成績だろうが、よほど生活態度が悪くない限り推薦入試を受けたいという意思を示せば校内で不合格になることはありませんでした。
制度の認知もされておらず、推薦入試の存在すら知らない(そういう入試制度ができたらしいね?という程度の認知)受験生もいました。
しかし、今は推薦が一つの入試制度として確立してしまったので、スポーツ推薦で生徒と中学・高校の間で事前に合格を確約する場合を除き、簡単には校内推薦に合格することができなくなっています。
校内推薦を通るためには、まず、受験する高校に必要とされている内申点が必要です。
それに加えて、生徒会活動、部活での一定の成績を収めているなど、高校にアピールできる何かが必要になります。
大学受験を考えているなら、推薦入試で合格するのは勧めませんが、
どうしても推薦で合格をしたいのであれば、定期テストでよい点を取り、先生から好かれるような態度を取り、生徒会に入ったり、スポーツで頑張るようにしてください。
※ ちなみにクラブチームで結果を出している子は中学3年の1学期、学校の部活をしている子は中体連の結果をみて9月ころに高校から声がかかります。声がかかった子は受験する前からにすでに合格が決まっています。残念ですが推薦の多くが出来レース状態に・・・。ただでさえ、このような状況になってしまった推薦入試なのに、学区外から通える科がある高校は学区外から有望な子を引き抜くところもあるということを聞くと・・・。しかも、偏差値60以上の進学校であってもそういうことをしているかもしれないとのこと(しているかどうかは学校の先生なら分かると思います)。自分の学力では100%合格できない公立高校に推薦合格したら・・・。勉強についていけるかどうかよりも部活で上を目指すことを優先したいのかもしれませんが、子供のことを考えたらさすがにそういうことは控えてもらいたいです。せめて学区内で通学に負担がない子を引き抜くのにとどめてもらいたいです。
県立高校はサッカー推薦ありますか?
私の元生徒に公立・私立併せて二桁の高校からオファーが来たという子がいました(スポーツ特待が大好きな某公立高校からは当然のように声がかかっていました)。
その子の入塾当初の偏差値は30台でした。
そのような偏差値でもスポーツに才能があると認められれば私立に限らず、公立からも推薦が来るということを私自身初めて知ることができました。
その内容については何とも書きにくいのですが、推薦入試は8割がたスポーツ推薦と思ったほうがいいかもしれません。
初めから合格が決まっている子がたくさんいるかもしれません。
高校によってはスポーツができる子以外は推薦で合格させていないかもしれません。
すべて私の勝手な想像なので事実は異なる可能性が十分ありますが、どう考えてもスポーツで実績のある子以外が推薦合格をしている割合の方が少ないです。
中学と高校の先生なら真実を知っていると思うので、気になる人は聞いてみてください。
ついでに書いておきますと、推薦で合格した彼は頭がかなり良かったです。
夏休み前に入塾したときは偏差値30台でしたが卒業前は偏差値60近くになっていました。
普通に受験しても内申点さえよければ筑紫・福岡中央くらいまでなら合格できるような実力になっていました。
塾講師をしていると本当の天才に会うことがたまにあるのですが、天才は本当に次元が違います。
中学1年生に教えているにも関わらず、「この子には絶対にかなわない」と思うことすらありますから。
でも、そういう子に限って勉強が好きではないんです。
あと、一つ上げるとすれば、理数科が学区に関係なく入れることを利用し、推薦入試(実質はスポーツ特待)で区外から入学させている高校が現実にあるということを生徒から聞きました。
どことは書きませんが、5学区以外の高校です。
その子が勉強できるならまだしも、学力的には理数科ではやっていけないと聞き、高校卒業後その生徒にどのように進路選択をさせるのかが気になります(プロを目指させるのかどうか)。
この手のことはすべての公立高校で行われているとは思いますし(私の想像でしかないが)、子どもたち自身もその親もスポーツ特待で合格することを喜んで受け入れたとは思いますが、さすがに学区の枠を無視して推薦で取るのはいかがなものかと思ってしまいます。通うのがつらいだろうし…)。
倍率が1倍を下回っていたら全員合格
一般入試では倍率が1倍を下回っていても不合格になることが起こりえます。
しかし、推薦入試ではかなりの確率で全員合格になるはずです。
というのは、推薦入試は学校推薦に通っているからです。
推薦で不合格になる可能性が高いと思われるなら、学校推薦にも通りません。
学校推薦に通ったということは、最低限の合格基準に達していることを意味しています。
ですので、白紙に近い状態で作文を提出したり、奇抜な格好や、他の受験生にちょっかいをだすなど、よっぽどのことをしない限り不合格にはならないはずです。
推薦入試作文の過去テーマ
福岡県の推薦入試の作文テーマが市販されていることはないですし、ネット上でもないと思うので過去の推薦入試の問題を探すのは難しいと思います。
塾に通っていない人は「フクト」が出版?(フクトを受けたらタダでもらえる)している『Wish』の12月号に面接&作文試験の傾向と対策を掲載しているのでそれを確認してください。
ただし、すべての高校の推薦入試の問題が載っているわけではないので、自分が受験する高校の過去問が掲載されていないかもしれません。
ただ、校内で推薦の枠をもらえたのであれば、自分が受験する高校の過去問を学校が持っているはずです。
対策のためにプリントコピーして渡してくれるはずなのでそれの方が参考になるはずです。
ネット上で「●●高校推薦入試過去問」などと調べる必要性は、少なくとも福岡県内の受験生にはないでしょう。
どのような問題が出るか
学校によって傾向があるはずです。
それなりに偏差値が高い公立高校が「志望理由は何ですか」「高校入学後あなたが目標としていることは」というものをテーマにすることは考えられないと思ったほうがいいでしょう(絶対に出ないとは言えない)。
また、地元のトップレベルの高校なら今後の大学入試を意識した出題がされる可能性があります。
新しい入試を意識した対策をしたいのであれば、「採点者に好印象を与える 高校入試 小論文・作文のオキテ55」を利用してもいいと思います(ちょっと偏っていますし、それは違うだろというところもありますが、そこそこ納得できる部分もあるので)。
読んだからといって作文を書けるようになるかは微妙ですが、少なくとも新しい大学入試を意識している点ではお勧めできます。
直前対策
残念ですが、1日や2日で作文が上手に書けるようになる秘策はありません。
予め「志望理由は何ですか」「高校に進学してからやってみたいことは何ですか」「将来は何になりたいですか」といったことが出題される可能性が高いなら対策はあります。
事前に書くことを決めておけばいいのです。
しかし、最近の福岡県の私立高校の推薦入試ではそれは通用しません。
通用するとすればあまり偏差値の高くない高校なので、そもそも対策をしなくても合格できてしまう可能性が高いです。
それでもどうしても対策を取りたいというのであれば、「型」を覚えることを勧めます。
「型」を覚えれば作文・論文は書ける、という類のものを多く見ます。
ただし、型を覚えようとしても、文章を書いたことのない子には無理なはずです。
簡単に「型」を自分のものにすることはできないからです。
仮に「型」を覚えようとしても、何をやっているのかすら分からず、時間だけが過ぎていくことになるはずです。
それなりに学力の高い子なら、本を読んでいるときは「これ使える」と思えるかもしれません。
しかし、「これ使える」と思えるのは、使える例題をもとにしているから「使える」と思えるだけで、何が出されるか分からない入試問題にピンポイントで対応ができるようにはなりません。
ネットで「作文・論文の書き方」というのを探しても、時間を無駄にするだけなのでやめましょう。
結局は、対策をするには時間が必要と言うことです。
作文や論文を書く試験を受ける予定がある人は、少なくとも1か月くらい前から対策をとってください。
「対策を取る」というとすぐに個別指導塾を思いつく人がいますが、学校の国語の先生に聞く方がお金がかからないし手っ取り早いです。
何人も国語の先生がいるのだから、1人くらいは作文の添削をしてくれるはずです。
ただし、受験の後は合否に関わらず「ありがとうございました」と一言伝えてください。
今も昔と変わらず、「ありがとう」という言葉を言えない子がいるのではないでしょうか。
「ありがとう」と一言伝えるだけで教えた先生は「この子に教えて良かった」とやりがいを感じることができるのだから、必ず伝えるようにしましょう。
参考:推薦入試で高校に合格するリスク
参考:推薦入試で不合格になってしまった人へ
実態はスポーツ推薦かもしれない
推薦入試について上に書きましたが、偏差値の高い高校に進学をするのであれば一般に絞って勉強をしたほうがいいと思います。
スポーツで実績を残している子が不合格になることはありませんが(受ける前から合格が決まっているので当然)
スポーツ実績ゼロで内申点と生徒会活動だけで推薦を受けている子の多くは、倍率にもよりますが、不合格になっているみたいです。
偏差値50前後くらいまでの高校は学力でも合格の可能性は十分ありますが、偏差値が高い高校はスポーツで実績がないと合格は難しいと思います。
初めから「スポーツ推薦」とすればいいのに…
10年以上前のことですが
- 通知表の5段階評価が40を超え
- 生徒会活動
- バスケ部(市大会止まり)
- 実力テストは偏差値60前後
このような子が筑紫丘高校に推薦で合格したことがありますが、例外的な結果だと思います(その子は体格が良く、リーダーになる素質が外見からみられた)。
ちなみに、その子は福大に合格できませんでした(許可をもらったので書いています)。