浪人すれば合格ができるかどうか不安に思う人が多くいるはずです。
合格者上位半数以上に確実に合格できるだけの実力がなければ運も合否を左右するでしょう。
過去、偏差値30から早稲田に合格できた人も多くいるでしょうし、浪人しても結局望んだ大学に進学できなかった人もいるでしょう。
一つ、確実に言えることは、浪人しても中途半端な努力しかできなければ希望する大学には合格できないということです。
目次
元教え子
私が以前教えていた生徒で2浪して法政大学に合格した子がいますが、その子は現役の時は合格に必要なだけの努力をしているようには見えませんでした。
1浪の時に大手予備校に通っていたにもかかわらず、再び浪人。
2浪の時もほぼ合格ができないと思っていた状況(受験終了後、手ごたえとして受かる気がしなかったのに合格できたと本人から聞いた)からなんとか合格。
その子は合格後「やらなければ合格はできない。分からないことを教えてもらうことは大切だが、結局は自分がやるかやらないか。それですべてが決まる」というようなことを言っていました。
2浪で合格ができたからよかったものの、もしそこで不合格になっていたらその子はどうなっていたでしょうか?
再び浪人生活に戻っていたのか、大学に進学することができず高卒で就職をするか、専門学校に入って公務員を目指すか、何をしていいか分からず腐ってしまうか。
たいした努力もせずに偏差値50前後の公立高校に進学してしまった人が、大学入試も何とかなるだろうと根拠がない自信をもっていても中堅以上の大学に合格できるわけがありません。
しかも、2016年度から充足率要件が厳しくなり2017年度にそれが大きく影響し、2018年度も2017年度と同様に厳しい状況になりました。
今後、この状況が変わることはまずないです。
なので、浪人をした人は2015年度以前に浪人するよりも厳しい状況にあり、とにかく努力をするしかありません。
不安に勝つ気力が必要
入試直前期になると「合格できるの?」という不安に押しつぶされそうになるはずです。
その重圧に勝ち、大学に絶対合格してやるという意思を持ち続ける必要があります。
それができないと思うなら(中途半端な気持ちで浪人するなら)、浪人するだけ時間の無駄になるはずです。
浪人生になる決心した直後は気合で勉強をする人が多いと思います。
しかし、4月の中頃になると、「入試までまだ9ヶ月もある。現役の時に勉強しているから現役生にはまだ負けない。余裕をもっても大丈夫かな」と、気が緩むかもしれません。
特に、現役の時は、何とかなるだろうと夏休みまでは遊びまくり2学期が終わるころになると焦って勉強を始めた人は要注意です。
そのような人は、入試直前3ヶ月はかなり努力をしているので(その努力がどの程度かは個人差があるが)、何となく自分ができると勘違してしまいがちになります。
そうなると、結局、中だるみ状態になり、現役の時と同じように入試直前期になってから初めて本気になりだすという最悪な状況になるかもしれません。
だから、浪人すると決めたのなら、とにかく気合を入れ続けてください。
現役の時に不合格になった大学が偏差値50程度の大学であれば、偏差値60以上の大学を目指すんです。
同じレベルの大学を目指しては、甘えが生じ、同じことを繰り返す可能性が高くなるからです。
参考:浪人するべきか
努力しても合格が難しい人もいる
残念ながら、どれだけ努力をしても日東駒専・産近甲龍・西南・福大レベルの中堅私立大学に合格できない人が、間違いなくいます。
公立高校入試は倍率が1.0~1.3倍くらいと低く高校によっては倍率が1倍を下回ります。
また、勉強をまったくせず知識ゼロの状態でも受験する子がいるからです。
なので、偏差値50前半くらいまでの公立高校なら、勉強に困難を抱えている人でも合格できてしまう可能性があります。
- 単純暗記が極端に苦手だったり
- 単純な用語暗記はできても知識の積み重ねて問題を解く英語ができない
- 国語の文章題が全く読めずテクニックでしか答えられない
- 数学だけが極端に苦手で何もわからない
こういうことが原因で、中学では何とか公立高校に合格できたとしても、大学入試レベルの問題には対応できない子が現実にいるはずです。
暗記ができなければ選択科目で点数を取ることができません。
暗記ができても、それをもとに初めて見る問題に対応することができなければ大学入試の問題は解けません。
センター試験はテクニックで解ける問題があるかもしれませんが、私立大学の個別入試はテクニックで解くことは難しいです。
絶対にだれにも負けないくらい本気で努力をしていたのに、進研模試で偏差値50に達することができない人もいるかもしれません。
もし、浪人をしようと考えている人がそうだとするなら、少し考えたほうがいいかもしれません。
私は塾講師として勉強が本当に苦手な子を何人も見てきています(それが私の思い込みの可能性であることや私の指導力不足であることは否定できません)。
勉強をしていないことが原因で成績が悪いのか、勉強のやり方が悪いことで成績が悪いのか、勉強をしているのに成績を伸ばすことができていないのか、塾講師をしているとある程度分かります(1回の体験授業で分かることもあります)。
私は塾講師として受験指導をしていますが、受験だけがすべてではないと思っています。
大学に進学しない人も半数はいて、その人たちの多くは就職ができているはずです。
大学に進学をしていないからといって、社会にでられないというわけではありません。
また、大学と言ってもピンキリです。努力をしたことがない人が集まっている大学に進学しても自分を成長させる機会に出会うことは難しいです。
それなら、専門学校で専門的な技術を学ぶ方が数倍よいです。
一定レベルの大学に進学することが日本社会で生きていくために有効な手段の一つになることは間違いないですが、それがすべてではありません。
大学に進学していなくても人生を楽しんでいる人、成功している人はたくさんいるはずです。
逆に大学に進学したのに後悔している人もたくさんいるでしょう。
受験勉強ではなく自分が持っている得意なところを活かして自分が楽しいと思えることで食べていけることを考えてもいいと思います。
世の中どのようになるか先が読みづらい現在、就職ではなく自分の興味関心を生かして起業をすることを考えてもよいと思います。
大学進学することだけがすべてではありません。
参考:学習障害(LD)