九州産業大学の合格最低点は公表されていないません。
なので、どれくらい取れていれば合格できるのか分からず気になって仕方がない受験生が多いみたいです。
が
に書いた通り、受験後に何点取れば合格できるかどうか考えても意味がありません。
一応合格最低点について書きましたが、以下の内容は参考程度にしてください。
なお、偏差値30台からでも西南・福大は目指せます。
と思って消去法で九産でもいいから合格したいと思っているのなら、西南・福大を目指すことを勧めます。
目次
難化前
定員枠が厳格化された「私立大学難化」以降、九州産業大学に合格するのがかなり難しくなりました。
それまでは、一般前期で倍率が2倍を超える学科はあまりなく2010年以前は
ほとんどが1.1倍~1.8倍くらいだったので
ここに合格できない人ってどんだけ勉強していないんだ?
と思われるくらいの大学
Fランクと言われても仕方がない大学
でした。
しかし、ここ数年の倍率をみると理系学科を除けば
3.0倍以上になっているのは当たり前で
国際文化・人間科学部になると5倍は当たり前、6倍を超すこともある大学になっています。
この数字を見れば誰にでも分かる通り
九州産業大学は
受験すればだれでも合格できるような大学ではなくなってしまいました。
おそらく、2010~16年度入試で福大にギリギリ合格できていた子が
2018~2021年度に九産を受験していたとすれば合格できていなかった可能性すらあるはずです。
それくらい九産に合格するのは難しくなったと思ったほうがいいです。
難化は続くか
西南・福大は昨年度(2021年)の入試はそれ以前の数年と比べ明らかに合格しやすくなりました。
これが今年も同じ状況になるかはまだわかりませんし
受験者数によって倍率が高くなることが起こり得ますが
おそらく、超難化していたここ数年と比べれば合格しやすくなると思います。
しかし、九産大は違います。
難化が落ち着き始めたと思われる今になっても志願者数が減る傾向がみられません。
難化前と比べ志願者数が大幅に増えた状態が続いています。
学部編成があり定員や学科が変わってしまったので正確に比較するのが難しいのですが
平成24年(2012年)度入試の一般前期の志願者数(合格者数)は
- 国際文化:127名(60名)ー2.1倍
- 日本文化:105名(50名)ー2.1倍
- 臨床心理:161名(49名)ー3.2倍
- 経済 :559名(306名)ー1.8倍
- 商学 :550名(290名)ー1.8倍
- 観光産業:112名(75名)ー1.3倍
- 国際経営:118名(76名)ー1.3倍
- 産業経営:129名(71名)ー1.4倍
- 情報科学:87名(71名)ー1.2倍
- 建築 :78名(53名)ー1.5倍
- 合計 :2,685名(1,690名)ー1.5倍
それが令和3年(2021年)度はどうでしょうか?
- 国際文化:476名(105名)ー4.5倍
- 日本文化:320名(63名)ー4.9倍
- 臨床心理:553名(92名)ー5.9倍
- 経済 :2077名(476名)ー4.0倍
- 経営管理:1135名(386名)ー2.9倍
- 流通 :982名(249名)ー3.9倍
- 観光 :467名(149名)ー3.0倍
- 地域づ :483名(147名)ー3.3倍
- 情報科学:766名(183名)ー4.1倍
- 建築 :501名(112名)ー4.4倍
- 合計 :10,678名(2,762名)ー3.5倍
わずか10年で一般前期の志願者数が
2,685名から10,678名になっています。
なんと受験者数が3,976倍、約4倍にもなっているんです。
この数字のすさまじさは久留米大学の受験者数と比較すると分かりやすいです。
久留米大学の2012年度の一般前期の志願者は4,801名(医学部を除くと3,197名)
2021度入試は一般前期の志願者は5,977名(医学部を除くと3,943名)
医学部を含めたとしても
志願者数は4,801名から5,977名なので一般前期の受験者数は1.244倍
九産が3,976倍なのに対し久留米は1.244倍しか増えていないんです。
九産と久留米大学では大学の規模が違うのでこの数字だけで単純に比較はできるものではありませんが
九産大の異常な人気ぶり
倍率の高さは分かってもらえるはずです。
なお
2012年度は九産よりも久留米に合格するほうが確実に難しかったですが
今は九産の方が合格するのは若干難しいと思います(倍率だけみたら九産の方が相当難しく見えるかもしれませんが、偏差値的には拮抗しているので、倍率から受ける印象ほど合格するのが難しいという訳ではないみたいです)。
おそらく今後受験者数が大幅に下がることは考えられないので、
九産が過去のように誰もが簡単に合格できてしまう大学になることは、
少子化が今以上に進んだときしかないと思います。
でも、イメージはなかなか変わりません。
30代以上の人が「九産大=バカ」と思うことはちょっとやそっとのことでは変化しないはずです(ちなみに私が九州の中で一番いいと思っている大学は九産です)。
なので、大学名にこだわるのであれば、
将来「公認心理師」を目指すの場合や
学びたい学科が九産大にしかないという場合を除き
西南・福大を目指したほうがいいです。
合格最低点
九産は合格最低点が公表されていないので(もしかしたら近いうちに発表されるようになるかもしれません)。
何点取ればいいか分からず不安に思っている受験生も多いはずです。
少なくとも2012年はあの簡単な問題であっても臨床心理学科を除けば6割くらい取れればかなりの確率で合格できていたはずです。
学科によっては5割でも合格できていた可能性が高いと思います。
しかし、今は違います。
2021年度入試の合格者平均を見てください。
数字は左から順に
文系は英語・国語・日本史(合計)
理系は英語・数学・物理(合計)
生命科学だけ英語・国語・数学(合計)
です。
- 国際文化:85.8点・69.3点・78.7点(233.8点)
- 日本文化:73.6点・74.1点・83.8点(231.5点)
- 臨床心理:79.8点・75.7点・80.6点(236.1点)
- 子ども :75.6点・62.9点・74.1点(212.6点)
- スポーツ:74.0点・65.7点・75.9点(215.6点)
- 経済 :75.8点・64.0点・82.0点(221.8点)
- 経営流通:67.7点・63.5点・75.8点(207.0点)
- 観光 :71.2点・62.5点・75.6点(209.3点)
- 地域昼 :68.9点・66.6点・76.7点(212.2点)
- 情報 :71.2点・70.2点・81.5点(222.9点)
- 機械工 :62.9点・59.9点・74.1点(196.9点)
- 電気工 :58.7点・60.3点・75.2点(194.2点)
- 生命科学:72.3点・71.2点・63.9点(207.4点)
- 建築 :77.0点・75.6点・82.2点(234.8点)
- 住居 :71.2点・71.1点・80.9点(223.2点)
- 都市 :66.8点・66.0点・67.4点(200.2点)
になっています(芸術学部は除く)。
おそらく合格者平均から15点~20点マイナスした点数が合格最低点くらいになるはずなので
それがおおよその合格目安になると思っておけばいいと思います。
つまり、国際文化・日本文化・臨床心理・建築は7割とっても合格できるかどうか微妙なライン
その他の学部も6割で合格するのはかなり厳しい状況にあると思ったほうがいいと思います。
もちろん、受験年度によって問題難易度が異なるので、今年の合格者平均がどれくらいになるかわかりません。
なので、結局は結果を待たなければ分からないことに変わりはありません。
ちなみに、2012年の合格者平均は
国際文化が202.4点
日本文化が201.6点
臨床心理が219.6点
建築が196.1点
でした。
臨床心理はもともと合格するのがある程度難しく、国際文化・日本文化・建築はかなり難しくなっていることが分かります。
あと
合格者平均を書いて改めて確認できたのは
英語と選択科目ができるかできないか、合否を大きく分けるのはこの2科目にかかっているということです。
合格者平均と受験者平均を比べると国語ではあまり差がつかないのが明らかでした。
なぜ九産が人気大学になったのか
久留米大学は志願者数が増えず、九産だけが大幅に増えたのか、気になる人がいるようなので、私の考えを書いておきます。
西南・福大に合格するのが難しくなったこと大きな原因だと思います。
西南・福大には合格したいけど、浪人はしたくない。
西南・福大のすべり止めになるのは福岡工業大学・九州産業大学・久留米大学が候補になる。
福岡市内に住んでいる子が久留米大学と九州産業大学を天秤にかけたら、
通いやすさから九産を選ぶ(他に、21世紀になってから少しずつ九産の評価が上がってきたこともあり以前なら久留米を滑り止め校としていた人が多くいたが九産を視野に入れるようになってきたと思う)。
筑後の人口と福岡市内の人口を考えたら圧倒的に福岡市内の人口の方が多いので、久留米は受験生が増えないが九産だけが大幅に増えた。
こんな感じだと思います。