公立高校入試の倍率は少なからず合否に影響を与えます。
倍率の仕組みを詳しく知りたい人や、どうしても公立に合格しなければならない人は参考にしてください。
目次
合格内定者
各学区のトップ校を抜かし、推薦合格者を予定人数以上に取ります。
例えば、40名程度を推薦合格で取ると公表している高校が60人くらい推薦で合格させてしまうこともあるのです。
推薦で多くの合格者をだせばそれだけ一般で合格するのが難しくなります。
具体例
受験情報局ステップUPでは、各高校の実質倍率を以下の形で表しています。ある高校を例に具体的に実質倍率の見方を書いておきます。
- 入学定員 :320人
- 合格内定 :85人
- 一般合格枠 :235人
- 一般受験者 :-
- 一般倍率 :-
- 昨年実質倍率:1.75倍
- 難易度 :若干易しい
この高校の受験者は482人でした。これを入学定員の320人で割れば1.51倍になります。
しかし、実質倍率を計算するときは、既に推薦入試で合格が決まっている85人の内定者を除いて計算しなおす必要があります。
すると、定員320人から合格内定者85人を引いた235人が一般受験の合格枠になります。
そして、受験者482人から内定者85人を引いた、397人が一般受験者になり、235人の枠を397人で争うことになります。
つまり倍率は1.69倍になります。見た目倍率よりも0.18倍も高くなります。
このように、福岡県が公表している倍率をそのまま見ていては本当の倍率が分からないのです。
推薦でどれだけ内定者が出ているかによって見た目の倍率よりもかなり難しいこともあるので注意してください。
実質倍率とは
大学と違い、公立高校に合格した人のほぼ全員が入学します。
全員が入学するので、単純に志願者数÷定員をすれば実質倍率が分かります。
と、言いたいところなのですが、福岡県が公表している倍率は推薦入学者などを含めた数字なのでそれらを差し引いて計算をしなければ正確な倍率が分かりません。
中間発表後「志望校変更」ができる機会があるので、どうしても公立高校に合格しなければならないという場合は
倍率を見たうえで変更を考えてください。
このサイト上の表記
志願者を定員で割った数字を名目倍率
志願者と定員から推薦入試で合格した人を抜かして出したものを実質倍率としています。
入試直前期は受験校はほぼ決まっていると思います。
どの高校を受験するか迷っている人は前年度の倍率から本年度の倍率を推測してください。
どうしても公立高校に合格しなければならない人は中間発表後、志望先を変更してください。
ただし、倍率が1倍を下回る高校を受験したとしても必ず合格できるとは限りません。
内申書が悪いと不合格になります。
第2志望
トップレベル校の理数科など、第2志望を選択できるところは注意する必要があります。
例えば、筑紫丘高校の理数科を105人が受験したとします。
全員が普通科を第二志望にしていれば理数科に不合格になった後は普通科で合否判定をされることになります。
理数は他学区からも受験できるのでなんともいえません(普通科は5学区に住所がある人しか受けられない)が、ほとんどの人が第5学区からの受験をしていると思うので普通科を第二志望にしている人は相当数いると思います。
仮に全員が普通科を第二志望にしていれば65人が普通科に回る(理数科の定員が40名だから)ので、561人ではなく626人が志願者数になります。
そうなった場合の実質倍率1.45倍から1.62倍になります。
見た目倍率よりも高くなる実質倍率よりさらに倍率が高くなるということを覚えておいてください。
※ この仕組みは私自身確信を持てなかったので福岡県に問い合わせました。県の回答は上記の通りでした。
⇒ 北九州地区(第1~3学区)
⇒ 福岡地区(第4~6学区)
⇒ 筑後地区(第7~10学区)
⇒ 筑豊地区(第11~13学区)
定員割れは全員合格?
倍率が1倍を下回る公立高校もあります。
俗にいう定員割れです。
果たして定員割れだと全員合格になってしまうのでしょうか?
福岡県内では、築上西、育徳館、門司学園、早良、玄洋、太宰府、三井、大川樟風、浮羽工業、浮羽究真館、朝倉光陽、東鷹、西田川、東嘉穂、嘉穂総合、鞍手竜徳が2017年3月入試で補充募集を掛けました(ここに挙がっている高校の多くは例年かなりの率で補充募集をしています)。
つまり、定員割れです。
しかし、これらの高校を一般入試で受けたら必ず合格するかと言われれば
そうとも言えません。
よほどのことがない限り不合格になることはありませんが
不合格になる可能性がゼロというわけではありません。
受験した年の平均点にもよりますが、5教科合計が100点以下の場合、合格は難しいかもしれません。
内申点がオール1でも合格は難しいはずです。
学校で問題を起こして補導歴がある場合も合否に影響を与えるはずです。
※ 点数があまりにも低すぎると不合格になる可能性は十分考えられます。
合否基準は不透明
定員割れの学校でも不合格になる可能性はあることは間違いないですが
合否の基準は分かりません。
おそらく高校ごとに独自の基準を設けているはずです。
内申点が悪くても
入試の結果が良ければ合格にするところもあるはずです。
逆に入試の結果が100点以下でも
内申点がオール3に近ければ合格させるところもあるはずです。
もしかすると
入試の点数も内申点も関係なく受験した生徒全員を合格させている高校もあるかもしれません。
いずれにしろ合否の基準は公表されていないので
定員割れの高校を受けるときでも入試で100点以上
内申点はオール2以上を取るように頑張ってください。
上に挙げた高校に進学した人で
「高校で開示した入試結果と内申点が悪かったのに合格した」
という人がいれば是非教えてください。
内申の評定が悪くても受験はできる
- 内申書がどれくらい合否に影響するのか
- 内申書が悪くても公立高校に合格できるのか
このようなことを悩んでいる人が多くいるみたいです。
上述の通り、合否の基準が分からないので何とも言えませんが、内申点が合否に影響する可能性は高いです。
定員割れの高校はもちろん、倍率が高い高校も内申点が合否に影響します。
どうしても公立高校に合格しなければならないという人は、実力テストの結果だけでなく内申点の結果も考慮したうえで受験する高校を選んでください。
特殊入試
芸術・ファッション・スポーツ系の学科やコースは実技が合否にものすごい影響を与えます。
倍率が1倍以下になっていたとしても一定の能力がなければ合格はできないと思ってください。
特色化選抜入試
2019年1月入試から始まった始まった新しい入試制度です。
初年度は一般入試で生徒を募集しても生徒がなかなか集まらない高校がメインに実施していましたが。
3年目の2021年1月から武蔵台高校が推薦入試を廃止し特色化選抜を導入をし、少し驚きました。
今後は推薦入試に変わって多くの高校が実施するようになっていくかもしれません。